幸せ探し

幸せ探し

2017年01月09日
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カテゴリ: 私のすきなこと




前提
奥州の豪族安倍時頼が反乱を起こし、これは八幡太郎義家(源氏)に平定される。時頼の子ども貞任と宗任はは父の志をついで謀反を起こそうと画策している。そこで傀儡の旗印として現天皇の弟である環の宮と女官匳(くしげ)の局を誘拐する。
環の宮の守役である儀仗直方はその責任を問われて、窮地に陥っている。

環の宮明御殿の段(たまきのみやあきごてんのだん)
環の宮の御殿は宮が誘拐されて誰もいないところを、直方と妻浜夕が御殿を守っている。
そこへ次女の敷妙(義家の妻となっている)が夫の使いとして現れ、「夫の口上を伝えます。環の宮の行方今日にいたるまでわからず。もうこれ以上待てません。たとえ舅と婿の仲とはいえこの不始末に関する詮議に手加減は加えることはできません。決して遺恨に思われませんよう。」
その言葉で、直方は義家が例え自分が罪に問われようと敷妙を離縁はしないということを、理解する。
そこへ義家が登場する。
「舅殿、環の宮の行方を捜す手掛かりはまったくないのですか。」
「今まで黙っていたが、そなたの心遣いありがたく、お話しないといけないことがあります。この御殿で拾った紙ですが『約束通り環の宮を連れだしてくれ』と匳の局に宛てて書いてあります。差出人の名前はないが、これを書いたものこそ犯人と思われるが、おそらくは安倍一族ではないかと。」

話している時に桂中納言則氏が登場する。
「直方殿は謹慎中とあって、お慰めと思って早咲きの梅を持参しました。これでも眺めて気分を変えてください。」
義家はご禁制の鶴を殺したとして捕まえられた、南兵衛という男が人相風体から宗任ではないかと疑い、こちらで詮議をしようと連れてきていた。
(裏話。実は南兵衛とは偽名で安倍宗任である。彼は禁制の鶴を病気の子どもに食べさせようと殺してしまった男の身代わりに名乗り出たのだった。単なる親切心ではなく、捕まえられて朝廷に送られれば朝廷の様子がわかるだろうという心づもり)
しかし男は自分はただの猟師めっそうもないと言い張る。
中納言も南兵衛に対して「どうせ田舎者の猿や鹿にも変らぬ下司であろう(と梅の花を突き出し)この花をなんとみる。それともこんな花はみたこともないか。」
南兵衛(宗任)「いかにも私は田舎の下郎で花の名前もしらないが、そういう中納言様も実は長い間奥州へ流罪となってようやくこの頃許されて帰ってきたとか、これこそ山猿に冠ではないか。」
といいながら、座敷にあった源氏の白旗に進みいで
「我が国の梅の花とはみたれども大宮人はいかに言うらん」と書きつける。
中納言「いかにも、私は幼少の頃より父とともに奥州へ流され、恥ずかしながらまともな学問を授けられなかった。この歌に返歌をせよと言われてもその才能もないが、一介の猟師の身で和歌で即答できるわけもなく、この者は宗任に間違いないわ。語るに落ちた浅はかさよ。」
ということで宗任は引きたてられていった。

中納言は直方に向かい「この梅は暖かい室に入れて他の梅に先駆けて咲くよう育てましたが、いずれは散る身、花も散り際が大切ですな。」と暗にさっさと死ねと匂わせて去っていく。
(裏話 中納言というのも実は安倍貞任である。宗任は奥州で謀反のための人と金を調達し、貞任は京都にいて朝廷の様子をさぐっていて、しばらく兄弟は別れていた。貞任は謀反の旗印となる環の宮を誘拐するとともに、皇位の象徴である三種の神器を持ちだそうとしていたが、今のところはそのひとつの宝剣だけを盗みだしていた。
貞任は直方が自分の書いた紙を拾ったらしいことを知り、筆跡から自分であると判明することを恐れ、それらが公になるまでに直方を死に追いやろうと画策しているのだった。宗任の歌の真意は「我らの国(奥州)の兄(梅の花の別名を花の兄という)ですよね。わかっていますよ」ということだ。
義家も中納言がいくら流罪になっていたからといっても、歌も読めないのは怪しいと言う気持ちは持っている。)





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最終更新日  2017年01月10日 11時08分41秒
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