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毘夷零

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2006.09.05
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カテゴリ: 歌姫
それから、何事も無く日々が過ぎていった。

あれから菜緒子とは会っていなかった。
私も、もう一度ステージに立ってみたいとは思う。
だけど・・・やはり立つ自信はなかった。
そんな事は夢物語だ。
とにかく次のステージはメリーに負担をかけないような
演出にしようと頭を悩ませていた。
今までが、かなり激しいステージだっただけに

かと言ってステージの時間を短縮する訳にもいかない。
完全に煮詰まっていた。
菜緒子に相談したかった。
しかし、あれから菜緒子と連絡が取れなかった。

その日の夜、菜緒子の家を訪ねた。
呼び鈴を鳴らしたが反応が無かった。
留守なのだろうか・・・??
しかし、中から音楽がかすかに聞こえていた。
「菜緒子!!居るんでしょ?私よ!開けて!!」
私は叫んでみた。
そして、ドアーのノブに手をかけた。

どうやらドアーには鍵がかかっていなかったようだ。
「無用心ねぇ・・・・」
そうつぶやきながら私は部屋の中に入った。

中に入ると菜緒子はTVモニターを見ながらキーボードを叩いていた。
私が入ってきた事に気づいていないようだった。

そう言うと、やっと気づいたように
「あぁ・・・来てたんだ・・・」
「来てたんだじゃないわよ!!」
そこで初めて私はTVモニターには昔の私のライブが流れていた事に気づいた。
「何でこんなモノ見てるのよ!?」
そう言うと菜緒子は
「あなたがステージに立つための準備・・・」
と言った。
「まだそんな事言ってるの!無理に決まってるじゃない!!」
私は少し腹が立ってきた。
「そんな事より今度のメリーのステージの・・・」
そう言いかけた私に菜緒子はマイクを向けて
「歌って。」
唐突に言われたので思わず言葉が詰まってしまった。
「データ取るから歌って。」
また菜緒子が言った。
「だから無理だって言ってるでしょ!!何度言えばわかるの!!」
あまりのしつこさに思わず怒鳴ってしまった。
「無理じゃなかったら歌ってくれるの・・・」
と菜緒子は思わせぶりな言い方をした。
何を根拠にそんなこと言い出すのか理解が出来なかった。
「これから言うことを聞いてから答え出しても遅くないと思うわよ。」
「どういう事?」
私が聞くと
「あなたの声が出ないのは声帯がうまく機能してないからよね?」
「そうよ!」
何を今更言うのかと思った。
「その為に、元々あった声が出なくなったのよね?」
「・・・・」
相槌を打つ気にもならなかった。
「何で元の声と変わったのかしら?それを考えたら一つの答えを導き出したの。」
菜緒子が何を言いたいのか、まだわからなかった。
「つまり、声帯が機能しないために出なくなった音の波長を機械で発生させて合成させれば
 元の声・・・それが無理でも近い声を再生させようと思って。」
「そんな事・・・できるの?」
元の声が出せるようになる・・・・まさか・・・
そんな夢みたいな事出来る訳ない・・・
そう思いながら、期待している自分が居た。
「わからないわ。でもやってみる価値はあるんじゃない。」
「でも・・・」
「あぁじれったいなぁ!歌いたいの歌いたくないの!?どっち?」
菜緒子が聞いてきた。
私は歌いたいのかしら??
その答えは、すでに出ていた。
そして私は決心した。
「歌いたい!!」
「よし!決まり。それじゃデータ取りに協力して。」
そう言って菜緒子は私にマイクを渡した。
本当に再びステージに立てるのかどうか分からないが、
でも歌いたい!って気持ちは固まった。
とにかく菜緒子に任せる事にした。

しばらく菜緒子の家に泊まり込みをする事にした。
もしかしてステージにまた立てるかもしれないと言う夢を見ながら・・・・





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Last updated  2006.09.05 18:43:11
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