Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2015/10/14
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 チェコと言うと、皆さんは誰を思い浮かべるでしょうか? 作家のカフカや、画家のムハ(ミュシャ)は有名ですが、僕はやはりドヴォルザーク(1841~1904 ※チェコ語ではドヴォジャークと言うそうです)やスメタナ(1824~1884)という2人の偉大な作曲家をイメージします。スメタナは交響詩「モルダウ」で有名ですが、僕自身はドヴォルザークの「新世界」交響曲が大好きです(とくに第四楽章が)。小学校時代、下校時に校舎に流された曲はいつも、「家路」という題名でも知られる「新世界」第二楽章のメロディーでした。

 プラハ近郊に生まれたドヴォルザークは、最初はビオラ奏者として活動していましたが、オーストリア政府の奨学金を得て作曲の道に専念することになりました。1878年に発表した「スラブ舞曲」が欧米で高い評価を得て、1892年には、ニューヨークのナショナル音楽院に招かれて、院長に就任します。滞米中に作曲したのが有名な「新世界」です。初めて知ったのですが、ドボルザークはビオラ奏者をしていた頃、スメタナに指導を受けていた時期もあったとのことです。

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 という訳で、プラハ滞在最終日の最後の見学スポットは、ドヴォルザーク博物館でした。美しい石造りの二階建ての建物は、実はドヴォルザークと直接ゆかりはないそうですが、ドヴォルザークが暮らした家がこの建物のすぐそばにあったことから、国立博物館(ドヴォルザーク博物館を管理)が買い取って博物館として活用しているとのことです。

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 内部にはドヴォルザークが使ったピアノやビオラ、仕事机、実際に着ていたガウン、直筆の楽譜など貴重な品々が展示されています。2階はサロンになっていて、コンサートも時々開かれるそうです。

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 これはドヴォルザークが使っていた眼鏡。お土産には、直筆楽譜が印刷されたハンカチを買いました。博物館の女性は、「イセムス ヤポンスカ(日本から来ました)」と言うと、日本語の解説カードを探してきて渡してくれたり、とても親切に対応してくれました。「ジェクイ・ヴァーム! ナ・スフレダノウ(どうも有難う! そして、さようなら)」。

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 さて最後の観光を終え、晩ご飯を食べるために再び、街の中心部へ戻ります。ドヴォルザーク博物館は、街の少し外れにあるので、最寄りの駅から、プラハの来て初めて地下鉄に乗ることにしました(と言っても2駅だけですが)。

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 最後の夜も、やはりホスポダ(ビール居酒屋)です。お目当ては「ウ・ズラテーホ・ティグラ」という店。その昔、ハベル大統領がクリントン米大統領を招待した店とのことで、地元でも結構有名な人気店だそうです(店は、通りには看板もなく、建物の入り口壁の上にトラ(店名の「ティグラ」はチェコ語の「トラ」)の彫り物があるだけ。入口はこの奥です。めちゃ分かりにくい店で、最初は通り過ぎてしまいました)。

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 しかし、なんとか座れたものの、まだ早い時間なのに店内は超満員です。僕らは10人掛けくらいの大きなテーブルで、他の客との相席。しかしテーブルはそう大きくはなく、上にはビールのジョッキを置くくらいのスペースしかありません。フードを食べている人はほとんど見かけず、客は皆、ひたすらビールを飲んでいます。
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 ということで、5分ほど歩いて“転戦”したのが、ここ「ウ・メドヴィードクー」というホスポダ。すでに賑わっていましたが、大バコなので、すぐにテーブルに案内されました。

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 とりあえずビール。ここでは地元の有名な銘柄「ブドヴァル」の生が飲めます。ブドヴァルは後に、その名前にあやかって「バドワイザー」の名でビールを販売し始めた米国の会社と訴訟沙汰になったことでも有名です(裁判はチェコ側が勝訴、だから欧州では「バド(Bud)」という3文字の銘柄名でしか販売できません)。

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 きょうのメインは、初日からあちこちで食べられていたのを見て、「滞在中に一度は口にしたい」と思っていたチェコの代表的な名物料理「豚ひざ肉のロースト」。ナイフが刺さったままの豪快なスタイルで出てきます。ジューシーで、とても美味しいのですが、いかんせん量が多い。2人でも食べきれないくらい。

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 一緒に頼んだもう一品。パンに生ニンニクをこすり付け、バター風味のパテを塗って頂きまーす(チェコ風ガーリック・トーストといった感じ)。素朴な味わいが口に合います。

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 大バコなので団体の観光客が多いですが、欧米系の方がほとんどです。次から次へと、10~20人のグループがやって来ます。聞けば、年中無休だとか。儲かって笑いが止まらないでしょうね。

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 ビールは一杯では足りず、「イェシェチェ・イェドノウ、プロスィーム(おかわり、くださ~い!)」。ただし銘柄は、今度は店のオリジナルビール「オルドゴット(Oldgott)」にしました。ダークなラガーと言った感じのビールですが、これもまた旨いです!

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 こうしてプラハ3日目の夜も更けていきます。美しい街並みと美味しいビールと料理を堪能しました。明日は、いよいよウイーンへ列車で移動です(写真は、夜のプラハの路地。治安は良くて、街灯も多いので比較的明るく、夜でも安心して歩けます)。

 最後に、チェコへ旅するなら、「これだけは、絶対に覚えていってほしい」便利な7つのチェコ語(表現)をまとめておきます。これだけ喋れたら、旅行中はなんとかなりますし、地元の人たちも笑顔で歓待してくれること間違いなしです(いちおう、チェコ語のアルファベットで打ちましたが、お使いのパソコンで文字化けしたら、ご容赦を!)

 (1)ドブリー・デン(Dobrý den)=こんにちは、(2)ドブリー・ヴェッチェル(Dobrý večer)=こんばんは、(3)ドブレ・ラーノ(Dobré ráno)=おはようございます、(4)ジェクイ・ヴァーム(Děkuji vám)=ありがとうございます、(5)ナ・スフレダノウ(Na shledanou)=さようなら、(6)プロスィーム(Prosím)=「どうぞ」「すみませ~ん(呼びかける時)」「お願いします」など使い道は多彩、(7)プラチット・プロスィーム(Platit prosím)=お勘定お願いします


<プラハ編>はこれで終わります。次回からは<ウイーン&ザルツブルグ編>がスタートです。





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Last updated  2015/11/08 04:47:09 PM
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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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