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やっと良い陽気になってきましたね。昨晩、いつもの幕張本郷サンク・オ・ピエでのワイン会の帰り道でも涼しい夜風が吹いてご機嫌でした。GW中は来店のお客様が多く、通販はいつもより少なめでのんびりしていましたが…その分木金土と忙しく、気合いが入ってだいぶ調子がでてきました。おゆみ野店移転して一年半が過ぎましたが…最近は赤ちゃん連れや幼稚園ママさんのはじめてのお客さんが目立って増えて…喜んでいます。その家庭のライフスタイルと言いますか、ベースになるものが作られていくのがその頃だと思いますので…そういったタイミングで地元の若い家庭にさかもとこーひーを生活の一部にして頂けるのは何よりの喜びです。先日、NHKで「草食系」と言われる最近の若者について特集していましたが…世の中が成長期から成熟期に移って来たので、今の若者の価値感は自然な成り行きだと感じています。世間の流行よりも、自分なりの価値感を大切にして…豪華・ゴージャスよりも、日常の心地よさを大切にする人が増えてるんでしょうね。大きい会社は商売しづらくなりますけれども…。僕は若い頃から物欲に欠けているし、回りに合わせる事無く(自分勝手と言われますが…。)自営の道を選んだ訳ですが…「草食系」と言われる最近の若者のみなさんに結構共感しています。先ほど注文を頂いた常連さんのメールには…「最近「無くてはならない食べもの」が多過ぎ。さかもとこーひーさんの茜ブレンド、○○農園さんのみかんジュース、○○養蜂場の百花蜂蜜、○○のキムチ。自分ちで穫れたお米と季節の野菜。毎週おばさんが車で売りにくる房州の獲れたての魚。お金はあまりかかっていないけど、なんて贅沢な暮らし。自然に感謝。」…とありました。我が家も色々とお気に入りの定番がありますが…「毎週おばさんが車で売りにくる房州の獲れたての魚。」がとっても羨ましいです。Kさん、ありがとうございます。そんなこんなで…今回が「ニカラグア・エルサルバドル訪問」のレポート最終回になります。産地を訪れるのは、それだけで楽しいですし、色々と勉強にもなります。生産者のみなさんと知り合うのもうれしいものです。今回は日本のスペシャルティコーヒーを支えているバイヤーの方と11日間ご一緒しました。これも又貴重な勉強の機会になりました。朝早くから寝る迄一緒に行動しながらの何気ない会話の中やら、毎日繰り返すカッピングの中やら…一年中各国の生産者とコミュニケーションを重ね、サンプルをカッピングし、農園を訪問している方の知識やスキル、考え方は…日々お客さんと接し、焙煎したり、ブレンドしたりの僕とは、同じスペシャルティコーヒーを扱っていても違いがあって、大変に面白く又勉強になりました。簡単に言えば…バイヤーのスキルとロースターのスキルは共通する部分もありますが、全く違うものも多くあるということですね。まぁ、そこが上手く噛み合うことが、最終的にお客様と生産者の両方に役立つのだと思います。エルサルバドルの後半は…ハサール、サンタリタ、サンフランシスコ農園と訪れました。ハサールでは、環境問題で水を使えないことから、発酵処理を無くし、70%がセミウオッシュド(デスムシラード)になっているそうです。こちらで印象的だったのは…自分が収穫してきた豆を選別してから計量している様子でした。それはそれは見事に熟し具合が揃っていました。見ていると、人によってかなり選別して収穫し収穫後の選別が少なかったり、多少甘く収穫し収穫後に厳しく選別している感じの人と様々でした。なんでも、こちらでは通常の30-50%増しの賃金を支払って完熟豆の選別収穫を徹底しているそうです。こちらでは、農園でも精選処理でもあまり多くの説明が無かったのですが…良く見ていると、シンプルながら、ポイントポイントでスペシャルティコーヒーの原則に則った栽培や収穫精選処理を徹底していることが分かりました。その結果がカッピングにも出ていて、どれも安定して素晴らしいクオリティのサンプルばかりでした。