オバかの耳はロバの耳 

2015/05/24
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
転載記事
*********


◆リチャード・オルドリッチ『日米英「諜報機関」の太平洋戦争』を読み解く


※要旨


・日本の情報活動は、その行動パターンを欧米の目で見ると一見、素人風であったが、
1942年以前のシンガポールでの英軍の配備・作戦計画を驚くほど詳細に把握していた。


・アジアでの情報活動に生涯かかわり続けた、
ある英国政府当局者は次のようにいっている。
「情報はチーズのようなものだ。



・帝国システムの諸問題に関するOSSのドノバンからの報告は、
ルーズベルト大統領の事態の見方に一定の枠組みを与え、
大統領自身が報告内容に関し直接対応をとることもしばしばあった。
こうした報告資料の量はかなりに上り、
いまでも残っている国務省とホワイトハウスの資料を見ると、
OSSの調査分析部にいた元大学教授の情報調査員らによる報告が溢れている。


・ロジャー・ルイスは次のように述べた。
「戦略情報局(OSS)のさまざまな研究報告と並行し、
特別研究部では膨大な情報と提言を蓄積していた。
実際の領土問題での決定の段になると、
国際的な会議に出ていた米国代表団はこの蓄積された膨大な情報を利用した。

政府当局者や諮問役を務める学者たちは、
さまざまな問題に関して実に長い時間をかけて報告をまとめ、
最終的にはかなり大きな影響を及ぼしたといえる」


・インドにおけるOSSの活動は、
極東戦争での同盟国間の情報外交の複雑さを物語る。

戦争期間中を通じてインドの政治情勢が不安定だったためだ。


・インドの経済、政治状況に関するOSSの報告の量と範囲は驚くほどで、
アメリカ国務省はこれらの問題が対日軍事作戦の遂行とは不可分であると確信した。


・アジアの他の地域での業績がぱっとしない英国秘密情報部(SIS)だったが、
中国では成功し、重要な任務達成ぶりを示していた。
中国での見せ掛けにすぎないような戦争を背景に、
SISは伝統的な力量を反映し、
長期的視野に基づく政治・経済報告作業に集中することができた。


・本書は、公開された英諜報機関の第二次世界大戦中の文書をはじめ英米の公文書、
関係者の日記、自伝、研究者による著書、論文などを広範に渉猟してまとめたものだ。


・本書前半の叙述の中心であるシンガポール陥落と真珠湾攻撃をめぐる情報活動の検証は、
たとえ情報活動がうまくいっていても、それが政治の方向性に沿っていないと、
無視されてしまうという冷酷な現実を明らかにしている。


・本書では、チャーチル、ルーズベルトのアジア戦後構想をめぐっての考え方の違いという、
「大きな枠組み」が、英米の情報、謀略、
工作活動に具体的に反映されていたことが詳細に明らかにされた。


・太平洋戦争とは、アジアが大英帝国の自由貿易・植民地システムから脱し、
米国による門戸開放・米覇権システムへ組み込まれていく過渡期であったということが、
本書の諜報活動の描写で具体的に見えてくる。


※コメント
アメリカ側の文献を見てると一方的な見方になってしまう。
英国人が書いた本書のようなものを読むと、違う視点でかかれており面白い。
いろいろな国の人の書いたものを読み漁ってみたい。


★リチャード・オルドリッチ『日米英「諜報機関」の太平洋戦争』





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015/05/25 01:36:11 AM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: