人とロボットの物語

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毘夷零

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2006.08.06
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クールビューティーと男は彼の隣の席に座った。
「久しぶりだなぁ・・・」
佐々木と呼ばれた男が言った。
「あぁ・・・」
彼はそっけなく答えた。
「あぁ俺さぁ・・今これやってるんだ・・・」
佐々木は、そう言って彼に名刺を渡した。
彼は名刺をチラッと見て、続けたクールビューティーを見た。
佐々木は、その視線に気づき

主力製品?って事はクールビューティーはやはりロボット・・・
俺がクールービューティーをマジマジと見つめているのに気づいたらしく
「ご挨拶が遅れました・・・わたくしこういう者です。」
そう言って佐々木は俺にも名刺を渡した。
名刺を見ると


          株式会社ダビィンチ


と書いてあった。
「マスターも彼女の凄さはご理解頂けたと思います。」
佐々木が言った。
「セールスのために彼女をうちの店によこしたのですか?」
俺は佐々木に聞いた。

 どうです?お宅のお店にも1台置いてみては・・・・
 良かったら今からレンタルいたしますので使ってみて下さい。
 明日、わたくしが引き取りに着ますので、その時気に入らなければ
 この話しは無かった事いたします。
 それだけ、このロボットに私共は自信を持っています。

 マリア・・・すぐにお手伝いしなさい。」
佐々木がクールビューティーに命令した。
「分かりました。」
そう言ってクールビューティーは立ち上がり
「マスター・・・何をいたしましょう?」
と聞いてきた。
丁度その時、奥のテーブル席から注文が入った。
「それじゃ・・奥のテーブル席行って注文をとってきて。」
俺は指示した。
「わかりました。」
そう言ってクールビューティーは奥のテーブルに向かった。
「それでは私はこれで失礼します。明日のこの時間にまたお伺いいたします。」
そう言って佐々木は席を立った。
「佐々木・・・」
彼が何か言いかけたが
「いや・・・またな・・・」
そう言った。
佐々木はそのまま出て行った。
「やはりクールビューティーはロボットでしたね。」
俺が彼に言うと
「マスター!頼みがあるんだけど」
彼は真剣な顔で言った。
彼のあまりの真剣な顔に吃驚しながら
「なんですか?」
と聞いた。
「店が終わった後、あのロボット調べさせてくれないか?」
それを聞いて、彼はアメリカに行くための勉強でクールビューティーを
調べるのだと俺は気づいた。
「別に構いませんけど・・・・」
少し不服ではあったが、断る理由が見つからなかった。
それから彼は真剣にクールビューティーの動きを見続けていた。

クールビューティーはと言えば、かなり手際良く仕事をこなしていた。
あけみと比べると月とすっぽんである。
あけみは、はっきり言うと仕事は半人前以下だった。
ただ・・・不思議なことに初めはクールビューティーに興味津々だった
常連たちも時間が経つと共にクールビューティーに興味が無くなって
いつものように、あけみを口説き始めた。
俺は不思議に思い、それとなく常連に聞いてみると、殆どの常連が
「だって完璧すぎてロボットみたいなんだもの・・・」
と答えた。
確かにロボットなんだけど・・・
あけみもロボットなのに・・・とちょっと複雑な気分だった。
やがて看板をむかえ、店を閉めた。
クールビューティーとあけみに奥の部屋へ行くよう命令し、彼女達に仕事終了だと告げ、
電源を落とすように命令した。
言われたとおり、彼女たちは部屋の隅に並んだ椅子にそれぞれ腰掛けた。
俺はその日の売り上げを手早く整理し金庫にしまった。
まだ店のカウンターで待っている彼を呼びに行った。

まだ彼はカウンターのいつもの席で飲んでいた。
「遅くなって、すみませんね」
俺がそう言うと
「謝るのは僕のほうだよ。わがまま言ってすみませんね。それで・・・」
「奥の部屋に居ますよ。」
「そうですか・・・あのロボット何かおかしな所ありませんでした?」
「おかしな所ですか・・・強いて言うならロボットだってすぐバレました。」
「・・・・」
彼が何か考え事を始めたので俺は聞いてみた
「あのロボットが何か・・・??」
「あれ・・・ロボットじゃないですよ。」
「え?!」
意外な発言に俺は吃驚した。
「最初に見た時から違和感があったんです。」
「その根拠はなんです?」
「まず・・・ロボットっぽ過ぎます。普通ロボットってバレないようにするのが
 完璧なヒューマノイドロボットを作る人間の常識です。
 それが自信を持ってレンタルさせるロボットがわずか数時間でバレるようじゃ・・・」
「それは出来が悪いって事じゃないですか・・・」
「それともう一つ、出来が悪い癖に動きのリズムが不規則なんです。
 それでいて歩行にしても問題無く動いています。
 どうしてもコンピュータ制御だとある程度リズムが単調になるんです。
 それがあのロボットなるべく単調にしようとしていて不規則になるんです。
 これって人間がロボットの動きを真似するのと同じ現象だと思うんです。」
「それじゃ何の為に・・・そんな事・・・」
「それは僕にも分からないです。とにかく彼女に聞いてみましょう。」
そう言ったと同時に奥から大きな物音がした。

俺と彼は急いで奥の部屋に向かった。





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Last updated  2006.08.06 22:14:26
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