汚れの無いきれいな味わいや香り、甘さ、爽やかさ、口当たりの心地よさ、余韻の魅力、バランスと良かったのが印象的でしたね。今回の「ニカラグア・エルサルバドル訪問」での結論は…「使っている豆の環境を知る事」と「お客さんのお好みを知る事」が両輪になるんだなぁーということでした。素材を知り、お客さんを知る事ですね。素材のカッピングと商品のカッピングは一緒では無いですし、焙煎でもサンプル焙煎は出来ても、商品の焙煎はまた違った部分があると思ってます。手元にある素材の魅力を把握して、その魅力を常連さん向けに仕上げるのですが…素材の作られた環境をしっていると…そこはやはり焙煎やブレンド作りをしている中でリアリティが違ってきますね。不思議なものですね。で、バイヤーの人は、素材のカッピングで、その豆の持つクオリティを正確に評価する技術が素晴らしく、細かい点で色々と盗まさせて頂きました。うちのような個人店は、限られた少ない常連さんのお好みにフォーカスしていますから、同じ素材をカッピングするのでも、少し見方が違っています。ピンポイントの味作りが出来ますね。そうそう、サンク・オ・ピエの「4月5月のシェフお勧めコース」のデザートが…「フレッシュ苺のデザートサラダ、12年熟成バルサミコ風味、南仏プロヴァンス産完熟苺のソルベ添え」で…このデザートに合わせるこーひーとして「コスタリカCOEサンティアゴ」を使ってもらっているのです。で、そのフードペアリングがどの位上手くいっているのかを確認したのです。実は、4日(火)にも友人と一緒に確認していますが…あまりにも違和感無く自然に合っていたので、今回は「ボリビアCOEカフェフロル」を持参しました。共にカップオブエクセレンスを受けた素晴らしいこーひーで、キャラクターの違いによって苺のデザートとの相性をどう感じるか?比較してみました。予想されたことですが…「ボリビアCOEカフェフロル」をまず味わった印象と、苺のデザートと一緒に味わった印象がまるで別物になりました。「コスタリカCOEサンティアゴ」の相性の良さがより引き立ちました。このような試みはバイヤーの方々とは別世界のことですし…ロースターでも大きな会社は勿論、個人店でもスタッフが増えて店主が焙煎や接客から離れてしまうとなかなかハードルが高いことでしょう。素材さえ良ければ、それで素晴らしいスペシャルティコーヒーになると勘違いしている人にも難しいでしょうね。「スペシャルティコーヒーはカスタマー・オリエンテッド」が原則ですから…不特定多数の消費者相手では無くて、特定少数のカスタマー、常連さん、顧客にみなさんに向けた魅力作りを忘れてはいけないと、あらためて今回の「ニカラグア・エルサルバドル訪問」で肝に銘じたことでした。素材頼り、素材軽視…どちらも哀しいことです。
2010.05.09
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*GWの営業は…5/2(日)3(月)は定休日でお休みです。 …祝日の、5/4(火・祝)5(水・祝)は営業いたします。天候不順が続いていましたが…田んぼに水が入って、一斉に蛙が鳴き出し、GWに入って、ようやく気持ち良い陽気になってきました。近所のおゆみ池は桜がきれいなんですが…今は鯉のぼりが何十匹と泳いでいて、壮観です。GW前半は、さかもとこーひーはじめてのお客さんが多く…特に、ご家族連れ、ご夫婦でのお客さんが目立ち…のんびりした休日に…こーひー屋さんでも行ってみようか!…って感じでした。なかなか普段来られない遠くの常連さんもいらしてくれました。5/4(火・祝)5(水・祝)も営業していますので…お待ちしています。そんなこんなで…ニカラグアの次は「エルサルバドル」に入りました。エルサルバドルは、さかもとこーひーで大活躍…年間で一番使う「エルサルバドル・シャングリラ」をはじめ…今お届けしている「エルサルバドル・サンイシドロ」…他にも「エルサルバドルCOEサンホセ」に「エルサルバドル・レクエルド」…と、この一年だけでも「エルサルバドル」の色々な魅力をご紹介してきました。僕が感じている「エルサルバドル」の魅力は…まず、どなたにも安心してお勧めできる「滑らかな口当たりと甘さ」…「余韻が明るく切れが良い爽やかさ」…「ベリー系やミルクチョコレートのキャラクター」が共通してあると思います。さらに素材毎に…「アプリコットやオレンジ」だったり…「ピーチやプラムから赤ワイン」だったりのキャラクターが加わり…トップクオリティの「エルサルバドル」には「親しみやすさと味わい深さが一体となった魅力」があると思います。そのような魅力を生かす為に…「口当たりの繊細さや円やかさ」「柔らかで豊かなコク」を大切にして焙煎しています。それと…ブレンドにも大活躍で…とんがったキャラクターの素材をまとめたり…ブレンドのベースに使ったり…グアテマラ、ブラジル、マンデリン、ケニアらと並んで…とさかもとこーひーに無くてはならない素材のひとつになっています。さて、そんな「エルサルバドルで印象的だったこと」です。エルサルバドルの初日に訪問したのは…「シャングリラ農園」と「レクエルド農園」でした。1400から1500mの高さにあって…山に登っていく途中、遠くからコーヒー農園を見ると…ウインドブレーカーと呼ばれるワッフルのような模様の防風林が印象的でした。エルサルバドルは風が強く…風速100m吹いたこともあったそうです。今年千葉で記録的な強風が吹きまして…明け方に吹いたんですが…その時は、屋根が吹き飛ぶか、家ごと吹き飛ぶか、と思いましたが、それでも36mとか38mだったので、100mなんて本当かな?と思いますが…どちらにしても、コーヒーも大きな被害を受けたそうです。もうひとつは、火山が多いことですね。2005年にも噴火して、こちらも大被害を受けたそうです。太平洋からコーヒー農園のある山岳地帯まで、ずーっと平地なので、海からの風が直接吹いてくるんでしょう。ある程度海陸性気候の要素があるんでしょうか。高地であっても穏やかな気候なのと、豊かな火山灰土壌なのが、エルサルバドルの魅力に影響しているのかな?と感じました。「シャングリラ農園」を回りながら説明を聞いていると…気候も土壌も良いので「樹が長持ちする」ということでした。70年になる農園で、50年以上の樹もありました。品種は、95%ブルボンで5%がパカスだということです。日射しが強かったのですが、風が冷たく感じ、蒸し暑くは無かったですね。土まで陽が当たっているのも印象的でした。剪定によっての陽の当たり具合や風通しは農園にとって大切なことですから…その辺のコントロールの良さも実感しました。次の「レクエルド農園」は…100%ブルボン種で、無化学肥料、落葉での肥料にもなっているそうです。2005年に購入した農園ということです。高度は1400m位で…3500本/haだそうです。シャングリラ農園が2000本/haですので、本数が多いようで、樹を減らす方向と話されていました。湿度高いとさび病の原因にもなりますし、シェードツリーが多いと、コーヒーの樹高が高くなるそうです。購入してまだ間もないので、これから整備を進めていくようです。気候と土壌に恵まれ長持ちするので樹齢の古い樹を大切に使い…ブルボン種中心で…勿論、完熟実を選別収穫することも徹底していて(収穫後、自分で摘んできた豆を選別した後、計量していました。)…それらの条件がエルサルバドルの魅力になっているんだろうかと思いました。(樹齢の古い樹は、ワインでも言われますが、成熟期になっていますので栄養生長よりも生殖生長になっているんですね。なので、元気に樹が成長することよりも、子孫を残そうとするので、実に複雑性があって味わいが魅力的になるんでしょう。若い魅力よりも、成熟した魅力ってことでしょうか?)次回に続きます。今年のエルサルバドルは…「シャングリラ」…「ラスヌベス」…「サンイシドロ」…「レクエルド」…等にカップオブエクセレンスも使いたいので…エルサルバドルの様々な魅力をお届けしたいと思ってます、お楽しみください。
2010.05.06
