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2010年01月16日
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カテゴリ: ウマく行く恋愛術


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺は、校内では何かと”有名人”になる宿命らしい。
小学校、そして羽ヶ崎学園中等部では、知られた顔だった。
高等部に進んだ現在は、”サボリの常習者”として誰もが俺の動向に不振そうな目線を投げて来る。

11月21日。
この日も、朝から”昼寝日和”だった。

(志波君)
ふいに、肩先に声が掛かった。

「何だ」
首を回してみると、見慣れた娘が廊下の端っこにちょこんと立っていた。

ただ、何時もとは違い不恰好な包みを抱えている。
(これ、誕生日プレゼントなの。はい)

「へぇ。開けて、良いか」
俺は、ぼわんとしている割に重量は然程でも無い物体の”正体”が気になった。

(うん)
彼女は、頬の辺りを真っ赤にして闇雲に頷いていた。
これじゃ、まるで相手がプレゼントを貰った側みたいだ。

何故、そんな顔をする?

「俺の欲しいもの、よく判ったな」
中身は、”低反発枕”だった。
「ありがとう。大切にする」

いつも、こうだ。
晩秋、はばたき駅で落ち合った。

「待たせた」

(あ。でも、私も今来たところだから)
彼女は、まるで自分が悪いみたいに先に”言い訳”を並べた。

「なら、良いか」

見れば、判る。
鼻の頭が赤くなった顔から、15分は待っていただろうと。
俺は、心の中で反省した。

「その服・・・」
言い掛けると、小首を傾げながら尋ねた。
(どうかな?)

「良いんじゃないか」
俺が感想を述べると、心底ほっとした表情を浮かべていた。

女の子から、レスリング観戦に誘われるなんて少し意外だった。
イベントホールに、1人で予約するのも思い付かずぼんやりしていたところなので助かった。

「もう、開場しているのか。指定席だから、慌てる必要は無いけどな」
(わぁ。凄い人だね)

「ああ。始まるみたいだな」

試合中、あいつは俺には一言も話し掛けなかった。
別段、”誰かのファン”と言う表情でも無さそうだ。

ただ、プログラムが終わるまで熱心に選手達の動きに見入ったり言葉を聞き漏らすまいと集中している様子だった。

(今日のイベント、最高だったね)
俺は、興奮を隠さなかった。

「ああ。最高だった。まだ、熱気が辺りに篭っていて興奮が冷めねぇ」

そして、自然に感慨が唇から毀れた。
「ふぅ。たまには、良いかもな。こう言うの」

あいつは、俺の言葉を聞き流しながら記念に買ったグッズを袋に入れ直している。
俺は、あいつに言った。

「面白いな。お前って。じゃ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”羽ヶ崎学園のプリンス”でさえそわそわしていない誕生日を、志波勝己君が殊更に意識している筈もありません。

彼は、デイジーからの贈りものを無表情に受け取ります(爆)
最近、このゲームの”補足”物語が収録された”ドラマCD”を視聴したのですが彼の内面に大きな変化が起こっていたらしいのです。

何も考えていなかったある1日を”女の子から、祝って貰う”自分を客観的に感じて、彼女の笑顔から愛情が意識されて行ったのでしょうか。

志波君は、大仰な表現・凝った行動は一切しません。
ただ、”その時、思った事”を割とスピーディにストレートに表現します。
女子から見ると、判り易いので楽です。

また、やはり誕生日プレゼントのお礼はきちんと答えています。
女の子にとって、”報われる”思いが残ります。



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最終更新日  2010年01月18日 22時01分34秒
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