水彩画紀行  スペイン巡礼路 ポルトガル 上海、蘇州   カスピ海沿岸からアンデスの国々まで

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水彩画人 俊介

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カテゴリ: 絵日記三昧




冷たい雨が石畳を濡らし、アカシアの梢が激しく揺れていた。

先週、城砦の中の絨毯を売る家々の路地を描いた。

今日は、色つけに行こうと思っていたのに・・・。

こんな日はしずかに本を読むしかない。

日本からはるか異郷にいると、無性に読み直したくなる本がある。

振り返ると特に30代頃、たくさんの本に夢中になっていた。

まずは、宮本輝が自身の青春時代を描いた「青が散る」、「道頓堀川」、「泥の河」

特に学生時代を書いた「青が散る」が好きだった。

すがすがしい文体で素敵な伴侶への思いを熱く語ったのは詩人清岡卓行の「アカシアの大連」。

男女の間の機微を描いた作品の蔵書は数知れない。

川端康成の「雪国」のような本は大人になって読み直すと、また違う感動があることに気付いた。

読書とは、時には恋愛を疑似体験できる仮想空間のようなもの。

立原正秋の「残りの雪」、「紡ぎの里」・・・。

ここでは、いつも男は酷薄で、女はひたむき。

立原正秋のは簡潔な文体で読みやすいのでほとんど全部読んだ。

大人の情愛は、渡辺純一。 たくさん読みすぎて名を忘れた。

「ひとひらの雪」が一番よかった。

どんなに激しい男女の愛も、過ぎてしまえば、手の上で溶けていく

ひとひらの雪のようにはかないもの・・・。

心はもうあともどりできない。

深夜ひとりで読んで、誰かと感動を話したくなるのが

    藤沢周平の「蝉しぐれ」などの短編集。

「たそがれ清兵衛」が評判になったけど、短編にもとても良いのがある。

さて、今日は、読む本は決まっている。

「プラハの春」が上巻が終わって下巻に入ったところ。

プラハ革命の頃の日本人大使館員と

チェコの美しい女性との恋を描いたもの。

本当の歴史体験が重なっているのでとても興味深い本。

ところで日本では高価なブルーベリーがここでは1kg数百円。

そこでワイン作りを試みた友人がいて、帰国の時残していった。

すっぱくて飲みにくいと言うので、ポルトガルワインのように

ブランデー代わりの糖分を入れて再発酵したところ、

発泡ワインのようになって美味しく生まれ変わった。

今、丁度飲み頃で、野葡萄の深く濃い味わいがある。

今日は、それを飲みながら、読書三昧をするかな。

絵は、信州霧が峰の白樺林のれんげつつじ。

こんな白樺林の山荘で読書の秋などいいだろうな。


白樺林







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Last updated  2003/09/14 04:06:28 PM
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