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*GWの営業は…5/2(日)3(月)は定休日でお休みです。 …祝日の、4/29(木・祝)、5/4(火・祝)5(水・祝)は営業いたします。暑かったり、冬のような寒さが戻ったりの一週間でしたが、今日曜日の朝はやっと晴れ上がって暖かくなりそうです…今週は、まず焙煎機のモーターがポシャって、バタバタと交換し…その翌日は、鼻血が止まらなくて耳鼻科に行ったりと…アクシデント続きでした。(ファイバースコープで鼻の中を見ながら、先生に鼻の構造とか香りのこととか聞けたのは収穫でした。)コンデション維持の為には、又仕事の量の調整を進める必要を感じますね。20代30代は不死身を誇っていて、いくらでも働いてましたが…そのまま40代50代働くとバタッと倒れると教わったので…40代の仕事の仕方、50代の仕事の仕方と徐々に変えてきましが…おゆみ野店移転してからは、朝6時に入って閉店まで店にいることが多いので、ちょっとバテてきたようですね。そんなこんなで…今日は「ニカラグア訪問まとめ」でサクッといきたいと思います。毎日、朝農園に行って…土から樹や葉っぱ、実の成り具合、収穫…陽の当たり方、風の抜け具合等々気にしながら、農園内を歩き回って…午後はウエットミル、ドライミルといった果肉を除去したり、乾燥したりの工程を回り…その後はひたすらたくさんのカッピングをして終わり…そんな繰り返しでした。僕がスペシャルティコーヒーに出会って10年位ですが…やるきに溢れた生産者のみなさんは、年々情報を増やし、ひとつひとつ技術を高めていることが伝わってきます。このニカラグアはコーヒーの生産地としてあまり有名では無いので…カップオブエクセレンスからの流れを熱心に取り入れて、それが上手くいっている産地だそうです。農園を回っていても、今後の新しい品種を植える話しや、農園や精選処理の改善など熱心に話してくださいました。で、同じニカラグアであっても様々なキャラクターの豆が使えるようになるでしょう。そのキャラクターをしっかりと掴み、常連さんのお好みに合ったこーひーにどう仕上げるか?新しい魅力として仕上げるか?その辺の可能性がとっても楽しみです。生産者のみなさんのやる気に触れると…素材自慢に陥り易いんですが…素材だけ素晴らしくても、焙煎が拙くてはそのポテンシャルが台無しになってしまいます。(当たり前の話しですが…素材が良くないと、どんなに上手に料理しても無理があり…素材がどんなに素晴らしくても、料理が拙くては台無しです。)ここ数年スペシャルティコーヒーに参入してきた人から焙煎の相談を受ける事が最近増えてきまして…日本にスペシャルティコーヒーの焙煎の基本が広まっていないことを実感しています。調理の知識や経験があると理解しやすいんですけどね、焙煎も調理のひとつですからね。直ぐに機械に解決を求めたり、センスを頼ったり、錬金術魔法の世界にはいったりしますね。後、原則や基本が確立されていないのに…色々な方法があっても良いと逃げたりすることも聞きました。次回からは、さかもとこーひーで大活躍の「エルサルバドル訪問」のお話しに移ります、お楽しみください。
2010.04.25
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さて…「ニカラグアで印象的だったこと!」の3回目です。去年一昨年とさかもとこーひーおゆみ野店に来店してくださって…「ニカラグア・カサブランカ農園」としてお届けしている「オルテス・コーヒー園」のセルヒオさんの取り組みがとっても印象的だったというお話しです。セルヒオさんのプレゼンは…「7TIMES CLASSIFIED!」がテーマになっています。7回の分類選別によって品質管理をしていると強調しています。科学の「科」には…1 物事を区分した、その一つ。学問・教育の場で系統別に分類したもの。2 生物分類学上の基本階級の一。目(もく)の下位で、いくつかの属の集合からなるが、1属で1科を形成する場合もある。(Yahoo! 辞書)とあります。分ける事から「科学的アプローチ」がスタートとすると…僕自身基本にしているのですが…「分けることの大切さ」をセルヒオさんも大切にしていることを知り…嬉しくなりました。