或る日の“ことのは”2

或る日の“ことのは”2

2012.03.07
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「あそこが、事件のあったマンションですか?」と、問われた。

この辺りで「事件」と言えば、最近の「あの事件」しかないだろう。

「・・・知りません」

言い捨てて、その人から離れた。



そんなことを問う理由など知らない。

野次馬はどこにでも居るものだ。

周りの迷惑にならない限り、文句を言われる筋合いはない。

だが、親が子を殺すという悲惨な事件の現場を、



マンションの立地、建物の価値を見て、

住人の人となりを測ってやろうという事か。

そこから何が見えるというのだろう、

何が知れるというのだろう。

マスコミの言う『心の闇』か?

『ゆとり』の生んだ弊害か?

嗤いたいのか?嘲りたいのか?嘆きたいのか?


***


駅の階段を降りていて、

下の階に降りた途端、足を捻った。

降りきったと思った階段は、まだ一段残っていて、



痛みと衝撃とで一瞬動きが止まり、

手を床に付いて、徐に顔を上げると、

足を捻った時、バランスを失った私の手が、身体に当たった女性が、

私の目を覗き込んだ。

「だいじょうぶですか?」



にっこり笑って手を差し出された。

一人で立てなくは無かったが、

思わずその手を借りて、私は立ち上がった。

改札前の混雑に紛れ、女性は直ぐに見えなくなった。

不思議と恥ずかしさは覚えなかった。

ただ、「すみません」と言ったが、「ありがとう」と言えなかったことを後悔した。





他人との係わり合いとは不思議なもので、

それがマイナスであれ、プラスであれ、どういったものでも、

心に某かの波紋を広げる。






今日は一日中足を引き摺っていたし、両膝には大きな青タンが出来たけど、

心が波打つような言葉を聞く位なら、

ずっとずっと

階段で転ぶ方が良い。











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最終更新日  2012.03.08 01:46:40
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