火精人キムのオリボープラザ

Feb 16, 2005
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カテゴリ: 火精人の独り言





勤務先のNGOの給料日は15日と30日。

給料日には決まっていつもFinca(農場)で働いているドン・サルバドールが、キムの働いている事務局にやってくる。給料の小切手を受け取って、それをダウンタウンの銀行で現金化するためだ。

そして彼がこっちに出てくる時は決まって彼と一緒に食事をする。オフィスで仕事の話をしだすと話が尽きず、いつも「じゃあ続きは飯でも食いながら・・・」といつもの中華屋へ出掛けるのだ。


どういう流れで始まったかは忘れたが、今日はとある同僚のことが話題になった。その同僚はいつも過去に起こったネガティブな出来事を事細かに覚えていて、誰がどういうことを言っただとか、こんなことをしただとか、昔の出来事(しかもネガティブな出来事)に拘り続ける性格なのだ。そして、その昔の出来事を理由に、不信感や怒りや不安といったネガティブな感情を、ずーっと長いこと溜め込むタイプなのだ。


自分が、「あの人はあんな風にネガティブな感情に執着していて、よく毎日生きていけるなって、いつも思うんだよ・・・自分だったらとてもじゃないけど、あんな風には生きていけない・・・」と言うと、ドン・サルバドールは大きく頷いて、「あんな風にいつまでもネガティブな感情に執着していたら、そりゃ色んな病気になるのは当たり前だよ・・・そりゃ、自分にだって毎日色んな出来事が起こって、怒ったり、落ち込んだり、悲しんだりすることもあるけど、自分はそういうネガティブな感情を溜め込んだりして、自分の幸せを台無しにしたりしない・・・生きていれば、誰にだったやっかいなことは起こるのは当然だし、悩みや問題を一つも抱えていない人間なんていない。でも大事なことは、そんな悩みや問題に自分の幸せを蝕ませないこと。とにかく嫌なことはとっとと忘れてしまうことだね・・・」

今年75歳。未だに現役で、毎日ギンギンの太陽の下でバリバリ働いているドン・サルバドールの言葉には、さすがに重みがある。

そして彼はこう続けた。

「今でも、思い出すよ。自分がまだエルサルバドルにいて小学校に行っていた時のことを・・・。自分の家族は、もうそれは言葉で表現できないくらい貧乏でね、学校に行く靴が買えないから裸足で学校に行ってたんだよ。片道1キロくらいのアスファルトの道でね。朝早いうちはまだよかったが、帰りはね、もう道が太陽の熱を一杯吸い込んでいてね、それはそれは足の裏が地獄を歩くように熱かった。そしてね、学校に行くとね、先生にこう言われたもんだよ・・・『あれどうした?お前のところの靴屋は店じまいしたのか?』ってね。そして、クラスのみんなに大笑いされた。でもね、自分はその時の情けなさ、悔しさ、悲しさに自分が蝕まれることを決して許さなかった。逆にね、先生やクラスメイトにバカにされ続けても、一度も学校を休むことなく、裸足で学校に行き続けた自分のその勇気を誇りに思っている。あの勇気だけは、いつまでも忘れることはないさ・・・」




まったく同じ事を経験して、上がる人もいれば、落ちる人もいる。

全ては自分の受け取り方で変わる。

またまた良い勉強をさせてもらった、ドンとの昼飯だった。







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最終更新日  Feb 16, 2005 11:28:39 AM コメントを書く
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