天候が温かくなりサクラ便りが聞かれだした
山ノ神がひょろひょろしながら、庭の片隅を耕し 畝を作りだした。 南瓜を植えると言う。昨年は接木した苗を植えたら枯れたり虫がついたりで 結局
種の直播がよかった。
今年は最初から種の直播をして 畝の上に籾殻をまき、水をやり さあ何個取れるかと予想したのだが。
終戦後 食料もなく、庭の垣根の隙間に栗南瓜の種を植え 垣根に這わせて育てた。雄花ばかりがつき 雌花は少しでそれも途中でしおれたり 青枯れになったりと収穫は散々だったが、それでも食べ物のないときには 腹の虫をおさえた。あの雄花の黄色い花が 卵焼きか カステラのようで 美味しそうで食べたかったなあ。僅かについた実のその中の1個がぐんぐん大きくなり 普通の3倍ぐらいになった。重さも重かった。だけども 味は水っぽく 不味かったことを覚えている。
翌朝 窓から畑を見ると雀が数羽 籾殻をつついている。籾殻の中に残るシイラをつついて食べているのだろう。
とイチジクの枝にドバトが止まり と 南瓜の畝に下りると籾殻をつつきだしたではないか。雀とは違ってどうも南瓜の種を穿り出して食べているようだ。
しっ!しっ!と追い払っても コチラをきょとんと見て またつつきだす。食べさしのリンゴの欠けらを投げつけても 別に驚く様子もなく種を探しては食べている。かみさんが庭に下りて土くれを投げて追い払おうとしても平然としていて 小憎らしい。
かみさんが庭箒をもって1メートルぐらい近づいたところで、ようやく パタパタヒョイと近くの柿の枝に飛び移って此方をみている。
かみさんが家に入るとまた降りてきてつつきだした。こりゃ本気で怒らにゃならぬ。石油缶を棒切れで叩いて近づくと 慌てて飛んでいった。
思い出した。昔は 「鳴子」があった。お婆さんなどが 雀たちが降りてくると、綱を引いて カラカラと おどしていたが そうだ 鳴子を作っておどしてやろう。
かみさん ブツブツ云いながら 残った種をまた 蒔いている。鳩は電線に止まって見ている。かみさんが居なくなったら また降りてきて つつくのだろう。
ごんべえが豆まきゃ カラスがほじくる て歌あったが これが生活がかかっていたら、こんな のんびりしたことではいかないよな。
この調子なら 何本の芽が出るかな。