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2011.05.02
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逢坂剛の分身と言われる〈岡坂神策シリーズ〉の第1長編を読んだ。

○ストーリー
何年も通っている神田の古本屋が地上げ屋に狙われている,それを心配する岡坂神策は,同時に2つの調査依頼を受け,忙殺されていた。一方で岡坂は,スペイン現代史の女性研究家と知り合い,心を強く惹かれる。そしてある終身刑犯が脱獄した時,岡坂はつらい決断を迫られる。そして・・・

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逢坂剛のメインのはずの〈岡坂神策シリーズ〉の一編なのに,ほぼ絶版状態が続いている不遇の作品だ。1989年なので,まだ世の中がバブル景気に酔いしれていた頃で,その世相を反映して神田の古本屋は地上げ攻勢にさらされ,岡坂神策さえも浮ついた行動を取っている。

時代を超越している印象がある逢坂剛の作品だが,この作品ではそれが透けて見えているのが面白い。

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作品の構成は,かなりオーソドックスなハードボイルド・ミステリーだ。主人公が愚直に行った調査から,意外な事実が分かり,それがいくつかつながり,最後に緊迫感のある事件が起きる。

神田,神保町のレストランとそこの名品がいくつも登場すること,主人公が惹かれる女性が学者であること,なども,現代ハードボイルド小説のお手本と言われるロバート・B・パーカーがボストンを舞台に描いた〈スペンサー・シリーズ〉を思わせる。



そこがやはり残念ポイントだ。

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この作品には,腎臓に障害を抱えた女性が登場する。彼女に対する腎臓移植が事件の1つになるのだが,そこで主人公・岡坂はある行動を取る。

その行動は間違いなく正しいのだが,果たして全ての人が同意できるだろうか?僕にはおせっかいにしか思えなかった。だからとても独善的な行動に思えてしまった。

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上の内容とは別に,この作品での岡坂神策の言動はちょっとおかしい。特にスペイン史研究家の花形理絵に対する言動は,もう見てられない。大人のハズの岡坂が,男子高校生のように女性に熱を上げている。セリフもなんだかおかしい。

バブルだねー。

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いろいろ欠点はある作品なのだけど,逢坂版ハードボイルド小説としては,中身が濃く,楽しめると思う。










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Last updated  2011.05.03 23:36:22
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