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日清食品の『ラ王』。8月いっぱいで販売が終了しました。同商品がこの世に登場したのは、もうかれこれ20年近く前になるでしょうか。麺の表面部分と中心部分の堅さを微妙に変える新しい技術で、インスタントラーメンでは難しいと言われていた麺の「コシ」を再現することに成功。デビュー当初は「これがインスタントラーメン!?」と驚きを持って市場に受け入れられました。僕も何度か食しましたが、確かにスープの旨さも相まって中華屋さんで出される本格的なラーメンとの違いがわからないぐらい。「こりゃ、世のインスタントラーメンはすべてこういうタイプに変わっていくんじゃないか」そういう勢いを感じたものです。ところが1つ200数十円という値付けが、他の100円台のカップ麺に慣れた身には多少敷居が高く、いつの間にか安値のカップ麺で我慢すること10数年。最近は全然気にもとめていませんでした。唐突に販売終了を聞きつけ、「最後のご賞味」用に8月の終わりに購入。今日、ようやく封を開けました。封を開けると、「ン? 焼きそばみたい」と思わせるような、湯切り用のフィルムが隠れていました。その中に真空パックされた、『ラ王』の命、生麺。麺をカップに入れて、で、湯を注ぐ。カップ側面に書かれた調理方法を改めて読むと、注いだ湯で麺をほぐし、いったん湯切り口よりお湯を捨てて、しばらく経ってから再度、お湯を注ぎ……。えっ? わざわざ2回お湯を入れるわけ?以前食べたときもこうだったのかなぁ?『ラ王』の売れ行きが今ひとつになって販売が終了した事情はいろいろあるでしょうけど、僕は、この2回お湯を入れるという面倒なオペレーションも大いに関係あると思いました。ちなみに販売終了からわずか1週間しか経っていないのに、首都圏では『新ラ王』が販売開始。日清史上、最高傑作!日清ラ王 旨味豚コク味噌 1食 219円価格:229円(税込、送料別)こちらは今主流のノンフライ麺なので、調理方法も単純化されたようです。
2010年09月12日
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最近、国会でUFO論議がかまびすしいですね。UFOとは「Unidentified Flying Object」の略で、日本語に訳すと「未確認飛行物体」となります。確認されていない飛行物体を「信じる(確認する)か」「信じない(確認しない)か」というのは文意がおかしい、「UFO」ではなく「異星人」もしくは「異星人のコントロールする飛行物体」とすべきではないか、という細かいツッコミはさておき、僕はこの種の不思議系の話は信じてしまう方でして。今から10数年前に不思議な浮遊物を家族で目撃したことがあります。まだ大阪に住んでいて、長男が幼稚園に通っていたころでしょうか。ある晴れた真冬の日曜日の夕方、用事を済ませて大阪市内方面から河内長野の自宅へ向けて車を走らせているときです。空気が澄み切っていて、奈良との県境にそびえる山の稜線がくっきりと見えていました。走行中の国道309号は、美原界隈までくると帰宅を急ぐ車の列で渋滞気味。のろのろ運転が続いていました。はじめに気づいたのはヨメさんです。「あれ、何やろ?」とヨメが指差した方向を見ると、まばゆい光が1点、二上山の上空に見えています。↓UFO目撃のロケーション地図(クリックすると拡大します)最初は旅客機かな? と思っていました。というのも、大阪伊丹空港に着陸する旅客機は、紀伊半島の南端から奈良・大阪南部経由でアプローチします。最初は小さな光の点なのが、数分後には機体がはっきりと見え、多くのライトを明滅させて上空を飛び去っていくのですが、夕方ともなれば、ひっきりなしにこの方向からやってくるのです。でもこの時の光は、いつまで経っても近づいてきません。ずーっと二上山頂にあって光を放っています。フッと気づくと、大阪空港へ向かう旅客機が上空を飛び去っていきました。航路は微妙に違う方角なのです。じゃ、あれは何?二上山に何か鉄塔みたいなのができたのかな?とも思ったのですが、航空機に注意を促す標識灯であれば赤点滅するはず。でも目の前の光はまばゆいばかりの白なんです。そのうち、その光は二上山の上空ではなく、はるか手前の河南町上空あたりにあるように見えてきました。全然動いてないんです。ポツン、と比較的大きな光の点が上空に浮かんでいる、そんな感じ。「うわー、何やろ? あれがいわゆるUFOか!?」とヨメさんと話をしているうちに、それまで雲ひとつなく晴れ渡っていた上空になにやら霧かモヤのようなものがかかりはじめ、わずか数十秒でその光は霧の中にかき消されてしまいました。この間、時間にして5分ほど。このような体験は、後にも先にもこの1回のみ。何とも不思議な体験でした。怖い、というよりも何やらファンタスティックな感覚。皆さんは、こんな体験、ありますか?UFO・遭遇と真実新装丁版
