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2017.12.21
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カテゴリ: びしびし本格推理
ベストセラー作家・東野圭吾の作品でも人気の〈加賀恭一郎シリーズ〉の4作目を読んだ。

〇ストーリー

人気作家・日高が友人の野々口に殺された。刑事の加賀は,野々口が残した手記を読みながら事件の真相へと迫ろうとする。やがて野々口が犯人として逮捕され,殺人の理由は彼が日高にあることを強要されていたことだとされる。一度はそれを信じた加賀だが,地道な捜査の末にたどり着いた場所とは?

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〈加賀恭一郎シリーズ〉での加賀は;
「卒業」では,仲間内の殺人事件を追求する大学生
「眠りの森」では劇団で起きた殺人事件を捜査しつつ,劇団員へ好意を寄せる刑事
「どちらかが彼女を殺した」では女性社員の殺人事件を冷静に追う刑事
として登場していた。



加賀恭一郎は嫌いではないが,ストイック過ぎて自分については語らないので,この作品のように時々は外部から加賀を描写した方が魅力が増すような気がする。

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〈加賀恭一郎シリーズ〉第4作を読んで驚いた。ひじょうに凝った構成となっている。

容疑者であり彼自身も作家である野々口の手記の章,加賀が語り手である章,そして関係者へのインタビューの章と,複数の視点で物語は語られる。

そこで展開されるのは,表面上見えていた事件,その裏にあったと思われる動機,さらに浮かび上がってきた秘密,そして・・・という二転三転する事件の真相だ。

え?東野圭吾が?と戸惑うほどの,重層的な構成となっていて,語り口でも工夫しているので読み返しても,ミステリーとして破綻がない。

凝っているゆえに不満の残った第3作と比べて,この第4作は成功していると思った。

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この作品のテーマの1つは,根深い悪意の根源は何か?ということだ。悪意を持って,相手を陥れようとしたのは誰なのか?それは何故なのか?

ミステリーでありながら,ロジックの世界の遊びに留まらず,人間の心理を描こうとするのは東野圭吾の作家としての良心だ。だからこそミステリーファンだけでなく,幅広く読者を獲得しているのだろう。その中でも,この作品はいわゆるリアリティではギリギリなのではないだろうか?

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Last updated  2017.12.22 22:41:53
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