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カテゴリ: ウマく行く恋愛術
必ず2009・10・26(1)の注意書きからご覧下さい。

俺は、格好を付けてライブ・ハウスになんか誘い出してみた。
だが、不慣れな場所に気分が悪くなりそうだった。

「混んでそうだな。狭いし、空気も悪い」

あの娘は、満面の笑みを浮かべて会場をきょろきょろと見回している。
(うん。でも、ちょっと、わくわくするね!!)
いざとなると、女の方が度胸があるらしい。

俺も、少し落ち着きを取り戻した。
小さくライトが点滅し始めた、中央の舞台に視線を投げた。

「ん?もう、始まるのか」
(そうみたいだね)

俺が、予てから憧れていたJAZZ・BANDだ。
弧を描く様なスィングが始まると、誰もが溜息の坩堝に身を任せていた。

(今日の演奏、最高だったね!!)
俺も、同意した。
「クールだったな。演奏者も、気持ち良さそうだった」

弾ける笑顔に、”次”を提案する勇気が湧いた。
「サンキュ。楽しかった。また誘う・・・かも」

(うん。楽しみにしているね)
あの娘も、すかさず返事をした。

「判った。楽しみに、しとけ。お前、もう気にする時間か?そうじゃ、無ければ」
(うん。大丈夫だよ!!)

俺は、彼女となら行ける。
「じゃあ、もう少し付き合え。まだ、足りない」
(うん!!)

星が凍る様な夜空だったが、身体の芯がぽかぽかして少しも寒さが感じられ無かった。
彼女は、行き帰り無口だった。

(ありがとう。家まで、送ってくれて)
俺は、満足感に酔いながら小さな肩を見下ろした。

「良い。気にするな。お前と・・・ん?」

すらりとした人影が、近付いて来る。
それは、同じ羽ヶ崎学園・高等部の佐伯瑛だと判った。

「やぁ。こんにちわ」
本能的に身構えた俺は、咄嗟に胸騒ぎを抑えた。

夜なのに、日中の挨拶も妙だ。
声音も、彼らしく無い弱々しさで声が上ずっている。

(佐伯君!!)
あの娘も、驚いたみたいだ。

「じゃあ、お邪魔サマ」
相手は、”通りすがり”の風情を崩さず静かに遠退いて行った。
だが、電灯の下にちらりと浮かんだ笑顔が追い詰められた獣の様に強張って見えた。

「何だ、今の?」
「え、えっと。後で、聞いてみようかな」

俺は、不信感を払い切れなかった。
「そうだな。何だか、困っていたみたいだぞ。あいつ」
(う、うん。じゃ、また学校でね)

つい、呟いてしまった。
「何か、お前も変だ。じゃあ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
此処でのポイントは、”不安の捉え方”でしょう。

志波勝己君は、”初めて(自分から誘った)デート”と”その成功の直後、現れた他の男性”と言う二つの緊迫感を体験しました。

でも、どれも”デイジーとの会話”で乗り越えています。
何故なら、彼は”彼女の返答以外を回答としていない”からです。

トラブルの際、誰もが疑問や不信感を恋人に”質問”します。
しかし、せっかく得た相手からの答えを”信じない・受け入れない”人々も多いのです。

azareaの空想ですが、志波君は佐伯君の不審な態度を”何とも、思わなかった”と考えます。
彼は、佐伯君を問い詰めたり周囲の噂を集めたりはしないでしょう。

何故なら、”デイジー”が答えだからです。







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最終更新日  2010年01月29日 21時24分14秒
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