Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

2008/08/02
XML
カテゴリ: グルメ
なかひがし


 銀閣寺近くの閑静な場所にある、そんな超人気店「草喰(そうじき)なかひがし」( 写真左 )に、ようやく念願叶って、お邪魔することができました!

 「なかひがし」の料理の特徴の一つは、「自然の恵みを生かし、味わうこと」です。とくに野草や木の実をふんだんに使います。なかひがし店内そして、その材料は店主自らが京都市郊外の山から、自生のものを摘んでくるというこだわりようです。

 ご飯や焼き物も名物です。カウンター(12席)の目の前にある「かまど」で、丁寧に炊かれたご飯は絶品の味わいです。

 別の専用のかまど=焼き場(これも客の目の前にあります)で、炭火でじっくりと焼き上げられる魚は、思わず唸る旨さです。 

 午後6時少し前、店に入るとカウンターの中では、店主である中東さん(一番奥)と板前さん2人が「先付」の盛り付けに忙しく動いておられます= 写真右 なかひがし先付

  まず、エビスビールで喉を潤しながら、最初の一品の登場を待ちます。店はこの日も予約でいっぱいです。2階のお座敷には、すでに団体さんでいっぱいの様子です。

 さて、「先付け」( 写真左 )。ご覧下さい。7種盛りの皿と小鉢が一つ。豪華すぎるというか、充実しすぎて、とてもすべて書き切れませんが、すべてが「発想と組み合わせの妙」です。汁物

 とうもろこし&寒天の大徳寺納豆添え、ズッキーニと鮎のテリーヌ、餅米を使ったハモずし、小イモのゴマ煮&花ジソ、アカザ(野草)のおひたし、蘇(そ)のミョウガ挟み(蘇とは飛鳥時代のチーズのような食品です)…。それぞれの味付けや調理法も工夫されてて、同じようなものは二つとありません。

 2品目。白味噌仕立ての汁物( 写真右 )です。具には、カボチャと生麩、ワラビをつぶして混ぜものにした上品で、不思議な味わいです。鮎・焼物

 3品目。先ほどからかまどで焼かれていた鮎が出てきました= 写真左 。ひと皿に2尾乗っています。少し焦げ目が付くほどしっかりと焼かれています。「頭から全部お召し上がりください」とのこと。たで酢で頂きます。

 4品目。「お口直しに」と旬の生じゅんさい( 写真右 口直し

 「じゅんさいは、京都(で採れたもの)ですか?」と尋ねると、「実は、あの(松坂牛の)松坂なんです。まっさーか(松坂)な~んて思われるでしょうが…」とご主人。ダジャレもお好きな方のようです。

 5品目。刺身が出てきました。外見からタイかと思ったら、「コイの洗いです」( 写真左 )。笹の葉が添えられて、「コイ(恋)の笹(ささ)やき、なんちゃんて」とまたまたダジャレ連発です。刺身(鯉の洗い)



 6品目。またまた汁物(若干あんかけ風かな)です= 写真右 。具に魚が入っています。汁物(岩魚)

 「ハモですか?」と聞くと、「岩魚なんですよ」。またまた裏切られました! 具はほかにアンデスイモ、クズ、カンゾウの花。こんな発想出てこないよねぇ。

 7品目というか、炊きたてのご飯が供された。まだ少し芯がある状態。噛んでるうちに甘味が出てくる。お米本来の旨さを味わうには、この段階で口に含むのが一番かもしれません。鯖のなれずし

 8品目。なれずしが出てきました= 写真左 。「なれずし」とは魚の口や腹にご飯を詰めて漬け込み、発酵させるもの。

 関西だと滋賀県の「鮒(ふな)のなれずし」が有名だが、この日のなれずしは鯖(さば)。「昨年5月に漬け込んだ」という鯖のなれずしは絶品の旨さで、まるで高級チーズのような味わいでした。鴨茄子

 9品目。鴨茄子の炊き合わせ( 写真右 )。細く千切りにされ、揚げた茄子の皮が添えられ、ほかにカボチャや木の芽など。

 続いて出た10品目はシンプルなキュウリもみのしらす添え= 写真左 。しかしキュウリは「朝風キュウリ」というしっかりした食感で、しらすはシソ酢に漬け込んだもの。酢の物

 11品目。いよいよ噂の名物「めざし」とご飯= 写真右下 。めざしは、どこ産のめざしか聞くのを忘れたけれど、普通のめざしではない。その焼きたてを頂くのだから、美味くないはずがない。

 ご飯のお代わりもOKで、なおかつお釜の底に残った「おこげ」(これまた美味!)も食べさせてくれる。あぁ、おこげがこんなに美味いとは…。なかひがし名物・ご飯&めざし

 12品目。お腹一杯になって満足した後は、デザート( 写真左下 )。これが、見かけも味わいも複雑な凝った品。基本は「ゼリー寄せ」なのだが、中にはバジルと豆腐のシャーベット、夏みかんマーマレード、生ブルーベリー、イワナシ…。もう絶句です。

 13品目。デザートで終わりかと終わったら、もう一品、冷たい水出しコーヒーとお菓子が出てきた(金平糖とミモレットのような味わいのチーズ)。デザート

 水出しコーヒーというのも初めてだが、アイスコーヒーにチーズが合うというのも意外だった。どのひと品の料理も驚きの連続。客を喜ばせたい、驚かせたいという中東さんの心意気を見せられた夜だった。

 以上で、「なかひがし」での楽しい、充実した晩ご飯はおしまい。これで1万円(飲み物別=飲み物のお値段も良心的です)だから、これ以上何を望むと言うのか。欲を言えば、もう少し予約が取りやすい店になってほしいなぁ…。

【草喰なかひがし】 京都市左京区浄土寺石橋町32-3 電話075-752-3500 12時~2時、6時~10時 月休 要予約(予約は毎月1日午前8時から翌月分を受け付け) 昼5千円~7千円、夜1万円~1万5千円

こちらもクリックして見てねー! 【人気ブログランキング】





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008/08/03 04:17:06 PM
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

神戸の残り香 [ 成田一徹 ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2021/5/29時点)


▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。 ▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。

Favorite Blog

「続^9・炸醤麺」 はなだんなさん

LADY BIRD の こんな… Lady Birdさん
きのこ徒然日誌  … aracashiさん
きんちゃんの部屋へ… きんちゃん1690さん
猫じゃらしの猫まんま 武則天さん
久里風のホームページ 久里風さん
閑話休題 ~今日を… 汪(ワン)さん
BARで描く絵日記 パブデ・ピカソさん
ブログ版 南堀江法… やまうち27さん
イタリアワインと音… yoda3さん

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: