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第29章 司法書士が高齢者の財産を狙っている ――― 移行型「任意後見契約」が悪の温床となっている
成年後見制度は性善説の上に作られた制度なのです. 後見人となる司法書士は悪いことをしないという前提に成り立っているのです. 不正を防止する規定や罰則規定は存在しないのです.
判断能力が不十分な者について,後見人の助けによってそれを補おうというのが「後見制度」であるが,1999年12月1日に国会で可決・成立し,2000年4月1日から施行となりました.
それまで痴呆や精神障害ということで「禁治産者」とか「準禁治産者」と呼ばれて,一律に法律上の権利を奪われていた「禁治産制度」が,「自己決定権の尊重」と「ノーマリゼーション(誰もが等しく暮らす)」を基本理念として見直されたものです.二十一世紀の新しい福祉に欠かせない法的基盤として介護保険制度とセットにして好意的に受け入れられ,同時に施行されました.後見人が,財産管理や介護保険の手続きなどを代行することによって,認知症や重い病に冒されたお年寄りや障害者の生活を支え,財産を消費者被害などから安全に守るというものです.
毎年“敬老の日”の頃になると,”老後の安全・安心のためにというキャッチフレーズで,「成年後見制度」がメディアで盛んに PR される.あるいはあちこちで無料相談会と称して PR される.
2003年4月に司法書士法が改正されて,司法書士が「成年後見業務」が行えるようになった.インターネットでは,成年後見契約を PR する司法書士のホームページが満ち溢れている.司法書士をメンバーとして成年後見業務を行う“成年後見センター,リーガルサポート”という社団法人が全国各都市に設立されている.司法書士がこの分野で活動の場を広げているのです.
財産がありそうな高齢者を見つけると,「安全に財産を管理します.」とか「相続のトラブルを回避できます.」などと言って,財産管理委任契約と任意後見契約を勧誘してくるのです.
司法書士が,その肩書きを背景にしてこのような契約を結ばせることはいとも容易なことでしょう.その結果,司法書士が後見人となるケースが急増している.
「成年後見制度」は,「後見人は悪いことはしない」という後見人の善意を前提にして成り立っている.しかるに,悪意を持ってこの制度を利用すれば,これが隠れ蓑となって,気づかれないうちに,高齢者の財産が抜き取られことにもなるのです.
ここでの危険性は, たとえ依頼者が認知症などで弁識能力が衰えて任意後見制度へ移行すべき状態になっていても故意にその手続きをしないでおくのです .つまり司法書士による財産管理は誰にもチェックされない状態が現出されるのです.
「財産管理委任契約および任意後見契約」に加えてそれと同時に,同じ司法書士を遺言執行人とする「公正証書遺言」を作成させるのです.いわゆる“3点セット契約”である.そうすることによって,依頼者の死後も司法書士による管理が継続することとなり,依頼者の 生前の財産取引状況を隠し通せることとなるのです.
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