人とロボットの物語

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毘夷零

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2006.07.31
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「名前は?」

「歳は?」
「まだ若いの。」
小学生の頃読んだ・・・たぶん夏休みの感想文の為だったのかその辺りは定かではないが、
星新一先生の名作「ボッコちゃん」に物凄く影響を受けた。
子供の頃は自分でボッコちゃんみたいなロボットを造るぞぉ!と思っていたが
どうにも算数が苦手だった俺は、理数系向きではなかった為その想いはすぐに断念してしまった。

やがて、そんな事すら忘れ去られてしまい受験戦争に巻き込まれ

ボッコちゃんの事なんか、記憶の隅追いやられに思い出す事も無かった。
TVでイブ1号の特集を見るまでは・・・・
ちょうど同じ頃会社から転勤の辞令が出た。
それなりに会社の為に働いてきたつもりだったが、上司に意見しただけで飛ばされる我が身に
(それが原因かどうか分からないが・・・・)
会社に執着する気が失せてしまった。

親戚が古びたバーをやっていたが、たたもうと思っていると言う話を聞き
代わりに脱サラしてバーをやろうと思った。
同僚に素人が客商売はできないと忠告された。
だが俺はそんな言葉に耳を貸す気は無かった。
ボッコちゃんに出てくるバーのマスターみたいな生活を送りたくなった。


俺はバー始めるにあたって雀の涙の退職金をはたいてイブ1号を買うと決めていた。
女性型ロボットが居なければボッコちゃんの世界は再現できない。
だからイブ1号は必要だった。

以外にと言うか不思議とバーのマスターは俺には合っていたようだ。
そんなに儲かりはしなかったが、それなりに喰っていくには困らない程度の利益は出せた。

もちろん、イブがロボットだと言うことはお客には内緒にしていた。
イブ目当てのお客は結構居た。
さすがにボッコちゃんと言う名前にするわけにいかず、「あけみ」という名前にしていた。

「名前は?」
「あけみ」
「歳は?」
「まだ若いの・・・」

そんな会話が飽きもせず毎晩のように繰り返されていた。
その会話を聞きながら俺は嬉しくなっていた。
自分はボッコちゃんの世界に居る!そう感じられた。








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Last updated  2006.07.31 14:02:16
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