
お大師さまが寄り添うようにその守りを受けながら
浜辺を歩くふたりの背中
南無大師遍照金剛
高速道路は須崎までこの先は工事中だ
台形の盛り土の上辺をダンプが土埃をあげていた
高知西岸まで今はこの道が主要道路のはず
太いトルクを活かし右へ左へバイクを傾け
海を山を川を田を畑を
ころころ変えるここの景色を望みながら
ディーゼル線路と付かず離れず走っていた
この国で電車とは路面電車のことを指すらしい
ガーガーと排ガスを吐きながら走る汽車と時たますれ違う
一息入れようと道の駅に止まる
名物の豚まんを頬張りながら
ふと思い返してみて気が付いた
随分走ったがそういえばここまでコンビニがなかったな・・・
便利という一度足を踏み入れた沼からはもう抜け出せない
日本人の舌を惑わしてしまったのは
ファミレスとコンビニが起したひとつの罪だと思うが
夜中の山越えに浮かぶ灯のような
存在するコンビニへの安心感は
ヘンゼルとグレーテルの一片のパンのようなものかもしれない
仕事を辞めたとたんに鳴らなくなった携帯電話のキーを押し
液晶に「新着Eメールはありません」と
まるで炙り出しかのように浮かびあがった画面をぼんやりと眺めていた
便利という底なしの沼
「ナリタミキオ」だ
今日の朝会ったリーを連れたあのお遍路
誰かに似ていると思っていたが
この時のおれを周りから見ると随分気味の悪い事だったろう
「クドウちゃん、クドウちゃん」と
劇中のマツダユウサクを呼ぶあの役者を
携帯の液晶に見ながら一頻りニヤニヤしていたのだから
ミキオ October 25, 2006
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