Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2005/11/14
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カテゴリ: BAR
 大阪キタの1軒の老舗BARを訪ねた。曽根崎・お初天神近くの古いビル。階段を上がってドアを開ける。するとカウンターの内から、「いらっしゃーい!」という甲高い声が聞こえた。

 その声の主の顔を見て、僕は最初、マスターとよく似た顔の息子さんかと思った(親子で声も似ているし…)。しかし、すぐ隣にいる息子さんを見つけて、その人はマスターだと分かった。Bar酒庫

 でも、僕の想像していた、久しぶりに会うマスターとはどこか違う。マスターは「体を壊していて、最近は、店はほとんど息子さんに任せている」という話を聞いていた。ところが、僕の目の前にいるマスターは元気そうで、顔色のつやも実にいい。

 「いやー、心臓が悪くて死にかけてねー。2年ほど大変だったよー。でも、もう大丈夫よー」とマスター。得意の甲高く、大きな声にますます磨きがかかっている。「元気になったんですね、ほんと良かったですねー」と僕。Bar酒庫:店内

 この夜訪れたBARの名は「酒庫」( 写真右 )。1970年オープンだから、今年で36年目。マスターのHさんは今年73歳。10年ほど前からは息子さんがカウンターに一緒に立つようになった( 写真左 =カウンターにはマスターがロンドンで買い付けた珍しいモルトがいっぱい)。

 僕は、大学生時代から酒庫に時々お邪魔していた。と言うか、昔はこんなオーセンティックなカウンターBARは、大阪広しと言えども、数えるほどしかなかった。話し方からも分かるけれど、Hさんは大阪人ではなく、(確か)九州の出身とうかがった。でも、今ではもう、他の誰よりも大阪のBARのマスターの顔になっている。Bar酒庫:店内

 マスターHさんのキャラクターと並ぶ「酒庫」のもう一つの名物は、店内の壁という壁じゅうが棚で、古いボトルが所狭しと並べられていること( 写真右

 客が吸うタバコのヤニのせいで、ボトルはいずれも長い歳月で茶色く変色している(しかもボトルの肩に長年積もったほこりは、あえてそのまま。呼吸器系に自信のない方には、オススメしません)。

 飾られてるボトルは2千本以上とか言うけれど、誰も数えた人はいない。客はボトルに囲まれて飲んでいるという雰囲気。「地震があったら、客はボトルの下敷きになるんちゃう?」と心配する僕に対して、マスターは、「大丈夫よー、ボトルの底は接着剤で固めているから、ハッ、ハッ、ハー」だって。Bar酒庫:店内

 僕は、この「酒庫」でウイスキーのあれこれを学んだ。昔、ここで一番よく飲んでいたのは、「アボット・チョイス」というブレンディド・ウイスキー。水割りでしか飲めなかった、懐かしい学生時代(1杯400円くらいだったかなぁ?)。その「アボット・チョイス」という銘柄も、今はない。

 そんな思い出が染み込んだ酒庫のカウンターで、久しぶりに、マスターの元気に復活した姿を見ながら飲んだ僕( 写真左 =ウイスキーの樽の蓋をデザインした「酒庫」のバック・バーの飾り)。

 マスターは近く、1人でロンドンまでウイスキーの買い付けに行くんだと嬉しそうに話した。「オールド・ボトルなんか探さないよー。今売っているウイスキーの中から、美味しそうなものを探して、いっぱい買ってくるんよー」。こんなに元気なら、もう体の方は心配ないだろう。

【Bar酒庫】 大阪市北区曽根崎2丁目13-5 ビル2階  電話06-6312-3418,2280 午後5時~10時半 日祝休 


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Last updated  2016/09/20 12:24:10 AM
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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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