消失を彷徨う空中庭園

消失を彷徨う空中庭園

Apr 25, 2009
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久しぶりのリクエストフィクションです。

思いつきで書いてると、同じ話がもう書けないんですね。
下記のお題を含むのがルールです。

『赤』
『ジーパン』
『松ぼっくり』


引き出しの隅にある、赤いペンダント。
忘れられた記憶の中に古い思い出があった。


俺は当時、彫刻をすることで頭がいっぱいだった。
石や木材で作品を作る傍ら、インスタレーションの活動もしていた。
インスタレーションとは、空間展示の芸術のことである。
展覧会などの催し物の会場の空間のプロデュースだ。
展示会場の床や壁や天井を飾る仕事なのだが、需要は決して多くない。

仕事は随分長く軌道に乗らなかった。
生活するにもやっとで、とても自分以外を顧みる余裕もなかった。
気分もひどくすさんでいた。周りに当たり散らすことも多かったと思う。

付き合っていた彼女の誕生日が近くなった。
俺は直前になってアルバイトを増やして働いた。
肉体労働のきつい仕事しかなかったが、毎日夜遅くまで必死に働いた。

今思えば、あの時の俺にはそんなことよりもっとするべきことがあったと思う。

その努力は無駄になった。
過労から風邪をこじらせてしまい、動けなくなってしまった。
数日間動けないだけで、少ない仕事はさらに減った。
俺は、せめてもの誠意を込めて、彼女へ木彫りのペンダントを作った。

小物を作るのは初めてのことだったが、何とかうまく仕上げた。

だが、それすらも無駄になった。
彼女から一方的に別れを告げられた。
別に好きな男ができたという。
彼女はそれだけ説明すると、俺の部屋を飛び出した。

反射的に、俺は追いかけようとした。
布団から起きあがり上着だけ羽織ると、全力で走り出した。
「待ってくれ。もう一度話を聞いてくれ」
伝えたいことがあった。いや、今まで何も気持ちを伝えることをしなかった。

その時、思いっきり松ぼっくりを踏んづけてしまった。
体は大きくバランスを崩し、地面に強くたたきつけられた。
病気で感覚が重くなった体では、それ以上の無理はできなかった。

以来、俺は松ぼっくりを切り刻むことに熱中した。
自分への憎しみを切り刻むように。そしてその思いが風化する頃、芸術が大成した。

今では、俺は世界初の松ぼっくりアートの第一人者として注目を集めている。


終わり。




最初は全く違う話を書いてたんですよ。
ずっと暖めていたアイデアがあったもので。また医療物だったんですけど。
消えちゃったから、書き直したらこんな話になりました。
書いてみて思ったけど、俺ってこういう書き方が得意だなと。
一人称視点で、回想から入って、プレゼントというキーワードがある。
ガイアナの時も、銀色の指輪の時もそうだったから。





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Last updated  Apr 26, 2009 12:19:41 AM
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はてなっち? @ Re:久しぶりにこっちで日記でも(10/24) ゲームとか持っていってないの? 引きこ…
赤いパレット @ Re[1]:久しぶりにこっちで日記でも(10/24) そんなにいいよ。俺にとっては大事なもん…
☆りん@ Re:久しぶりにこっちで日記でも(10/24) お、ひさしぶり~。 心境の変化か? い…
ぱれ@ Re[3]:わんばんこー(02/07) ☆りんさん 借り物でもってるよ。
☆りん @ Re[2]:わんばんこー(02/07) 赤いパレットさん PSPってもってたっ…
赤いパレット @ Re[1]:わんばんこー(02/07) ゲーム時間超限られてるけど、やってもい…
はてなっち? @ Re:わんばんこー(02/07) オイラはHD軽減もかねてオンラインストレ…

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