もっとも、ただ分ければ良いってもんでも無くて、どう分けるか?によって、その後の効果が大きく違ってきますけどね。(コーヒーで言えば…焙煎工程をどう分けるか?によって、焙煎のメソッドが大きく変わると思いますし…出来上がったコーヒーの魅力も全く違ったものになると思ってます。)的確な分類、効果的な分類が出来るようになるのは少し時間がかかりますね。で、「Embassy農園」の他には…-「カーサブランカ農園」のラコパ地区とロスカプレス地区も回りました。ちょうどコーヒーの花が咲いていて、とっても甘い香りが印象的でした。花が咲いてから8-9ヶ月で収穫になるそうで…今の花は、今年の暮れの収穫初期の実になるようです。その後は…ウエットミルとドライミルという…精選処理工程に移りました。収穫した実をトラックで運び…完熟した実は早く運び精選処理に入らないと発酵のリスクがあります。その為には道路等のインフラが整備されていることが重要で…道路の整備には日本の援助が役に立っていると聞きました。「オルテス・コーヒー園」では、一般的な中米の精選処理工程よりも、5段階多いプロセスを取っているそうです。精選処理の機械は、業界では有名なブラジル製ピニャレンセの新しいものを使っていて…さらに独自に工夫を加えていました。1まず…軽いチェリーの選別をします。水を使って比重選別をしています。サイフォン式と言って、水をかき混ぜてチェリーを混ぜ、浮くものと沈むものを分ける理屈です。2.次は…グリーンセパレーターという工程で…チェリーの堅さで選別します。水圧緩く設定することで…柔らかい熟した糖度の高いチェリーを選別して通します。水圧を高めると多少硬い未熟な豆も通ってしまうことになります。より熟したチェリーのみ通す歩留まりの悪い方法ですね。通常、グリーンセパレーターを通っていないチェリーをこのあとパルパーという工程を通すのですが、先ほどのグリーンセパレーターを通ったチェリーと、パルパー後のチェリーと混ざってしまう為…より選別分類とする為に分けているそうです。つまり、より塾度が揃うということですね。3.その次は…ここで再度サイフォンを使用して、軽いパーチメントをさらに選別します。…この再度のサイフォン使用が、セルヒオさん独自の検証だそうです。「そこまでしなくても!やり過ぎなんじゃない?」…という声もあるようですが、あくまでもセルヒオさん自身が自分で考え、取り組んでいる姿勢が伝わってきました。その後工程は…発酵槽に移るのですが…またまた驚き!…なにやら部屋の中に続いていて…中を覗くと…冷やっと涼しいのです。なんと、クーラー付き発酵槽で、低温長時間発酵の為に作ったそうです。クーラー付きの発酵槽で…14-18.19℃の低温で時間をかけて処理をして、それはフレーバーに関係してくると聞きました。外気温任せで、時間を調節する発酵処理と…温度コントロールしての発酵処理の違いにチャレンジしているんですね。勿論、全ての豆をしているわけではなく…選別を重ねたトップクオリティの豆の為の工程になっています。因みに、発酵槽はタイル貼りされていて…普通はコンクリートが多いようですが…清掃しやすく、清潔を守りやすくなっています。ワインでも樽を使ったり、ステンレスタンクを使ったりしていますし、温度コントロールのノウハウは色々とあるようですし…日本酒でも低温発酵をしますね。吟醸酒は低温発酵によるリンゴのような香りを特徴とすることが多いですね。4.最後は…乾燥工程になります。スペシャルティコーヒーで普及しているアフリカンベットを使い…さらにハンドピックで選別を進めています。アフリカンベットは、高床式で、ネットを貼って、風通しを良くして、腰の高さなのでハンドピックもしやすいし、上にカバーを掛けられるようにすると、急な雨にも大丈夫です。はじめて、このアフリカンベットを見た時…昔スリランカの茶園と工場の視察に行った時の紅茶の萎凋工程を思い出しました。紅茶の製造では…最初に萎凋(いちょう)と言って、干して萎らせます。