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2017.07.20
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カテゴリ: ばくばく冒険小説
木下半太の〈ブンノイチ・シリーズ〉を読んだ。

○ストーリー

〈川崎の帝王〉破魔翔を出し抜いて大金を手にし,逃亡をしていたシュウ,コジ,健さんの3人は,破魔翔に見つかり川崎に連れ戻される。彼らが命じられたのは,〈川崎の魔女〉渋柿の現金輸送車の奪取だった。だが川崎の覇権を狙い,札幌から名取という男が現れる。名取は佐々木努を,シュウはスリの銀爺を助っ人に呼ぶ。悪党たちが勢ぞろいした川崎の行方は?そして生き残るのは?

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木下半太の最近のヒットシリーズとして「サンブンノイチ」「ゴブンノイチ」「ナナブンノイチ」と別々の長編でありながら,裏切りだらけのコンゲームのシリーズが展開されてきた。

ここに来て,「サンブンノイチ」の直系の続編でありつつ,「ゴブン」と「ナナブン」で重要な役割を果たしたキャラクターが登場する,3つの長編それぞれの続編のような作品が発表された。

「サンブンノイチ」は映画化かまでされたので,その続編をという大人の事情があったのだろう。けれどもこのシリーズでダントツに面白かった「サンブン」の続編の発表は素直にうれしい。

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「サンブン」の面白さは,木下半太作品の多くのように,舞台劇のように限定的な状況にありながら,だんだんと登場人物の裏の顔が見えて来て,静的な場面だけなのに,物語としてはひじょうにエキサイティングな流れが展開されるということだった。



「サンブンノニ」は,主人公の仲間を3人に戻すことで,最初の緊迫感を取り戻そうという挑戦だ。

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その挑戦の結果は,残念ながら失敗していると感じた。シュウが率いる3人組意外に,他のシリーズの登場人物も登場するので,「ナナブン」に近いレベルで登場人物は多い。木下半太は頑張ってそれぞれの過去・現在・未来を描いているが,人数が増えてしまえばどうしても描き切れない部分が増える。

木下半太作品のもう1つの魅力は,裏切りなど当たり前,下手をすると一番危険と思われる女性キャラの存在があった。今回の作品にも強い女性キャラクターは登場するのだけれど,男全員を手玉に取るような悪女ではなかった。

むしろこの作品では女性が包容力があったり,一芸に秀でていたり,そしてまっとうな性格であったり,ということの方が多かった。

男はバカなことが仕事で,女は偽るのが仕事,くらいのベタな展開を期待してしまっていた。

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今回はシリーズの各長編からのキャラクターが登場し,バトルロイヤル的な展開となっていた。そうしたことから,可能であればシリーズの順番での読書をオススメする。

せっかくデビュー当時並みのイキオイを感じさせた「サンブンノイチ」の続編がこれでは残念だ。もっと作品をスリムにして投げつけて来てもらいたい












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Last updated  2017.07.20 21:53:56
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