男の羅生門 ‐ Guitar&Bike Life ‐

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January 11, 2023
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カテゴリ: 六弦黙示録



規模を拡大している今話題、旬の人気ブランドが『 Bizen Works(ビゼンワークス)




オーナーの坂本行宏(さかもとゆきひろ)さんは神田商会の岐阜事業所に所属しており、
長らくZEMAITISカスタムショップの工場長(マスタービルダー)を務めていた敏腕ビルダーです。




そんな Bizen Works 最大の特徴と言えば、圧倒的な木材力が1つ言えます。
ハカランダやキューバンマホガニーといった既にワシントン条約で伐採が厳格化され、トーンウッドとして使用できる良質な材は存在自体がほぼ枯渇して無いとされる幻の神木。それを独自のルートで手に入れる調達能力が業界でも指折りで、希少材の中でも厳選に厳選を重ねて楽器として使えるものだけ使用するという『 財力 』ならぬ『 材力 』を持ったメーカーでもあります。

Grain 』 そして王道スタイルを継承している進化型スタンダードスタイルが『 Bizen BURNED 』とのことです。共にBizen Worksのブランドコンセプト(ヴィンテージギブソンに敬意を表して現代で使える楽器)として生み出され、最高のマテリアルと最高の木材、技術を詰め込んだモデルとなっております。

今回、手に入れたのはその中でも希少なハカランダ材(通称:ブラジリアンローズウッド)を指板のみならずネックにまるごと投入したという『 Bizen Grain Arched Top Jacaranda Neck -Lemon Burst- 』という個体です。この仕様に関しては『 Bizen BURNED 』を共同開発したというクロサワ楽器 名古屋店のオーダー品で『 ハカランダネックのバーストレスポール 』というのがコンセプトとのことです。コンセプトを伺ったところ非常に丁寧な文面で返信が来たことからそのまま文章を転記させていただきます。






クロサワ楽器様 返信文抜粋

今回ご購入頂きました個体のオーダーコンセプトは一言で表すと”ハカランダネックのバーストレスポール”というイメージでした。

本個体以前のハカランダネック発表時と大きく違った点として「Bizen BURNED」シリーズのリリースがございました。私が名古屋店勤務(Bizen Worksの近所)である事やBizenの取り扱い販売数が全国的に見ても当店が多い事から、実はBizenの坂本氏と私も含めディスカッションを重ねて発表されたシリーズです。

その「Bizen BURNED」シリーズ自体はGrainと違いヴィンテージに寄せた、よりギブソンに近いシリーズで、リリース後から多くの反響があり現在も当店では入荷後すぐにSOLDとなる人気シリーズとなっております。 「Bizen BURNED」シリーズとフラッグシップラインとなる「Bizen Grain」シリーズを掛け合わせた一本を製作したいと思いオーダーした個体が本機です。通常のGrainとの大きな違いとしてボディ厚をBURNEDと同様(一番厚い箇所はオリジナルレスポールと同等)とした事が挙げられます。

これにより前回のモデルよりもレスポールに近づいた印象サウンドとなり、その乾いたヴィンテージレスポールトーンの中にハカランダネック特有のガラスが割れるような重厚感溢れるサウンドがプラスされるという狙い通りの出音に仕上がりました。

また、ルックス面でもPRSのように整ったカーリーメイプルやキルトメイプルを比較的派手なカラーリングで仕上げたり、スポルテッドメイプルやバールメイプル等のエキゾチックな印象の木材をトップに使用する事が多いGrainですが、こちらも敢えてフレックの入ったワイドめなトラ杢を使用し、BURNEDシリーズでも圧倒的な人気となっている「Lemon Burst」フィニッシュとしました。

これで当初のコンセプトであったヴィンテージバーストルックながらハカランダネックを使用したBizen Grainでしか製作出来ない特別な一本が仕上がりました。 ここに至るには私がもともとレスポール好きである事やBizen BURNEDシリーズの成功等、様々な要素が重なっての事でしたがBizen Worksのブランドコンセプト(ヴィンテージギブソンに敬意を表して現代で使える楽器)からしても「Bizen Grainの一つの完成形」とも言える一本になったと自信を持って言えるギターです。

「ハカランダネック」のギターはやはり他の通常流通するギターとはまた違った魅力がございます。それはサウンド、ルックス、所有欲等、自分のギターとして考えた時に欲しい要素が全て詰まっている夢のスペックと言えます。是非とも末永くお付き合い頂けますと私としても幸いでございます。


という丁寧なご回答を頂きました。
ここまで語ってくれるというのは有難い限りで、自分の相棒となった特別な1本に対してのコンセプトを知ることに対して大変嬉しく思います。こういった想いや仕様の狙い、スペック根拠というのは非常に貴重な情報で個人的には音作りにまで影響を及ぼします。と言うのもコンセプトとズレた音作りではなく特性を生かす方向で考えたいというのが個人的な考えだからです。









さて、実際の本体はと言うと・・・『 日本の職人技 』という言葉がピッタリのクオリティです。レスポールと言えば本家ギブソン。いわばコチラはそれを模して進化させた『 レスポールタイプ




トップ材に用いられる硬質なハードロックメイプルに浮き出す杢と上品なフレック。トーンウッドの音響特性を加味して組み合わせた上質なホンジュラスマホガニーをバック材とし、これでもかと選定したハカランダ指板&ネックをジョイント。




この辺はGibsonでもHAND SELECTというものがありますが、木材豊富なBizenとしては既にSERECTした材のみしか扱っていないので、SERECT材からSERECTする『 究極のHAND SELECT 』といっても過言ではないのではないでしょうか。 木材接着は全てニカワ接着、トラスロッドもチューブレスを採用する等、最新でありながらも音に影響する部分はオールドスタイルを継承しています。






弾き易いようにとバックに大胆なコンターが設けられております。これが抜群に弾き易く実用的で『 レスポールの弾き易さに欠けていたのはこれだったのか・・・ 』とさえ感じました。 また、セットネックながらハイポジションが弾き易いヒールレス構造、635mmネックにコンパウンド・ラジアス指板、非対称ネック等、実戦する為のこだわりが随所に散りばめられ、単なるレプリカではなく道具として戦う為に生み出されているギターだと感じます。











そして肝心のサウンドですが・・・
お世辞抜きで  素晴らしい  の一言。
アンプを通さずともストローク一発で明確な差を感じる出音です。






特徴的なサウンドのコアともなるハカランダ指板&ネックは各弦を弾いたときに1音1音の情報量と分離感が半端なく、これまでに無い気持ち良さです。マホガニーネックやメイプルネック等と比べても立体感や輪郭のクリアさ、反応速度がズバ抜けています。 総じて良いギターに共通する『 音の終着点(減衰具合)が痛くなく終わる 』という特性もしっかりあります。




ピッキング後の立ち上がり~減衰までの流れや、美味しいところだけを抜かりなく拾い上げる音はバランスが良く、何処かヴィンテージテイストな揺らぎを感じながらもイコライジングされた美しい鳴りを感じます。素直に『 凄いな 』と感動させられるものがありました。




生音と倍音成分が同時に発音されるスモーキーなダブルトーン。タイトでギラついていながらも太く、不快な高音域が調律されていてメチャクチャ気持ち良い。音が減衰するにつれて裏返り、倍音が残響音としてサスティーンと共に美しくフェードしていく・・・ピッキングのアタック音だけでも音楽性を感じる繊細で多彩な表現が出来るというのが本器最大の魅力だと感じます。




一般的にこういったサウンドはエフェクターあり気でセッティングを追い詰め、辿り着くことが多いのですが、エフェクト無しに本体だけで得られてしまうというのは驚異的だと感じます。そして、単純にこの美し過ぎるハカランダネック・・・明らかに本家でも在り得ない組み合わせでギター好きであれば夢の様な仕様だと思います。使用されるハカランダも 黒さ・密度・艶・香り、ここまで美しいハカランダがあったのかと思わせる高貴な黒光り。これはヤバいです。




装着されるピックアップはBizen OriginalのPAFを狙ったハンドワイヤ―ドのヴィンテージタイプをSET。ハカランダネックから生まれる『 ガラスが割れるような 』という表現は相応しく、ドライブサウンドでは『 あれ? ファズでも繋いでたっけ? 』となる、バリンとガラスを砕いたような鋭さも同居し、良質なファズを絞ったときに得られる豪快かつ繊細なタッチレスポンスとバイト感、鈴鳴り感のあるサウンドが抜群の抜けと共に放たれます。 




電装系の仕上げも丁寧です。この辺のサーキット部分の精度は本家Gibson、Navigator、Crews、ESP、Killer等、所有するギターの中でも一番美しいのではないかと思います。掘削断面の仕上げが非常に美しいです。ハイパスコンデンサーも入っており、トーンコントロールだけでハイゲイン設定からクリーンまで全てが使える音で無段階調整可能です。




テールブリッジは当初、ブラックダイアモンド(リッチライト)が装着されておりました。 これはエボニー材に近い硬質な特性を持つ人工素材で品質にムラも無く、音響特性だけで言えば優れた材ではあるのですが、古い人間の自分にとっては『 ここまでの高級機種であれば木材に拘りたい 』という想いがあり、ハカランダ材に交換しました。




硬質なブラックダイアモンドのギャリンとした攻撃的なトーンも捨てがたかったのですが、ハカランダにすることで見た目のバランスと出音の上品さもプラスされ、よりヴィンテージライクな音になった気がします。 しいて言えば音はまだ若く、全体のなじみ、塗装の安定等、まだまだ成長の伸びしろを感じます。 既に最高の音を奏でている中、今後 弾き続けることで更なるモンスタートーンを放ってくれることかと思います。




上質な材の特性を知り、確かな技術と実践的な考えを持って生み出された本器。 伐採が厳格化し、限りある天然素材であるハカランダは2022年受注分を持って通常オーダーでのハカランダ指板を打ち切るということもあり、ここぞとのタイミングで気合いを入れてGETしました。

今後、仮に同じような仕様が出たとしても材料が希少だと価格も上がるでしょうし、基本的には良質な材から失われていくのは明確なので人生の投資に近い考えです。まさに手放すことのない究極の1竿、弾き込んだ老後が楽しみです。





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Last updated  January 20, 2023 05:58:29 PM
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