りぶらりだいあり

りぶらりだいあり

PR

×

Profile

りぶらり

りぶらり

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

じゃがりこ 短くな… なすび0901さん

Victory for footbal… 恵子421さん

読書とジャンプ むらきかずはさん
片手に吊革・片手に… もりのゆきさん
From おおさか mayu0208さん

Calendar

Comments

おきま@ Re:「PRIDE 池袋ウェストゲートパークX」石田衣良を読んだ(07/30) 約32年前に池袋のウェイターに騙されて風…
深青6205 @ Re:「恩讐の鎮魂曲」中山七里を読んだ(08/16) こんにちは。御子柴シリーズはお気に入り…
りぶらり @ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) なすびさん,お久しぶりです。僕が本を買…
なすび0901 @ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) 好きな作家の一人 図書館で借りないでア…
2009.02.15
XML
カテゴリ: わくわく児童文学
和製ファンタジーの大傑作「守り人シリーズ」の番外編となる連作短編集を読んだ。

○ストーリー
王により父を殺された少女バルサ,そして親友の娘であるバルサを救うために反逆者となったジグロ,2人は追っ手から逃げながら,流れ者の用心棒として厳しい生活を続ける。ある隊商の護衛となった2人だが,隊商は盗賊に襲われる。散り散りになった中で,バルサは裏切者に囲まれてしまう。

---------------

「守り人シリーズ」は,皇太子チャグムと女用心棒バルサが,それぞれ主人公となる作品で構成され,全部で10冊となっている。文化人類学者でもある上橋菜穂子が,じっくりと書き込んだ土臭いリアリティは,日本でとうとう生まれたハイ(本当の)・ファンタジーと評価が高い。

シリーズ本編は,幼いチャグムと30才の女用心棒バルサの逃避行で始まる。チャグムが皇太子であったこともあり,当初から国の行く末と関わりのある物語が展開されたが,シリーズが進むほど物語はスケールアップし,最後には大陸を揺るがす戦となるが,

この短編集は,シリーズが始まるずっと前を舞台にしており,バルサがまだ13才という時期を描いた連作となっている。強い少女バルサとぼんやりした少年タンダの過去が描かれており,なかなか微笑ましい部分もある。また一方で,本編では既に没していたバルサの育て親・ジグロが登場し,バルサとジグロの辛そうな生活がうかがえる部分もある。

シリーズ番外編の短編集だと,一編ごとに主人公が異なり,本編ではサブキャラクターだった人にスポットライトを当てるというパターンが多いが,この作品は,シリーズの主人公バルサとタンダという2人を語り続ける。時系列的にもほぼつながっており,短編集の体裁を取った,長編と読むこともできる。

---------------



この作品で登場する11才の少年タンダは,多少ぼんやりしているが,それなりに元気な村の子どもだ。だが,この世界では一部の人々は,精霊の世界を見ることができる才能を持っており,タンダもその1人として育っていく。

タンダが主人公の作品では,当然ふるさとの村が舞台となるが,バルサが主人公の作品では,そこから遠く離れた土地が舞台となるため,2人の距離感を知るためにも,地図が欲しいところだと思った。シリーズの他の巻には付属しているのだから,簡単だと思うので,なおさら残念だった。

---------------

シリーズ本編と同等のスケールを期待していると,村の生活を語るような小粒さに戸惑うし,サブキャラクターの活躍を期待すると,本編どおりバルサとタンダが主人公を務めているのにガッカリするかもしれない。

ただ,淡々と語られ2人の生活は,シリーズのエンディングからそのまま続いているようでもある。そうした視点からは,番外編などではなく,間違いなくシリーズの一部を構成する重要な作品だと言える。

---------------

各編について簡単に述べる。

「浮き籾(もみ)」:流れ者となった叔父の幽霊が村の外れに出ると聞き,タンダとバルサはそれを確かめに行く。・・・村の生活が驚くほどリアルに描かれている。その中のタンダとバルサもただの少年少女でしかなく,一瞬苦悩とは切り離されたように見える。宝石のような作品だ。

「賭事師(ラフラ)」:酒場の用心棒として働くジグロとバルサは,その街の領主と賭事師の一大勝負の立会人を務める。・・・武人ジグロと,まだ幼いところのあるバルサに出会える作品だ。

「流れ行く者」:ジグロとバルサは隊商の護衛の仕事を請負う。だがその隊商は内部で争いが起き始め,ついには・・・わびしさが前面に出た作品だ。一番ハードな内容となっている。

「寒(かん)のふるまい」:冬が訪れた村で,タンダが待っていたものとは・・・とても短い作品だが,長いシリーズのエンディングとして,ふさわしいかも知れない。どこかゆるせてしまう作品だ。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.02.15 23:06:10
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: