2021年02月03日
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カテゴリ: 書評
​​​​    歴史の目的 渓内謙著『現代史を学ぶ』19950621。

 1)「人はなぜ過去を知りたいと考えるのか。
 2)歴史は「記憶」の一部か、それともそれ以上の精神の働きなのか。
  3)歴史は時代とともに「書き換えられる」と言われるが、その意味はどこにあるのか。(p15)

 2)について、
  時代が提起する『問題の解明』と「現在の問題の解明」。
  「過去の事実の記憶」にあるのではなく、「現在の問題の解決」(22p)。

 3)について 
 実証主義の方法は、「事実の確認」とそれに基づく「法則の組み立て」の二つの要因で校正される。  
    収集にあるのではなく、「未知」へと転化した主題を証拠と推論によって解明する。(36p)

    1991年、旧ソ連が崩壊。
  1920~30年代のソ連農村の研究を続けていた著者たちは、少なからぬ混乱に遭遇する。 そのなかから、歴史学研究の意味と、研究を分担する意義を考え直す。

 若き日に、
   『歴史とはなにか』の著者E・H・カー宅に泊めてもらったこともあるという著者。 
   それが、歴史哲学の深淵にふれる妙味を展開、

 はじめに 第一章 過去、現在、そして未来。第二章 テーマ、第三章 史料 第四章 文章化 おわりに。
  すこぶるシンプルなテーマ設定。机上に紙・筆。メモをとりつつ読む一書。


(出版案内の紹介)
  既成の価値体系が大きくゆらぎ,未来への不透明感がつのる現代.  いまこそ,時論の安易な追随におちいることなく,変動の深層にある歴史的文脈を見すえる知的営みが必要なのではないか.  ロシア現代史研究の第一人者が現代史を学ぶことの意義と方法を,長年の経験をふりかえりながら説き明かす.情熱みなぎる歴史学入門.​





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最終更新日  2021年02月04日 08時51分59秒
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