Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2008/02/02
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カテゴリ: BAR
 マスターのYさんと初めて出会ったのは、7年前(2001年)の確か12月。大阪市内であった、あるウイスキーの試飲会の場だった。その場にいた知り合いのバーテンダーさんから紹介された。TIME天神

 「曽根崎でバーを開きましたので、ぜひお寄りください。よろしくお願いします」。彼はそう挨拶した。オープンは3カ月前の9月だったという。初対面の印象は、「礼儀正しい、好青年」という感じだった(でも、若く見えた彼の実際の年齢は、僕が思っていたより上だった。失礼!)。

 「じゃぁ、そのうちいつかお邪魔します」と言って、別れた。数カ月後、彼の店に初めて訪れた。店の場所は、あの曽根崎心中で有名な「お初天神」(正式名は「露天神社」という)の境内の中にあると言ってもいいビル。

 店内はカウンターだけ10席ほど。椅子の背後は一人がようやく通れるほどのこじんまりした空間だった。神社の境内に飲食の雑居ビルがあるなんて不思議に思えるが、商売の街・大阪はそういう面白さに溢れている。店の名前も、だから「TIME天神」( 写真左 )と名付けたという。

 「TIME」の名は、Yさんが修業した師匠の店名「Bar・TIME」からもらった。「Bar・TIME」と言えば、関西のBAR愛好家ならほとんどが知っている苦楽園の名店。マスターのUさんは関西のバーテンダー業界の重鎮でもある。TIME天神からの案内ハガキ

 その「TIME」で修業したYさんだから、接客やカクテルの技術など素晴らしいのは当たり前だろうと思ったが、実際、店にお邪魔してそれは間違いではなかった。以来、僕は彼の酒場に通い続ける。

 僕は何よりもYさんの、その柔らかい人柄が好きだ。人柄がそうだから当然、店内の空間もあったかい。カウンターに座ると、いつもなぜかホッとする。帰宅の途中、ほんの30分でもここに座って1杯飲んで帰ると本当に心が和む。だからか知らないが、この酒場には一人客の比率が高い。

 この「TIME天神」の魅力はほかにもある。店から毎月送られてくるDM(ダイレクト・メール)には、Yさんこだわりのオリジナル・カクテルが綺麗な写真付きで紹介されている( 写真右上 じゃばらカクテル

 1月のDMは「じゃばらカクテル」( 写真左 )だった。「じゃばら」とは、冬の一時期、和歌山県北山村でしか採れないという柑橘系果物という。ズブロッカ・ベースで、じゃばらのジュース、コアントローというレシピ。

 じゃばらはユズを一回り大きくしたくらいの雰囲気。これが、これまで経験したことのない柑橘系だった。強いて言えば、グレープフルーツとユズを足して2で割ったような…。TIME天神では、そんな新鮮な体験がしばしば味わえる。

 午後4時半オープンというのも、2杯飲んで2000~2500円という料金設定もサラリーマンとってはとても嬉しい。オリジナル・カクテルだって、材料費や手間を考えれば信じられないようなお値段。帰り際、「お勘定を」とお願いすると必ず、デミ・カップの温かいコンソメスープが出てくる。飲んだ後の胃にはこれが優しくて、ほっこりする。

 でも、何度も僕は書くけれど、この「TIME天神」を気に入って、通い続ける最大の理由はマスター・Yさんの人柄だろう。彼とあれこれと話をしながら、カウンターでくつろぐ至福の時間はなにものにも代え難い。この和みの空間が末永くあり続けるよう、心から願っている。

【Bar・TIME天神】 大阪市北区曽根崎2丁目5-20 お初天神ビル2F 電話06-6367-7116 午後4時半~午前1時 日祝休

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Last updated  2008/02/04 09:50:07 PM コメント(6) | コメントを書く


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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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