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2017.01.23
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加納朋子の人気作品「七人の敵がいる」の続編を読んだ。

○ストーリー
やり手の編集者,山田陽子の息子・陽介もいよいよ中学生だ。知人の少年がトランペットを吹く姿に憧れて,吹奏楽部に入部したものの,陽介にあてがわれたのはファゴットという楽器だった。演奏するパートの割り当て,市民ホール予約のための徹夜の待機,楽器の運搬,生徒の引率,衣装の製作,驚くほど親の手がかかる中学校の部活動に,陽子たちは翻弄される。やがて陽子は合理主義とバイタリティで,活動を改善しようとして・・・?

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前作「七人の敵がいる」は,めでたく真琴つばさ主演でテレビドラマ化された。前作は小学校,この作品は中学校の吹奏楽部が舞台だが,基本的には前作の雰囲気を強く引き継いでいる。

また,この作品を通じて知ったが,吹奏楽部は中学生の部活動とは言え,まだまだ親への負担が大きくて,前作のPTAとひじょうに似通った空気が漂っていた。他の部活動であれば,文化部系も運動部系ももっと子供が自立している気がするが,よりによってここを選んでしまうとはね。

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山田家は息子・陽介は,大人しくて優しい子。父親・信介は,人が良いし仕事も出来るが,家庭では天然の役立たず。そして母・陽子は,バリバリのキャリアウーマン。息子の事となると周りが見えなくなり,猪突猛進してしまうのが欠点だ。

構成的には,陽子が既存体制に戸惑い,それを改善するために正面突破でぶち破る,という姿をコミカルに描いている。



今回も,主人公の〈ミセス・ブルドーザー〉が既成概念にぶつかり,それを粉々にすりつぶす様子が描かれている。主人公にも欠点があるが,それ以上に既存体制を跳ねのける姿がスカッとして楽しめる。

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息子・陽介は地元の公立中学校に進学したので,当たり前だが小学校時代の同窓生たちの姿がある。だからかつては孤軍奮闘だった陽子にも,最初からママ仲間も存在する。この辺りはやはり前作を読んでいた方が楽しめる。

「月曜日の水玉模様」「レインレイン・ボウ」「七人の敵がいる」が,一部の登場人物が重なる同じ世界の物語で,それぞれ7つの短編で構成されているという共通事項がある。

これまでは,曜日,虹の七色,小学校の学年と,一定の意味があったが,今回の7つの短編にはあまり意味が見られない。作品で進む時間は,小学校6年生から中学3年生までで,短編ごとに何か節目があるワケではない。たまたま最後は木管七重奏が演じられるが,それだけだ。

なので作品も,連作短編集というより長編の7つの章を読んでいる印象だ。とくにそれぞれの編について語る必要もないだろう。十分に面白いし。

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見事なストーリーテリングのチカラを発揮してみせた加納朋子だが,かつてのミステリーファンにもそろそろ新作を届けてもらいたいと思う。










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Last updated  2017.01.23 09:08:57
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