2007年12月23日
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昨日受検した日本語検定のうち、2級での難問。設問の意味そのものがよくわからなかったのですが、その中身とは……。-問6---------------------------次の文の中で、文を構成する要素間の文法的、また意味的な関係から、文の表す意味が一通りの解釈に限られるものを二つ選び、番号で答えてください。------------------------------どうでしょう?何だかわかったようでいて、わからない設問内容ですよね。で、選択対象となっている文が以下のとおり。------------------------------1 その男は深い森の闇の中に吸い込まれるように消えていった。2 父は昨日僕と妹が会員になっているスポーツクラブを見に行った。3 十年使ってひどく痛んだグラブだが手になじんでいて捨てられない。4 三時間にわたって繰り広げられた白熱の演奏に観客はみな歓喜した。5 前回と同様に適切な解決策を見いだすことは困難だろうと思う。------------------------------この5つの文章の中で、設問を満足させる文章が2つあるんですって。文章読解力がイマイチの僕は、さっぱりわからない。にらめっこすること10分。「2」の文章を見つめていて「あっ」と声を上げそうになりました。「この文章、2つの意味がある」と。読点を打ってみるとよくわかります。『父は昨日、僕と妹が会員になっているスポーツクラブを見に行った』『父は昨日僕と、妹が会員になっているスポーツクラブを見に行った』1番目の文章は、僕と妹がスポーツクラブの会員であり、そのスポーツクラブに昨日父が見に行った、という意味。2番目の文章は、妹が会員になっているスポーツクラブに、昨日父と僕が見に行った、という意味。ほら、まるで2つの文章の意味が違いますよね。で、設問の内容は、そういう2つの意味を持たない文章を選べ、ということなので、この「2」の文章は選択肢から外れます。そこまではわかりました。でも、じゃあ残りの4つの文章のうち、設問内容を満足させる文章はどれか? 2つあると言うんです。結局、わからずじまいでした。正解は17日頃に発表されるとのことで、未だわからず。この日記を読んでいただいたあなた。僕の設問解釈の正否も含めてあなたの考えをお聞かせください。日本語検定公式模擬・練習問題集価格:1,260円(税込、送料別)
2010年11月14日
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4/12からTBS系列でドラマ『夫婦道』が始まりました。武田鉄矢・高畑敦子・本仮屋ユイカと、金八ファミリーが続々出演。TBSということもあって金八先生を彷彿とさせますが、長女役には南海キャンディーズのしずちゃんがいて、異色の組み合わせ。必死で標準語のセリフをしゃべってます。笑いあり人情味ありの、TBSドラマらしいつくりで見応えありますが、何にしてもドラマの設定が製茶業。しかも舞台が狭山茶の産地・入間なんですね。わが狭山市の隣町です。狭山茶というからには狭山市とちゃうの?という向きもありますが、所沢市・入間市・狭山市にまたがった地域が広義の「狭山エリア」に該当してまして、「狭山茶」とは、この広義の「狭山エリア」を産地とするお茶のことなんです。なので、茶畑はこれらの市にまたがって広がっているわけでして。そして実は狭山茶の生産量が一番多いのは入間市なんです。そんなことで、このドラマのロケも入間市内の茶畑で行われているようです。確かなロケ場所は不明ですが、少しドライブしてみると、ドラマで出てくる風景に出会いました。遙か彼方まで延々と茶畑が続いてます。壮観な眺めです。どこでロケをやっててもおかしくないですね♪
2007年04月14日
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NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』が今日、最終回を迎えました。世間の評価どおり、今回の連ドラは見応えのある内容でした。日本のウイスキー二大メーカーの、黎明期の関係性もよく分かりました。で、一連の物語の中で最も印象に残ったのは、マッサンの妻であり、スコットランドから来日したエリーの、誰よりも日本人らしくて誰よりも日本を愛した姿です。最後は病に冒され、最終回前夜の昨日は、静かにマッサンの腕の中で旅立つことになりましたが、そのシーンが自分の身の上に大いにかぶってしまい、不覚にも涙がポロポロとこぼれ落ちる始末。そして今日の最終回はエリーが旅立ってから10年後のシーン。第1回目の続きのシーンなので、この半年間の物語の流れが、マッサンの回想だったことに気づきます。短いようで長かった半年。長いようで短かった半年。最後の最後でさまざまなシーンがフラッシュバックで映されたとき、なぜだかまた涙ぐむ自分がいました。そんなマッサンの最終回を迎えた今日は、奇しくもヨメさんの月命日でもありました。【楽天ブックスならいつでも送料無料】リタとマッサン [ 植松三十里 ]価格:680円(税込、送料込)
2015年03月28日
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今朝出社してみると、机の上の未決箱に部下・Sくんからのメッセージが書き付けられた紙が入っていました。見ると宛先に『まさやん部長殿』と書かれてあります。--部長…殿…?軽くため息をつきました。--彼も勘違いしてるなぁ……。Sくんはとても律儀な性格で、その仕事ぶりも定評があります。その彼ですら敬称の用法を間違っている。組織の世界では相手を肩書きで表記することが、既に敬称になっています。つまり「まさやん部長」だけで十分OK。現に、口頭で相手を呼称するときに「○○社長殿!」「○○部長殿!」なんて言いませんもんね。肩書きに加えて「殿」を重ねると、これは二重敬称の用法となり、かえって失礼になります。さらに言えば『殿』を用いるのも問題あり。そもそも『殿』というのは、役所言葉であり、彼らが一般庶民に差し出す文書には必ず宛先の敬称が『殿』となっています。これは「お役人が卑しくもお前のような庶民にわざわざ文書を下賜するのだ、恭しく受け取れい」という意味が込められており、ある意味、役人が市民を蔑視している象徴の言葉です。なので、この『殿』を目上に対して使うのは、大変失礼に当たります。そういうわけで最近は『様』と表記する自治体もあるくらいです。何となく僕たちは感覚的に『様』よりも『殿』の方が重みがあって『殿』の方が、より相手を敬う気持ちが表れている、と思いがちですが、実はまったく逆なんですよねぇ。そんなことを出社してきたSくんに指摘してあげました。律儀な彼は僕の解説を聞いて、ぶっ飛んでました(苦笑)【送料無料】気のきいた手紙が書ける本価格:1,260円(税込、送料別)
2012年04月11日
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わが家のVOXYに積んでいる、メーカーオプションのカーナビは、もともとトヨタのG-Book対応ナビで、『マップオンデマンド』機能が付いています。マップオンデマンドとは、新しく開通した道路があると、そのつど更新してくれる機能。今までは、年に1回地図データが更新されるのを待って、更新地図メディアを購入するか、ディーラーで地図情報を書き換えるかしか地図を更新するすべがなかったのですが、トヨタの純正ナビの上位機種は、このマップオンデマンド機能が付いていて、常に更新データを取得することができます。通常は、G-bookサービスに加入することが前提で、そうするとDCMというモバイルツールか通常の携帯電話を経由して、更新情報をほぼ自動でアップデートしてくれます。以前は僕もG-bookに加入していたので、地図更新はとても手離れが良いものでした。ところがこのG-bookサービスの年会費は12,000円。月々だと1,000円ですが、G-bookが提供するマップオンデマンド以外のサービスは自分にとっては過剰なので、まったく利用しておらず、唯一利用しているマップオンデマンド機能も、更新しない月もあるなかで、月1,000円はちょっと高いなぁ、ということで、昨年夏の契約更新時に解約してしまいました。G-bookに加入していない場合、地図の更新はインターネット経由で行います。すなわち自宅PCで更新地図データをダウンロード。CD-RかCD-RWにそのデータを書き込んだ上で、ナビのDISCにメディアをセットし、データをロード。その後、ナビ本体側でデータの書き換えを行う、という手順になります。多少面倒ではありますが、年間12,000円をケチる代償としてはさほど大きなこともない、ということで、割り切っていました。再来週、大阪へ帰省する予定なのですが、部分開通した圏央道を利用しようと思い立ち、「そういえば、その開通部分がナビに反映されてないな」ということで、インターネット経由CD-RWによる地図更新を試みることにしました。したの写真は、現在の地図です。圏央道が未開通の地図 posted by (C)まさやん6312写真中央のやや右側。まだこの地図上では『海老名IC』までしか開通していませんが、実際は今春、さらに北(上)方向へ高速道が伸びています。自宅PCで更新データをダウンロードし、買ってきたCD-RWに書き込み。それをナビのDISCに挿入してナビ本体へデータをコピー。CD-RWからナビ本体へデータコピー posted by (C)まさやん6312このコピーはものの1~2分で終了。続いてデータ変換です。ナビ本体内でデータ変換 posted by (C)まさやん6312ところがこれがなかなか進まず。確かにネット上でもデータ変換には10時間以上かかる場合がある、という旨の説明を見かけましたが、どうもそれにハマったようです。考えてみれば、昨年解約してからほぼ1年、まったく更新をしてませんから、更新データ量がかなり多いはずです。午後から夕方にかけて車を転がしましたが、実際の変換進捗は芳しくなく……。半日経過してもまったく変換が進まず posted by (C)まさやん6312まだ40分の3ですよ、まったく。エンジンを切っても、次にエンジンをかけると、途中から更新が継続されるようなのですが、週末しか走らせないVOXYなので、このままでは更新完了のタイミングが大阪帰省に間に合わないかも、です^^;これならやっぱり12,000円払ってでもG-bookの契約が有利なのかもしれませんね。★ 2013年夏の最新版 6月3日更新!トヨタ純正ナビ地図更新ディスク2013年夏版「08664-0AC17」08...価格:7,875円(税込、送料別)
2013年07月28日
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震災の影響で2週間ぶりのコーチング・セッションを行いました。マイコーチの切り口は、やっぱり鋭い。僕の話している内容を聞き取って、すぐに前回との対比や矛盾点を衝いてくる。今回は職場の部下から相談を受けたことと、その時のやりとりが自分にとっては満足行ってないことをテーマにしたのですが…。「今言った○○という言葉は、先々週の『ぶれない自分でありたい』という言葉とどういうつながりがあるの?」「前回は□□□と言ってたけど、今は△△△と言いましたね」どういう言葉をつないでも、ひと呼吸おいてからこまごまと指摘があります。そして、ふた言目には「今、そういう言葉を口にした瞬間は、どういう心境だったの?」という問いかけ。これ、けっこう頭を揺さぶられます。自分ではその場の流れで言ったセリフなんですが、いざ、そのセリフの根拠を尋ねられると「…はて、何だったっけ?」となる。あるいは根拠が分かったとしても、次の瞬間、さっき自分が口にしたこととまるで矛盾することに気がつく。だから当然口ごもってしまう。ところがマイコーチは助け船を出さない。ずーっと沈黙を守って、僕の次の言葉を待ってるんです。意地が悪いわけでは決してないんです。僕の頭の中で何が起きているのか、電話越しに必死に読み取ろうとされているんです。僕も頭の中がグルグルしてて、どうにもこうにも言葉が見つからない。「えーと、えー、その、つまり……あの、……」とつぶやいていると、ようやくポツリとコーチからひと言。「まさやんね、あなたその部下のことを心から信頼してる?」--え…?その部下からの相談とは、彼と彼の後輩との関係が芳しくない、というものでした。会話の中で、彼に対して「後輩の言うことや実行していることを本当に信頼しているのか?」と問いかけた自分がいました。ところが今、マイコーチは、僕に対してその部下のことを「信頼しているのか?」と問うてきている。そうか……。僕が部下を深いところで信頼を置いてないから、彼も自分の後輩を信頼できない、という連鎖の構図があるんだ。そんなことに気づかされました。今日、部下とまた立ち話をしたのですが、彼のことをとことん信頼しようという気持ちで向き合いました。さらなるホンネをちょっと語ってくれました。こういうところから、変化の波が徐々に訪れるんでしょうね。【送料無料】部下を持つ人のためのNLP価格:2,310円(税込、送料別)
2011年03月23日
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鉄道というのは、「2本のレールの上に乗っかった車輪が転がることによって人や物を移動させる乗り物である」、ということは誰もが知っていることです。ところでこの2本のレールの幅、専門的にはゲージ(軌間)と言うのですが、これにはいくつかの種類があります。日本では代表的な2種類に分類されます。すなわち、一つが新幹線や一部の私鉄等に採用されている1435ミリ幅、もう一つがJR在来線等広く一般に採用されている1067ミリ幅。他にもいくつかの例外があるのですが、大抵の日本国内の鉄道は上の2種類のゲージに集約されます。前者の1435ミリ幅を「標準軌」(スタンダード・ゲージ)と言い、後者の1067ミリ幅を「狭軌」(ナロー・ゲージ)と言います。「標準軌」はその名のごとく、ワールドワイドでスタンダードな線路幅であり、鉄道発祥の国であるイギリスをはじめ欧州のほぼ全域、米国、豪州、中国、韓国等で一般的に採用されている線路幅です。片や「狭軌」。実は日本ではこちらの線路幅の方が大勢を占めています。JR在来線のほとんどと、関東の大手私鉄の半分はこの規格。関西でも南海と一部の近鉄線がやはり狭軌。つまり日本では「狭軌」が「標準」なのです。日本では当たり前の狭軌ですが、世界的に見ると、台湾とタイ、サハリンの一部ぐらいしか思いつきません。そしていずれも日本統治時代に敷かれた鉄道なので、「狭軌」は日本だけがひとり気を吐いているゲージに他ありません。なぜこうなったのか?歴史をひもとけば、それは明治維新に日本で初めて鉄道が開業した時代までさかのぼります。東京-横浜間に鉄道を建設するにあたり、日本国内には鉄道に関する土木技術など皆無でしたので、当時の鉄道先進国であるイギリスに協力を求め、彼の地から技師が来日しました。線路幅もイギリス人技師が決めたのです。本国イギリスは標準軌なのに、なぜ日本では狭軌と決めたのか。これには諸説ありまして、1)日本は国土が狭いから、線路幅の短い狭軌の方が用地も少なくて済む2)線路幅が狭い故に、資材購入費が安くつく3)標準軌より狭軌の方が輸送力は劣るから、 軍事輸送にハンデを負わせることができる (明治維新の頃から、イギリスは既に日本を脅威に思い始めていた?)のいずれかか、複合的な事情だろう、ということです。ただ、線路幅が40センチ違うというだけでハンデが大きいのは確かなことのようで、足元の安定性が悪くなることからスピードアップを阻む要因になっているのは事実。スピードアップできない、ということは輸送力が伸びないわけで、鉄道としての生命線がまっとうできません。なので、明治から大正にかけて、線路幅を標準軌に広げるプランも検討されました。しかしその頃になると既に全国に鉄道が敷かれており、工事費用や工事中の運転ストップなどのデメリットを考慮すると、改軌工事に踏み出せず、結局は何もしないまま今に至っています。ただし新幹線は、在来線とはまったく異なるシステムを白紙状態から決めていったので、最初から標準軌で建設されました。そういうわけで、鉄道先進国でありながら線路幅の狭い狭軌に甘んじている日本の鉄道。歴史に「if」は禁物ですが、あえて言わせてもらえるなら、もし大正時代に線路幅を広げるプロジェクトが完遂されていたならば、日本の鉄道はどうなっていたか?もっとスピードアップが図れ、もっと利便性が高まっていたに違いありません。たとえば在来線も新幹線も同じ標準軌だとすると、新宿発天王寺行きの「のぞみ」もありえるはず。現実は新宿から天王寺まで行くには、線路の幅が違うので、列車が乗り入れることができず、同じJRでありながら2~3回の乗り換えが必要です。「2~3回の乗り換え」と「乗り換えなし」。わずか数分の違いかもしれませんが、体感的にはかなりの時間短縮を感じるはず。となると、日本全体の生産性が上がり、産業はもっと発展していたのかもしれません。さてちなみに、「新幹線を在来線に通す」というプランは一部で実現しています。「山形新幹線・つばさ」と「秋田新幹線・こまち」。双方とも、東北新幹線の福島あるいは盛岡から分岐するのですが、線路はもともとJR在来線だった線路を狭軌から標準軌に改軌したもの。在来線は今までどおりのスピードしか出ませんが、東京から乗り換えをせずに山形や秋田まで行けるということで、飛行機の利用者もみんな新幹線利用に移行し、羽田-山形・秋田間の航空便が減便するくらいの効果がありました。そして今、「デュアル・ゲージ・トレイン」という列車が研究開発中。これは、標準軌←→狭軌と、列車側の車輪幅を自由自在に変換できるというスグレモノ。これだとJR在来線の線路を敷き直す必要もなく、自由に新幹線に乗り入れができることとなります。今、博多から長崎をめざす新幹線での採用が有力。電車はモーターがある絡みから、走りながら軌間を自由に変更できる車両は技術的にチョー難しいんだそうです。それをやり遂げるんですから、日本の鉄道技術は世界一、と言われるゆえんです。逆に言うと、はるか昔に狭軌を選択したからこそ、こういう先進技術が生まれたんですね。狭軌というハンデも、それはそれで良い効果を生むわけで…。
2009年02月06日
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