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カテゴリ: 音楽

ポールサイモンの6年ぶりの新譜の海外盤が今日アマゾンから届いた。

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素晴らしい。傑作だ。前作のコンセプトをさらに昇華させている。齢60を越えて何故これくらい枯れずに音楽を創造できるものか。ジャケットの写真から歌詞にまで彼の「今の世界へのメッセージ」が込められている。

ポールサイモンは自分の心惹かれる音楽を常に吸収し、作品を作っていく。だからサイモンとガーファンクルのイメージでポールサイモンのアルバムを聴くと面食らってしまうだろう。

様々なジャンルの音楽を吸収するがゆえにポールサイモンは「音楽の搾取」をしていると批判されることもあるが、それはちょっと彼のことを悪く見過ぎだと思う。才気溢れる無邪気な少年がそのまま大人になってしまったのだと思う。

さて今回のこのアルバム、ポールサイモンはある意味、メロディを捨てている。無造作に紡ぎ出した(ように見える)言葉をメロディと非メロディの境を縫うフレーズで歌う。

様式美はない。AメロBメロがあってサビ、というようなものも、間奏でギターやサックスが鳴くということも全くない。

音作りは一言でいうと、「ノイズ」と「ミュージック」の境目のサウンド作りだ。ギターがメロディともノイズともつかない音を奏でる。(しかしフィードバックのノイズとはまたちがう)不思議な感じだ。民族音楽的なものとエレクトリックなものが融合している。

一方、「リズム」はしっかり存在する。ドラムはスティーブ・ガッドだ。ポールがリズムをいかに大切にしているかが分かる。

結局彼は「言葉」を優先し、リズムと、最低限のメロディで作品を仕上げた。現代の「技術」と最高の「音楽理論」で、「原初の音楽」を再構築した。

これが私に一通り聴いてみての感想である。

何度も言うが、60を過ぎていつまでも枯れないのが凄い。

アルバムのタイトル通りSURPRISEだ。






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Last updated  May 9, 2006 06:54:34 PM
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