Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

2008/12/29
XML
カテゴリ: BAR
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
 本当に好きで、愛しているBAR(酒場)は、あまり他人には教えたくない。そこは自分にとっての癒しの空間であり、くつろぎの場であるから。Bar Cadboll 2

 仕事のことを忘れて、お酒とBARという空間、空気だけを味わうためにカウンターに座る時間ほどすばらしいひとときはない。

 自分の行きつけのBARの雰囲気は荒らされたくない。壊したくない。ずっと守っていたい。会社の人間とは出会いたくない。だから、ブログでその店の話題に触れる場合も、これまでイニシャルでしか書かなかった。

 その店は今月めでたく9周年を迎えた。いよいよ10年目に突入である。マスターとその店はこの10年、今や関西はもちろん、全国的にも揺るぎない評価を得るまでになった。

 店は地元に根を下ろし、しっかりと基盤を築いた。BARを愛する多くの人々に支持され、常連客のマナーも、ほぼ申し分ない(残念ながら、ごく一部だが、常連であることを「特権」とはき違えている人も見られるが…、そういう人たちはどのBARの常連客にもいる)。Bar Cadboll

 もうそろそろ実名で書いてもいい頃かなぁと思う。大阪・天満橋にある「Bar・CADBOLL(カドボール)」。

 大阪に土地勘のない方のために少し説明しておくと、天満橋というのは、大阪の盛り場の中心キタ・エリアからは少しはずれた場所にある。大阪駅(梅田)からは東南へ、タクシーだと10分弱というロケーションだ。

 天満橋は基本的にはオフィス街だ、盛り場らしきものもあるが、規模は知れている。そして面白いのは、オフィス街の裏にはマンションや一戸建ての住宅も多く、夜間人口もいる。加えて言うと、天満橋は上町台地に立地しているため、付近には坂道が多く、独特の落ち着いた雰囲気を醸成している。

 ちなみに店名の「カドボール」とは、シングルモルト「グレン・モーレンジ」蒸留所のゲストハウスの名前(その土地の地名も同じ)に由来する。グレン・モーレンジに深い思い入れがあるマスターが、開店する際にその名を冠した。

 この店を知ったきっかけは、同じ大阪の京橋にあった「L」というBARのトイレだった。壁に「天満橋で独立開業いたしましたので、宜しくお願いします」という張り紙がしてあった。マスターに聞くと、「うちで修業した林というのがやりますねん。一度行ってみてやってください」との答え。そして、私は開店まもないCADBOLLにお邪魔した。

Mr Hayashi of Bar Cadboll マスターの林壮一さんは「L」におられた頃から、大阪のバーテンダーの中でも一目置かれる存在=実力派だった。そして、独立されてからもさらに腕に磨きをかけ、全国規模のコンクールでも上位入賞を果たすまでになった。

 しかし開店以来、私がCADBOLLに通い続ける理由は、そんな単なる技術的なものだけではない。

 このブログでも何度か書いたことがあるが、私は「GOOD BAR」の条件として、(1)カクテル等の酒づくりの技術 (2)接客・サービス (3)酒類の品揃えや知識 (4)話術=トーク (5)内装などの店の雰囲気 (6)酒やサービスに見合った料金 (7)マスターやバーテンダーの人柄--の7つを挙げた。

 私自身、この7つの条件すべてで満点を付けられるBARに出会ったことは、残念ながらまだない。しかし、CADBOLLはこの9年間の間に、私の中では、7つのすべてにおいて、満点にかなり近い高得点のBARになった(他には例えば、 北新地のBar・K もそう)。

 いつも何よりも素晴らしいと思うのは、マスター林さんのホスピタリティー(単なる「接客」ではない「もてなしの心」)であり、言葉を変えれば、「人柄」そのものと言ってもいい。Mr Hayashi of Bar Cadboll

 美味しいカクテルが飲めても、珍しいレアな酒があっても、いくら内装に金をかけていても、BARとは結局のところ、「マスターの全人格」を表すものでしかない。

 そういう事実を、私は銀座や北新地の、いかにも高級そうなBARで、これまで嫌と言うほど実感してきた。見かけの雰囲気や酒の技術は素晴らしくても、接客や店主の人柄にがっかりさせられたことが何度あったことか。

 CADBOLLは都心からはずれた、足の便の悪い場所にある。しかも裏通りの分かりにくいロケーション。でも毎夜、店には常連客の笑い声が絶えない。そのほとんどは、私同様、林さんの人柄に惚れ込んだ人たちだろう。

 最近は、「毒舌と愛(?)に満ちたトーク」に磨きがかってきたとの評判の林さん。私はこれからも、この居心地の良い、癒しの酒場に通い続けるだろう。

【Bar・CADBOLL】 大阪市中央区石町2-2-20 近松ビル1F 電話06-6944-2918 午後5時半~午前1時 日祝休 地下鉄谷町線・天満橋駅または京阪電車・天満橋駅から徒歩約5分。



・こちらもクリックして見てねー! 【人気ブログランキング】






PR

Profile

うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

神戸の残り香 [ 成田一徹 ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2021/5/29時点)


▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。 ▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。

Favorite Blog

「続^8・実山椒のし… New! はなだんなさん

LADY BIRD の こんな… Lady Birdさん
きのこ徒然日誌  … aracashiさん
きんちゃんの部屋へ… きんちゃん1690さん
猫じゃらしの猫まんま 武則天さん
久里風のホームページ 久里風さん
閑話休題 ~今日を… 汪(ワン)さん
BARで描く絵日記 パブデ・ピカソさん
ブログ版 南堀江法… やまうち27さん
イタリアワインと音… yoda3さん

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: