ワルディーの京都案内

ワルディーの京都案内

2016/07/08
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テーマ: 京都。(6081)
カテゴリ: 京都案内
2016年

 今日は、シニアガイドの新人研修第10日(実地研修は5日目)でした。

 今回から3回は、今年入ったメンバーによる模擬案内です。過去3回、先輩のガイドさんに案内してもらったところのうち、各人指定された場所で7分以内の模擬案内し、後から先輩ガイドから講評をしていただくというものです。

 今日はその第1日で、八坂神社、伏見稲荷、東寺でした。

 私は、東寺金堂が担当でした。

 皆さん、私も含め、ほとんどの方は観光ガイドは初めてです。声が小さくて自信なさそうだったり、ど忘れして頭が真っ白になったりとか、ちょっと小学校の学芸会を見ているようでもありました。

 中には、うーんとうならせるような話術で話されたり、小道具を準備して訴求力を高めたり、初めて聞くような詳しい歴史的な背景を説明したりと、個性に溢れた説明をされる方もいらっしゃって、色々参考になりました。

 私自信は、結構、事前に練習しましたが、どうしても制限時間7分をオーバーしてしまい、どんどん説明を削ぎ落としていったこともあり、最終バージョンではほとんど練習できないままで本番に臨みました。私の番は、最後の方でしたので、朝からずっと緊張していました。





 このお堂が金堂です。この金堂、そして北の講堂、食堂が南から一直線に並んでいるのがこの東寺の伽藍配置の特徴です。この配置は建設当初から今まで、ずっと維持されてきました。

ここから見える金堂以外の建物について、まず説明させていただきます。

この方向に見えます門が、東寺の境内の一番南にある門、南大門(みなみだいもん)です。門の向こうは九条通です。平安京の九条大路です。九条大路は平安京の一番南の通りですから、このことからも、東寺が平安京の一番南に造営されたということが分かっていただけるかと思います。

もとあった南大門は、明治元年に焼失しました。その後、明治28年に、三十三間堂の西門が移築されるかたちで再建されました。もとは17世紀初めに建てられたものですので、桃山建築の特色が随所に見られ、国の重要文化財に指定されています。

 南西隅の建物が灌頂院と呼ばれる建物です。ここでは、後七日御修法という真言宗で最も重要だといわれる儀式が毎年1月8日から7日間行われます。弘法大師の時代からずっと宮中で行われてきた行事ですが、廃仏毀釈もあって、明治16年からこの灌頂院で行われるようになりました。現在の建物は江戸時代のもので、国の重要文化財に指定されています。

 それでは、金堂について説明します。金堂とは本尊を安置する本堂のことです。当初のお堂は室町時代に焼失し、その後1世紀近く再建されませんでした。今のお堂は江戸時代の初め、豊臣秀頼の寄進によって再建されたもので、奉行まぁ建築責任者ですね、それには片桐且元が任命されということです。東寺にある4つ国宝建築物の一つです。

 入母屋造本瓦葺きです。外観からは二階建てに見えますが、この下の屋根のように見えるのでは、裳階(もこし)で、中には2階はありません。建築様式は和様と天竺様が併用されています。中央の上方には本尊のお顔が見えるよう小窓が設けられています。

 中の仏像についても説明しておきます。ご本尊の薬師如来が須弥壇の上中央に安置されています。像の高さは約3メートルあります。後ろの後光の部分を光背といいますが、この光背と台座を含めると高さは10メートルにも達する大きなお像です。

 薬師如来は普通、手にやっこという薬の壺を持っていますが、ここのお薬師さんはそれを持たない旧式スタイルです。

 光背には薬師如来の化仏である七体の七仏(しちぶつ)薬師が置かれていますので、それもご覧ください。

 台座の方もご覧ください。薬師如来の眷属、眷属とはいわば部下のようなものですが、その眷属である十二神将の小さな像が十二体置かれています。

 薬師如来に向かって右に日光菩薩、左に月光菩薩が安置されています。薬師如来も含めて薬師三尊像と呼びます。この三尊像はこの金堂が再建されたときに造られたもので、桃山時代の大仏師康正の作で、国の重要文化財に指定されています。

 それではお堂の中に入っていただきます。中では重ねて説明はいたしませんが、何か質問がございましたら、遠慮なく声をかけてください。堂内での写真撮影はご遠慮ください。それでは、中にお入りいただき、10分後のX時X分にもう一度ここにお集まりください。



 読んで5分ですので、実際に話す場面では7分程度になるのではないかと踏みました。 

 私の番が来て、この原稿に沿ってガイドをしました。

 ガイド対象の建物の方向に体を移動させる、色んな人に目線を向ける、大きな声で、ゆっくりと分かりやすく説明するなどはできたと思います。

 しかし、上記の「入母屋造」という言葉、「台座」というありきたりの言葉などが出てこず、結構な時間詰ってしまいました。まだまだ自分のものになっていないということです。6分で「あと1分ですよ」という合図が出ますが、それを見たとたん焦ってしまい、七仏薬師、十二神将像の説明を飛ばしました。しかし、結局7分には達しないまま終わりましたので、焦らず落ち着いていれば、七仏薬師、十二神将もちゃんと説明できたと思います。


全体講評いただいた中で、頭の中に残っていることをランダムに列挙します。

・ガイドは態度も見られている。対象の観光客だけでなく、他の観光客に対する心配りも必要。

・対象物の方向に顔を向けて話すと、声が急に小さくなる。常にお客様に顔を向けて話す。

・参考資料を使うことは有効。それは頭上に上げて見せること。お腹の前では下向いて話すこと
 になる。

・神社、お寺の門から入るとき、出るときはエチケットとして一礼する。

・知識が十分ないものは説明しないほうがよい。


 目に見えるものに関心をもって、調べてほしい。

・トイレの場所、お土産は、歴史的な話しより重要な情報。

・ほとんどの話は忘れられてしまう。何か一つ印象深いものを持って帰っていただくように
 心がける。

・説明時、お客様が他の観光客の道を塞いでしまうことのないような誘導も必要。



・神社仏閣などの場合は、再建は「サイケン」ではなく、「サイコン」と言うこと。
 (そんな例がいくつかあった)

・同じ漢字でもお寺によって読み方が異なる場合も多いので、漢字の読み方には最新の注意を
 払うこと。

・「~天皇さん」とかの馴れ馴れしい言い方は避ける。

・「この神社、銭儲けうまいでんな。」というような説明はしてはならない。


他の方のガイド、この講評とも大いに参考になりました。


 朝から、非常に蒸し暑い一日でしたが、幸い傘を差さなければならないような雨は降りませんでした。

 午前中の八坂神社では、普段は見ない提灯が飾ってありました。祇園祭の時期の特別な提灯だと思います。老舗の名前が多く見られます。

P1160567.JPG


 次回は、4日後の7月12日。私の担当場所は金閣寺総門です。これから話す内容を考えねばなりません。今回で7分で話しできる分量がおおよそ分かりましたので、少し気が楽になったような気がします。



 帰りに、3ヵ月に一度の歯医者(メンテナンス)に寄り、ついでに眼科にも寄ってから帰宅しました。眼科は、緑内障になっていないかどうかに定期的確認です。その様子は別途アップします。


(内容再考版。原文は非公開日記に移動済み。)



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最終更新日  2021/10/31 03:26:38 PM
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