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Paganus

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2007.08.15
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テーマ: 戦争反対(1190)
カテゴリ: 日々雑感
 本日、8月15日は第二次世界大戦の最終局面である大東亜戦争(太平洋戦争)が事実上終結した日です。

 ちなみに、大東亜戦争とは当時の日本国政府が中国大陸で起きていた「事変(小規模戦闘あるいは非国家間戦争の意)」をも含め、対米英戦争開始に伴って呼称を閣議決定した正式名称で、連合国による占領時に当該呼称を禁止され、替りに使用を命じられたものであり、対日平和条約発効に伴い、元の大東亜戦争の呼称が復活されているのですが、マスコミを始め、各所で太平洋戦争の呼称が使われ続けているので現状では大東亜戦争という言葉は「死語」とみなされています。

 一般に「終戦の日」あるいは「終戦記念日」といわれている8月15日ですが、当時のことを時系列で眺めて見ますとなかなか興味深いものがあります。

 まず、連合国による「ポツダム宣言(無条件降伏勧告)」の受け入れを日本国政府が表明し、その旨を海外向け短波放送されたのは8月10日のことであり、正式にスイス政府及びスウェーデン政府を通じてポツダム宣言受諾通告がなされ、終戦の詔書「大東亜戦争終結ノ詔書(正式名称)」が渙発(公布)されたのが8月14日でした。当日午後に録音された昭和天皇による「玉音」が放送されたのが8月15日であり、帝国陸海軍に対して正式に干戈を擱くよう停戦を命じたのは8月16日であり、連合国との間で停戦が正式に発効するのは9月2日に東京湾内で米戦艦「Missouri」において降伏文書に署名されたことを以てします。

 また、ソビエト連邦との間では8月16日以降も千島列島や南樺太における住民保護などのために戦闘が継続しており、最終的に停戦が確定したのは9月4日でした。

 戦時国際法では戦争の期間とは当該国間における戦闘行為の開始から停戦までではなく、捕虜及び難民の帰還を含み、平和条約の締結及び発効を以て戦争が終結することを規定していますので、基本的には昭和27年4月28日に発効した「日本国との平和条約(通称:サンフランシスコ講和条約)」を以て大半の国との間で戦争状態が解消され、それ以外のソ連邦や中華民国など個別に同等の二国間協定の締結まで戦争状態は継続しました。

 こうしてみますと、8月15日という日付には何らの法的根拠もありませんでしたが、昭和32年に制定された「引揚者給付金等支給法」において8月15日を終戦(支給)の基準とし、昭和42年制定の「引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律」において8月15日を「終戦日」と規定しました。その後、昭和38年5月14日には8月15日に「全国戦没者追悼式」を実施する旨の閣議決定を行い、さらに昭和57年4月13日には8月15日を「戦歿者を追悼し平和を祈念する日」とすることが閣議決定され、現在も続いています。

 8月15日は民間習俗の「お盆(月遅れ)」にあたることから、両者が混交して死者の魂を追憶し供養すべき日として、言わず語らずのうちに日本人の意識のなかに根付いているのではないかと考えられています。

 なお、この戦争において地上戦が行われた沖縄では日本軍の組織的抵抗が終った6月23日を「終戦の日」とみなすことが多く、沖縄県においては6月23日を「慰霊の日」として休日としています。







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Last updated  2007.08.15 08:12:11
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