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2017.01.30
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カテゴリ: わくわく児童文学
姉や姪たちが読んでいた高楼方子(たかどのほうこ)の長編を読んだ。

〇ストーリー
小学6年生の夏休み,フー子はいとこのマリカから誘われ,母の実家がある北の港町〈汀舘〉を訪れる。その家は祖父と家政婦のリサさんが住む静かな家だったが,2階への階段の踊り場の先に封鎖された扉があった。フー子はそこから不思議な花園へと入り込む。フー子とマリカ,マリカのいとこの映介は,〈汀舘〉の過去に潜む,〈時計坂の家〉の秘密へと迫る。だがそれは危険な探求でもあった。そして・・・?

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高楼方子の作品は,前から読まなければと思っていたが,図書館で予約本が膠着状態にあるので,いよいよ手にすることにした。

絵本,低学年向け,高学年向け,と色んな対象の作品があるので,どれから手を付けるか悩む。で,結局,有名な作品を選んだ。

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物語は,小学生の少女・フー子が,函館だと思われる町〈汀舘〉にある,母親の実家に向かうところから始まる。

小6の女の子の1人旅,祖父の家での生活,美しいいとこ・マリカとの関係,謎の花園・・・フー子の気持ちは不安と期待で揺れ動く。主人公の不安,疎外感,期待,落胆というのは,読書好きの人が感じる感情と思え,ジュブナイル小説,ミステリー小説の主人公などでよく体感されている。



子供が苦手と思われた祖父とリサさんは,独特の距離感でフー子を1人の人間として扱ってくれた。同い年のいとこ・マリカは,フー子を振り回すが,それでも大きな喜びを与える。そして,はとこの映介は,フー子が見ているものを信じて,現実的な手法で謎解きをしてくれる。

つまらない現実,ワクワクするファンタジーという二元論ではなく,フー子を中心として彼女の現実とファンタジーにそれぞれの人が別々の接し方をする,徐々にそうした状況に合わせられるようになるフー子に安心する。

ゆっくりとした主人公の成長を見守っている気持ちになれる作品だ。

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この作品は伝統的なファンタジーの伝統を守りつつ,さらに新しいレベルへ挑戦している。

この作品では,現実とは異なる世界に憧れ,そこへ身を任せる人々を描く。それを全く認識出来ない現実だけで生きる人がいる。これまでの作品は,そうした二元論だった。

この作品で描かれるのは,異世界の存在を認識しつつも,その危険性を感じて,そこから距離を置こうとする人々だ。フー子の祖父,そしておそらく母もそうした人々だ。世界の向こう側へ行ってしまったらしい祖母,彼女に憧れるフー子。フー子,マリカ,映介の3人は,かつて起きた事件にシンクロするような関係となる。

フー子は祖母と同じ道をたどるのか?

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最初の高楼方子から,これまでとは異なる,2つも3つも先を考えたファンタジーを読ませてもらった。姉たちが褒めるのも納得だ。

子供にも,かつて子供だった人にもオススメだ。











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Last updated  2017.01.30 21:46:02
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