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2014.01.09
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カテゴリ: びしびし本格推理
いつ以来なんだろう?と久しぶりとなる〈探偵・御手洗潔〉の新作を読んだ。

○ストーリー
探偵・御手洗と作家・石岡は,ファンの女性から不思議な話を聞く。彼女の故郷の瀬戸内海の島に,死体が次々と流れ着くと言うのだ。現地を訪れた2人は,事件の真相は鞆の浦(とものうら)で有名な福山市にあると推察する。事件の裏にある,外国からの宗教団体の目的とは?瀬戸内海の水上水軍の隠された武器とは?歴史の必然が,今,解かれようとしている!

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圧倒的な読みやすさに改めて驚いた。上巻だけで450ページのハードカバーだが,主に通勤時間だけで2日間で読めてしまった。

事件の推理部分が現在進行形で語られるのと平行して,ある人物の転落半生が語られる。探偵・御手洗潔が登場する”表パート”のミステリーの部分は,言うまでもなくファンが待ち望んでいた部分で,相変わらず神がかった推理の冴えを見せていて楽しい。

作家・島田荘司の筆力が高いと思うのは,”裏パート”部は,鞆の町出身のある若者が,流れのままに東京に出て,夢破れて故郷に戻り,という過程が語られる。フツーの作家だったら「つまらない平凡な物語」となるところだが,この人が描いていると,的確かつ流れるような描写なので,引き込まれてしまってドラマチックに感じる。

やはりこれはベテランの安定したチカラだ。

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この作品は,まだギリギリ国内にいた1990年代末,という設定になっている。その頃は,まだ作品内の年代と発表の年代が一致しており,また〈新本格ミステリー〉のブームで,このシリーズが今で言うところの〈腐女子〉にさえも人気だった。

だから,横浜で出会った学生や,福山の婦警までにも,御手洗と石岡は同性愛関係にあること疑って,へんな風に喜んでいる。

時代設定をその頃に戻すことで,当時のイキオイまでも戻っている。御手洗潔は強引だが積極的に事件を解決しようとするし,石岡和己は可愛い女性がいるとよそ見をしてドギマギしている。

あの頃のミステリーの空気に,最近の島田荘司の歴史への考察が加わっていて,ある意味”良いとこ取り”の楽しみ方が出来る。

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〈探偵・御手洗潔〉のファンは必読だが,この新作を機にこの有名なシリーズを読み始めるのも良いんじゃないかと思う。オススメだ。













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Last updated  2014.01.11 21:38:33
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