りぶらりだいあり

りぶらりだいあり

PR

×

Profile

りぶらり

りぶらり

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

カレーライス なすび0901さん

Victory for footbal… 恵子421さん

読書とジャンプ むらきかずはさん
片手に吊革・片手に… もりのゆきさん
From おおさか mayu0208さん

Calendar

Comments

おきま@ Re:「PRIDE 池袋ウェストゲートパークX」石田衣良を読んだ(07/30) 約32年前に池袋のウェイターに騙されて風…
深青6205 @ Re:「恩讐の鎮魂曲」中山七里を読んだ(08/16) こんにちは。御子柴シリーズはお気に入り…
りぶらり @ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) なすびさん,お久しぶりです。僕が本を買…
なすび0901 @ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) 好きな作家の一人 図書館で借りないでア…
2011.02.24
XML
いろんな家庭の日常を描いた奥田英朗の短編集を読んだ。

○ストーリー
14年間勤めた会社が倒産し,代わりに妻が昔の職場に復帰した。毎日家にいて,主夫生活をノンビリと始めた祐輔は,周りの人々が自分を同情の目で見ていることに気付く。

-----------

「マドンナ」でビジネスマン,「ガール」でビジネスウーマンの心情を見事に描いて見せた奥田英朗が,今度は夫婦の風景を小説にしている。相変わらず,細かい微妙な気持ちによく気付いていて,「うーん,あるよね」とニヤリとしてしまう。

6編の短編が収められていて,夫視点,妻視点のものが3つずつ。見事にバランス良く書き分けている。でもここからもうかがえる”収まりの良さ”みたいなものが,チョット物足りなさを感じさせるかな?

「ガール」を読んだ姉が,「女性は一度ケンカしたら二度と和解しないハズなのであり得ない」と批判していた。この作品にも,”イロイロあるけど最後は家族じゃん”みたいな,安直な路線が少しうかがえる。

「サウスバウンド」で見られた破天荒なイメージを期待すると,拍子抜けをするかも知れない。

-----------



奥田英朗の作品には,「最悪」「邪魔」のような緊迫感あふれる犯罪小説,「イン・ザ・プール」に始まる〈伊良部シリーズ〉,「サウスバウンド」「ウランバーナの森」など作者の趣味から世界観を広げて行ったものなど,にジャンル分けができる。

その中で,冒頭にも挙げた「マドンナ」「ガール」,そしてこの「家日和」は,現代の日本人の日常をリアルに描いた,ゆるいストレートとでも呼べるような小説群だと思う。

チカラを抜いて書いているようで,こうしたど真ん中の作品が一番書くのが難しいのだと思う。誰でも楽しめる作品だ。

-----------

各編について簡単に述べる。
「サニーディ」:子どもたちが2人とも中学生になってしまった家で,妻の紀子は時間を持て余していた。そこで彼女が始めたのが,ネットオークションで家の不用品を処分することだった。売上げが手に入ることや,相手から評価をもらえることで,夢中になり始めた紀子は,夫の持ち物をオークションに出品するが・・・高い評価をもらえなかった時のガッカリとした気持ちって共感できるなあ。行動し,評価されることで,キレイになってしまう主人公は素直な人なんだろう。

「ここが青山」:会社が倒産し,妻がビジネスウーマンに戻った。主夫生活を始めた祐輔を,周りの人々が同情し,激励する。だが祐輔は・・・主人公のマイペースっぷりが面白い。ここまでなかなか達観できないので,うらやましい性格だ。妻の厚子のチャキチャキしたところも好感が持てるが,この短編の面白さは,主人公と周りの人々の不思議なギャップだろう。

「家においでよ」:妻が別居することになり,1人残された正春は,急にガランとした部屋を,自分の趣味で埋めることにする。リビングには,これまでしまっていたレコードと小説を並べ,オーディオ設備を整え,大型テレビを買いと,”自分の城”を築き上げる。正春の部屋は,会社の同僚にも評判となり・・・いくらなんでもやり過ぎだろう?と思うが,奥田英朗にしては珍しく主人公の驚異的な購買力の暴走を同じ目線で描写している。これって作者の願望なんだなあ。

「グレープフルーツ・モンスター」:弘子はアンケートなどに応募した人々の氏名や住所をデータ化するアルバイトを事務所から請け負い,自宅で行っている。事務所の担当営業が若い男に代わったことで,弘子は意識をしてしまい,思いがけない行動に出る。・・・この短編のバランスは微妙だ。営業の若い男が妙にリアルに馬鹿だし,過激な展開を期待すると空振りだし・・・なんだかなあ。

「夫とカーテン」:春代の夫は会社を辞めて,カーテン屋を始めてしまった。しかもマンション購入のための貯金を開業資金にしている。楽天家過ぎる夫を心配して付き合う春代だが,一方で彼の行動力には感心もしていた。そして店は始まり・・・笑えて心が温まる。いい夫婦だ。この短編集にしては珍しく先が読めないが,とにかく楽しい。

「妻と玄米御飯」:作家の康夫は,N賞を受賞したことで急激に収入が増えた。余裕の出来た妻の里美が始めたのは,犬を飼い,ヨガに通い,無農薬野菜を食べるロハス生活だった。・・・ロハスを隣人に勧める佐野夫妻みたいな人っていそうでイヤだ。ホントこーゆーのキライ。作品の中では,康夫はロハスを馬鹿にして笑ってしまう小説はお蔵入りにするのだけど,奥田英朗は発表してしまったワケだ。エライぞ!








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.02.26 12:07:52
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: