或る日の“ことのは”2

或る日の“ことのは”2

2014.04.15
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美容院で髪を洗ってもらっていると、そんな声がした。 

(「流行の服はお嫌いですか?」のイントネーションと、全く同じで。)

・・・ああ、またか。

『父が鹿児島です。 判ります?』目を閉じたままぞんざいに答える。(答えも判ってる)

『立派な眉と、クリッとした目をしてらっしゃいますからねえ』(嬉しそう)

私『ははは』(乾いた笑い)

・・・そういえば、

小学生の頃、九州在住の従兄弟が、西郷隆盛の絵を描いて、手紙を送ってくれたよなあ。



何故かカタカナで、『イットデヨカデカエッテキモンセ(一度でいいから帰ってらっしゃい)』

と一文が添えてあって、

今も、私のわかる唯一の鹿児島弁だ。

その鉛筆イラストの西郷どんの眉が、余りにも 凄かった ので、

『立派な眉』、と聞くと、今もあの絵が瞬時に脳裏に浮かぶ。

あの手紙はとうに失われたのに。

そして自分の眉を『立派』と評されると、意味も無くムッとする。

・・・申し添えておくなら。

あの時の従兄弟の西郷どんイラストのように、私の眉はゲジ眉ではない、・・・と、思いたい。


***




・・・今も美容院は苦手だ。

床屋方式がいい。 お願いだからほっといて欲しい。 ・・・静かに寝てる(寝たふりしてる)から。

私は現在、AとBの美容院を行ったり来たりしている。

毎回、『お久しぶり』で始まる挨拶が面倒くさい上、言い訳を考えるのが厄介だが、

同一の美容院に通うのは厭だ。



美容院というのは、美容師さんの愚痴や何かを聞くところなのか?

12月には、兄弟をえこひいきする親御さんの愚痴を、一時間にわたって聞かされたし、

今回は愚痴じゃないが、親の葬祭に付いて延々聞かされる羽目になった。

まじめに聞いてるフリ、だって疲れるのだ。

お陰で、私は美容院を出る頃にはクタクタだ。


***


美容師『凄い傷だねえ』

・・・これも苦手だ。

幼い頃からずっと触れられているので、今更傷つくほど小娘でもないが、

幼少の頃、額を怪我して縫った痕は、気付いた美容師さんなら触れない訳には行かないらしい。

『・・・あの人、あの人と同じ前髪にするといいよ、似合うよ!』

やおら、美容師さんが、傍の雑誌を取り上げる。

『んー。 名前が出てこないな、(出て来て)欲しい時には、出てこないもんだね』

・・・て、ヘアカタログじゃなくて、なんで『女性セブン』メクッテマスカ??

ややあって、美容師さんは『ああ、これこれ』と、とあるページを私に見せた。

それは、二月の時の人、氷上のプリンス、一時はメディアが報道しない日が無かったあの人、



・・・羽生結弦。



・・・ッばばばバカな事言ってんじゃないよ、アナタ命知らずですか!?

彼に、どれだけシンパ付いてると思うんですか?

私『・・・・・・・・・・はぁ。』

彼は、「アスリート系美男子」ですよ? 共通項が全く無いじゃないですか。


・・・一ミリたりとも、参考にならぬ・・・。


取り敢えず終わった。 ・・・もう帰る。 とっとと帰る。

頼んじゃいないが、美容師さんは、いつもわざわざお店の戸口を出てお見送りをしてくれる。

これも苦痛。 背中で見送ってください、頼むから。 

・・・なのに、

美容師『前髪、是非、参考にしてくださいよーゥ』

私『はぁ、まぁ。』

・・・おじさん、もう勘弁してください。



・・・こうして苦行が終わる。

終わったのに、

・・・三ヵ月後、再び受けねばならない苦行に思いを馳せて、暗鬱な気分になる。











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最終更新日  2014.04.15 20:51:05
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