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芸術の秋です。秋晴れに恵まれた10日、銀座三越の地下2階に寄り道して一日分の食べ物を買い込んで、歌舞伎座にて昼夜通しで観劇しました。何しろ体力勝負なんです。
昼の部は四つの出し物で、初めて観るものが三つもあるので、予習はしておきましたァ。そして、忘れないうちに観劇の印象をまとめておくとしましょう。
【昼の部】話題とみどころは、歌舞伎座の案内から。
一、 芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)葛の葉
葛の葉
葛の葉姫 魁春
信田庄司 錦吾
妻柵 歌江
安倍保名 門之助
話題とみどころ
陰陽師の安倍保名(門之助)に命を救われた狐(魁春)は、許嫁の葛の葉姫に化けて保名と夫婦になり一子をもうけますが、ある日、本物の葛の葉姫(魁春)とその両親が訪ねてきたことで、身を引く決心をします。泣く子をあやしながら、家の障子に「恋しくば尋ねきてみよいずみなる信田の森のうらみ葛の葉」という歌を書き残して、姿を消す葛の葉。筆を口に咥えての曲書きなど狐らしさをみせるケレン演出もさることながら、人間にまさるほどの深い情愛を持つ狐の葛の葉の哀しさが、胸を打ちます。
<印象記>
保名の舞踊は、今年、菊の助の舞踊を拝見して知っていましたが、葛の葉のお話しは、初めて見ました。
加賀屋(魁春)の早代わりの二役はお見事。葛の葉姫の眉と保名の女房の葛の葉の眉は違うのですね。しっかりと見ましたよ。
大詰の狐の正体が明らかとなったことから、子別れの哀しい思いを一首の歌に託して、障子に曲書きをする場面、筆でいろいろな書き方をする場面は、市川歌右衛門の書いたものを手本にしたとか。
右手で書いたり、左手で書いたり、逆さに下から書いたり、裏返しの文字も。最後は泣く子を抱っこして筆を口に加えて書き上げました。
幕外の引っ込みの場面は、狐のお面で七三のすっぽんから登場してきて、笠をはずすとお面も笠の中に隠れるようになっているらしいのですが、残念ながら三階からは見えませんでした。(この場面、筋書きにも小道具の紹介があり、仕掛けが分かりましたよ。)掛け声の会の方らしき方が4人(声で聞き分けてます)いたようで、その他にも私のようなのがひっきりなしに声をかけていましたァ。(掛けやすかったってことです。)
二、 寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
工藤祐経 團十郎
曽我十郎 菊之助
曽我五郎 海老蔵
鬼王新左衛門 弥十郎
八幡三郎 男女蔵
近江小藤太 市蔵
小林朝比奈 権十郎
化粧坂少将 萬次郎
大磯の虎 田之助
話題とみどころ
源頼朝からの信頼が厚い、工藤左衛門祐経(團十郎)の館。祝宴のさなかに対面を願い出たのは、父を工藤に殺された曽我十郎(菊之助)と五郎(海老蔵)の兄弟です。美しく優雅な物腰の十郎と、工藤に襲いかからんとする血気盛んな五郎は、それぞれ典型的な和事と荒事の役柄。ほかにも座頭の立役の工藤、道化の朝比奈(権十郎)、立女方の大磯の虎(田之助)、実事の鬼王(弥十郎)など、歌舞伎の主な役柄が勢揃いする、様式美に満ちた華麗な一幕です。
<印象記>
五月以来の成田屋が、昼の部のお目当てでもありました。
みどころにもあるように、歌舞伎の様々な要素を含んでいるので、始めて観るにも良いですよ。
初役にもかかわらず、五郎(海老蔵)が、舞台から飛び出してきそうな、すっごい迫力でっす
花道の出の部分は見えなかったのですが、舞台正面での睨みを利かせっぱなしの鋭い眼光は荒事の成田屋ですね。
一方の曽我十郎(菊之助)は和事で柔らかい物腰、弟の五郎をなだめつつ内に秘めた兄の雰囲気は十分です。
もちろん、工藤左衛門祐経(團十郎)の大きさは言うまでもありません。
これも、声の掛けどころが一杯で、さすがに沢山の声が飛んでましたァ。
三、 一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)熊谷陣屋
熊谷直実 幸四郎
源義経 團十郎
弥陀六 段四郎
亀井六郎 男女蔵
片岡八郎 松也
梶原景高 錦吾
堤軍次 高麗蔵
藤の方 魁春
相模 芝翫
話題とみどころ
熊谷直実(幸四郎)の陣屋に、初陣の息子小次郎の様子を心配する熊谷の妻相模(芝翫)と、やはりわが子平敦盛の安否を気遣う藤の方(魁春)が控えています。帰陣した熊谷は、敦盛を討ったと話しますが、義経(團十郎)の前で首実検に供されたのは、なんと小次郎の首。後白河院の落胤である敦盛を助けよとの義経の内意を、熊谷は見事に察知し、我が子を身替わりにしたのです。救われた敦盛が、石屋の弥陀六実は平宗清(段四郎)に無事託されるのを見届けると、熊谷は出家を決意します。敦盛を討った様子を語って聞かせる「物語」や、相模と藤の方を制札で留める「制札の見得」、首実検、出家した際に口にする「十六年は一昔」の名せりふなど、重厚な義太夫狂言のなかに戦さの非情を訴える名作です。
<印象記>
熊谷の妻相模(芝翫)はさすがでした。
義経(團十郎)の若々しさは、お声の張りでしょうか。役柄によって声の出し方が変えられるってすごいです。
石屋の弥陀六実は平宗清(段四郎)がはまり役でしたね。重い荷物を背負って立ち上がる場面は、今までのとは少し違って澤瀉屋の型だそうです。役者が変わると同じ演目もまた、違って見えます。
これだけの役者がいるからこそ、主役の熊谷直実(幸四郎)が一層引き立ちます。幕外の引っ込みは、もう少し舞台に近いところまで戻ってくれれば良いのになァって思ったのは、三階席だからでしょうか。
芸術祭だったからか、竹本も幕外の三味線も豪華な顔ぶれでしたァ。
四、 お祭り(おまつり)
鳶頭松吉 仁左衛門
話題とみどころ
山王祭を終えて帰ってきたのは、いなせな鳶頭松吉(仁左衛門)です。ほろ酔い加減ながら、からむ若者を容易に押さえつける姿は、キリッとして爽快。仁左衛門が、江戸っ子のかっこよさを十二分に見せる粋な清元舞踊です。
<印象記>
昼の部には、5月の新橋で掛け声のかけ方を目の前で見せてくださった大先輩がお出でになっておりまして、一緒になって掛け声かけまくりでした。何しろ、この方は居眠りしていても掛け声をかけるところでは掛け声を掛けられるのです。このあたりのコツを見ていると、音楽と台詞回しでタイミングが分かるようです。
お祭りには、「待ってましたァ~」が掛からないと、「待っていたとは有難ぇ~」が出てこないので、この方がお掛けになっていました。何しろ、ほんの一瞬の間ですから、ぼんやりしていられませんね。祭りのお囃子の太鼓に合わせて三味線が低い音で掛け合いがあり、聞いていてもいかにもお祭りでした。
夜の部は、また後ほど。
中村勘三郎さん、1周忌で納骨式(動画付き) 2013年11月28日
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平成26年新春浅草歌舞伎発表 2013年10月24日
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