Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2006/06/20
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カテゴリ: BAR
 BARにオーナーがある限り、代がわりは必然として訪れる。そして、後継者を見出せぬBARの場合は、不運にも店を閉じたり、他人に譲り渡す運命になる。だから、一つのBARが50年以上続くというのは、今日では稀有なことかもしれない。十三トリス

 僕の知る限りでも、街場のBARで半世紀以上同じ看板で営業し続けるのは、大阪ミナミの吉田バー、堂島サンボア、京都・寺町サンボア、銀座のルパン、ボルドー(銀座のクールも忘れてはならないが、残念ながら、03年に55年の歴史を閉じた)、そして今回紹介する十三(じゅうそう)トリス( 写真左 )くらいしか思いつかない。

 その十三トリスのめでたい50周年をお祝いする集いが、先週末、17日の土曜日、サントリー山崎蒸留所であった。記念の集いには、長年の常連客ら約150人が北海道や沖縄からも駆けつけて、大いに賑わった(サントリーからは副社長や山崎蒸留所長ら幹部がたくさん参加。当たり前か?!)。

 十三トリスと言えば、1956年(昭和31年)開業した大阪きっての老舗BAR( 05年1月19日の日記参照 )。サントリーが昭和30年代に全国展開した「トリス・バー」で、今も残る数少ないBARの1軒である。聞くところでは、全盛期には全国で約300軒あった「トリス・バー」で、今も営業しているのはわずか11軒という。

 不肖うらんかんろも、この日の記念の集いの末席に仲間入りができた。僕は大学生の頃初めてお邪魔してからなので、もう四半世紀くらいのご縁になる。十三トリス50周年記念パーティー

 全国あちこちのBARに出没する僕だが、この十三トリスほど、歴史と伝統を感じさせて、居心地良く飲めて、懐(ふところ)も安心して飲めるBARは、他にはあまり知らない( 写真右 =50周年記念パーティーの様子。左端が現オーナーの江川さん)



 記念の集いでは、十三トリスの長年の常連さんたちが入れ替わり、「十三トリス愛」を語った。若輩者のうらんかんろも、なぜか指名されたので、心からのお祝いの言葉を贈った。

 二代目オーナー・江川栄治さんは、長年の支援に感謝の言葉を語り、この日のために考案したオリジナルカクテル「ハーフ・センチュリー」を披露し、参加者にふるまった。今も月、火の2日は店に出る江川さんの83歳のお母さんも、元気な姿を見せてくれた。

 この日は参加者有志で1万円ずつを出し合い、山崎蒸留所のモルトウイスキーのカスク(樽)・オーナーになった(僕ももちろん参加!)。どんなカスクかの選択は江川さんに任せたので、それはボトルになって送られて来たときの楽しみ。

 また、常連客たちがお祝いの文章や絵や川柳を寄せた「50周年記念誌」今宵も十トリで乾杯! 写真左 =表紙は、成田一徹氏の切り絵です)も、この日の集いの最後に全員に配られた。帰りの電車の中でページをめくると、僕が綴った駄文も、嬉しいことにきちんと収録されていた。

 関西でも、首都圏でも、古き良きBARがどんどん姿を消していく。都会で、古き良き、雰囲気のいい酒場がなくなっていくのは、酒呑みの一人としては、身を切られるようにつらく、さびしい。

 十三トリスは50年後も、100年後も残ってほしい空間だ(江川さん宜しくね)。もちろん50年後、僕はもうこの世にはいないが、天上で、名物の「イカ焼き」を肴に、これまた定番の、美味しい「Tハイ」を味わうことを願っている。十三トリスよ 永遠なれ!

【追記】 50周年を記念した山崎蒸留所カスク・オーナーは26日現在、まだ募集中とのこと。一口(1万円、後ほどボトルが送られてきます)乗りたいという方は、十三トリス(06-6301-4826)までご連絡を! 【追・追記】 無事に定員に達して締め切ったとのことです(7月18日)。

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Last updated  2008/10/22 11:00:46 PM コメント(14) | コメントを書く


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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
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