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2009.04.26
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最近息切れが目立つ講談社のミステリーランドから久々の新刊が出た。

○ストーリー
中学三年生のオレたちは,大人しい文学少年のクラスメート・能登と組んで,自分たちの住む市の城址の地下の財宝を狙う。だがそのことを聞きつけた他のトレジャー・ハンター,ケンカの達人のオレをつけねらう武道家,女たらしの丹野を追い回す女ストーカー,などが現れ,計画はなかなか進まない。競い合いつつ潜り込んだ地下で,オレたちの前にとんでもない化物が立ちはだかる。

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装丁からして大人っぽい雰囲気だが,内容もまたアクション中心で,これまでミステリーランドにて醸成されてきた雰囲気とだいぶ異なるような気がした。

ミステリーランドと言えば,三題噺ではないが「小学生」「暗号」「密室殺人」あたりが必要な要素だった。そのおかげで多少似たような作品が並んでしまったということもあるけど,想定している読者層が「本が好きな小学校高学年」ならば,妥当なところだと思う。

出版ラインとして25冊を数える立派なシリーズに成長したものの,3ヶ月おきにきちんと新作が刊行されていたシリーズ開始当時の2003年と比べれば,2007年には全部で2冊,2008年にはなんと1冊しか刊行されず,明らかにパワーダウンしている。

そうした状況が手伝って,『書いてもらえればそれでいい』という意識が編集者側に働いたとは思いたくないが,この「トレジャー・キャッスル」は,あまりミステリーランドらしくない。

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主人公は身長180センチ以上,彼の両親はそろって2メートル以上,家族全員が武道家という設定だけで,なんだかゲッソリしてしまう。仲間は学校一の美男子と美少女,それに財宝のありかを知るウラナリ君・・・って,もう60年代のマンガ並みの設定だ。

またせっかくの宝探しなのに,地図も暗号も出てこない。どうやら誰でも入れるらしい城址公園のある場所からスンナリと冒険は始まる。

ミステリー要素が全く無いかと思えば,冒頭に主人公が忍び込んだ城の武器庫は,なぜか外からカギがかけられている。この密室のおかげで,主人公は逃げ延びるのだが,それに対する説明は一切無い。

1980年代の朝日ソノラマ文庫の型破りな雰囲気が,そのまま復活したような不思議な作品だ。

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恒例のあとがき「私が子どもだった頃」は,おふざけなしで書いてあり好感が持てた。ラストの2行などはなかなか感動的で,作品そのものへの不満を忘れさせてくれるぐらいの価値があると思った。










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Last updated  2009.04.26 22:16:19
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