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なんせど近視だからスポットがあるないにかかわらず、前はぼやけて見えるだけ。一番前のネクタイ姿の中国政府関係の中国人の顔だけなんとか見分けることができただけ。。。まるで別世界に居る人たちみたいだった。それでもオニオンの目は、奥の人たちの顔をポツン、ポツンとなめまわした。自分の声が遠くから聞こえたような不思議な感覚になっていた。学校長の声だけがうっすらと聞こえるではないか!彼は、彼だけ歌ってくれている。。感謝。
ここにひとりのちんまい元ヤマト・ナデシコが、両親が口ずさんでいた歌を原語で、外地で、しかもアカペラで歌う。。なんの因果でか。。
きっとあっという間、数分の間のことだったのだろう。オニオンには何の自覚も無い。ただ、責任を果たしたという一種の到達感で一杯。100%燃え尽き、真っ白な灰になったという感じだ。拍手とかあったと思うが全く耳に入らなかったし、手のマイクをどうしたらいいのかわからず、とにかく横につきだしたら、誰かが取ったというところ。「謝謝」とだけかろうじて言う事ができた。席に戻ろうとすると、あの教師、どこにいたのか、オニオンに抱きついてきた。「よかった。よかった。」と自分の事のように。。。
とまれ、席に戻ってからしばらくの間もオニオンは別世界に残っていたのであった。10番目の歌は、プロのピアノ弾きが伴奏していた。うまかった。拍手を心から送った。そうして現世界に戻ることができた。オニオンだってプロのディディエにギターかピアノを頼めばよかったのかもしれないが、彼は中国人よりももっとアフリカンであって(カメルーン人)、こういうことは自分ひとりでなんとかした方がいいと思ったからである。キチンとした性格のオニオンには合わない。
終わった、終わった。全て終わった。その夜は皆でチャイナレストランだった。席に着くと、どこかの誰かが「オニオンさん、さっき歌いはったんオニオンさんでっしゃろ。。」と名指しできたのには驚いた。日本人の名前をすらりと発音しているは、この外人は。。はて、どっちが外人
翌朝はまあ、えらく早朝に目が覚めてしまい、久しぶりに朝風呂したのである。そしてアパートの掃除を始めたのである。
中学の時に音楽の試験で何でもいいから、自分の好きな楽器、もしくは歌でもいいから一曲選びなさいというのがあった。その時オニオンは「手のひらに太陽を」をもちろん日本語で一生懸命歌った。練習も一生懸命やった。思えば今度のはオニオン人生第二回目のアカペラソロだったのだ。いい経験をありがとう。
皆様、最後までおつきあいありがとうございます。
テレサ・テンさんありがとう。。。 
オッチンじゃったら。。 2026年03月02日
押してもダメなら。。 2026年02月22日
信じること。。 2026年02月16日