PR
Keyword Search
Calendar
Comments
Freepage List
スカルラッティ親子が活躍した17世紀末~18世紀前半は、まさにカストラートたちの絶頂期にあたる時代。中でも当時のヨーロッパ中を夢中にさせたのが伝説的なカストラート、ファリネッリです。その音域は3オクターブ半あったといいますから、まさに超人的。その彼が人生の後半、ほぼ四半世紀の長きにわたり、スペインの宮廷でD. スカルラッティと同僚であった、ということは意外に知られていないようですが、彼の前半生の活躍(例えば、ポルポラと英国に渡ってヘンデルの「国王派」オペラと熱い競争を繰り広げた話)は有名で、1994年製作の映画「カストラート」でも活写されています。(亭主もDVDで楽しませて頂きました。)
カストラートが活躍するオペラは上演される機会が少ないのですが、モーツァルトのいわゆるオペラ・セリアと呼ばれるカテゴリーのオペラ(例えば「イドメネオ」など)がその片鱗を伝えているようです(E.J. デントによると、父スカルラッティの最上の弟子の一人がモーツァルト)。もちろん今やカストラート自体は絶滅して久しく、彼らが歌う音域を受け持つ歌手はアルト(女性歌手)かカウンター・テノール(男性)となりますが、後者はやはりウラ声だなァと分かる不自然さがありました。
ところが、数年前に登場したフィリップ・ジャルスキー(JALでスキーではありません!)、その声たるやまさに「ファリネッリもこんな風だったかも!?」と思わせるようなインパクトです。例えばこのCD:
実に自然かつ自在な声で聴くものを唸らせてくれます。その声音を文字ではなかなか伝えることができませんが、あえて例えれば、往年の名歌手、テレサ・ベルガンサにとても近い感じ。ちなみに、1994年の映画ではファリネッリの声を「再現」するために、何人かの歌手の声を基にコンピューター上で人工的に合成したとか。今からでもジャルスキーで吹き替え直してはどうでしょうか、コルビオさん?
劇場文化の危機?―首都圏の劇場不足騒動に… 2026.05.10
オーケストラの持続可能性と「華麗なる衰… 2026.04.19
神戸の響きは誰のものか — 補助金打ち切り… 2026.04.12