紅茶と言えば発酵が印象的ですが…実際は発酵工程は、発酵の仕上げコントロール的な工程で、萎凋で間違えると後でなかなか取り替えしかつかない重要な工程だそうです。…で、萎凋工程では、ネットを貼った上に茶葉を広げて…下からファンで風を送って水分を抜いていました。すみません…長くなってます。その後は…カッピングルームに移って…カッピングしては、カッピング結果を一人一人コメントし…次のカッピングへと、繰り返して行きました。カッピング時のサンプルデータには…それぞれの工程の詳しいデータがついていました。なかなかその相関関係までは分かりませんでしたが…日常的な地道な取り組みが伝わってきました。この積み重ねが重要なことは分かっています。(僕自身、焙煎をはじめた頃からデータとカッピングを繰り返し…最近後輩の焙煎指導をする機会がけっこうありますが…こちらの希望するデータと豆を送ってもらうと、焙煎の解決方法が見えてきます。まぁ、その店に行って、実際に一緒に焙煎すれば一番早いですけどね。)そんなこんなで…カッピングです。1.グリーンセパレーターで浮いた豆2.パルパーを通った豆3.グリーンセパレーター後のサイフォンで浮いた軽い豆4.アフリカンベットでハンドピックされた豆5.アフリカンベット後のトップスペシャルティコーヒー6.ニカラグアの通常のプロセスの豆と、いったカッピングがありました。見事に違いが出ていました。あぁ!この味、送られてくるサンプルに時々ある欠点だと思う事がありました。なるほど、あの味の原因はここにある可能性が高いんだ!…なんて、思いながら…貴重な経験をさせて頂きました。素晴らしいトップスペシャルティコーヒーの中には…たまたま農園の立地がテロワール等に恵まれて…さらに、スペシャルティコーヒーの基本に忠実に真面目に栽培、精選処理をした結果…際立った魅力になったものがあるでしょう。勿論、それも素晴らしいことです。セルヒオさんからは…より魅力的なスペシャルティコーヒーの為に…出来る事を明確にして…分類し…仮説検証し…さらなる魅力を目指し…出来る事をやって…その上で…さらに動かすことのできない土地を求める…そんな「非常にクリエイティブな仮説検証」の積み重ねを受け取ってきました。農業ですので…その結果は一年一年少しずつのものかもしれませんが…楽しみが増えました。
2010.04.11
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前線が通り過ぎて…猛烈な風が吹いて…遅れていた春がやっとやってきました。立川談春師(今一番チケットが手に入らない落語家の一人、「赤めだか」の作者。)のチケット販売があったので…朝から市民会館まで自転車でひとっ走りしてきましたが…行きも帰りも満開の桜がきれいでした。さらに、達郎の夏秋のツアーのファン倶楽部先行予約の案内も届いて…ネット上でもファンは興奮状態です。今年も充実したライブ暮らしになりそうです。(しかし、毎年ツアーやるって聞いていても…達郎はオオカミ少年なんで…本当になって驚きです。夏から秋のツアーだし、2年連続なんで…マニアックな曲も期待できそうです。)そんなこんなで…こちらも充実していた「ニカラグア、エルサルバドルの旅」の「ニカラグアで印象的だったこと!2」ですが…さかもとこーひーで「ニカラグア・カサブランカ農園」「ニカラグア・パカマラ」としてみなさんにお届けしたこーひーの生産者であるセルヒオさんの「オルテス・コーヒー園」でとっても印象的だった経験ができました。去年一昨年とセルヒオさんがさかもとこーひーに来店してくださって…カッピングと共に、生産についてのプレゼンをしてくれました。その際…「7TIMES CLASSIFIED!」がテーマになっていて…7回の分類選別によって品質管理をしていると強調していました。収穫からウエットミル、ドライミルでの選別は、如何に完熟した豆だけに揃えるかの為に、スペシャルティコーヒーでは非常に重要な工程ですので…その時は、あぁ!きちんと基本を徹底している人なんだぁーと…感動まではいきませんが、真面目で信用できる生産者なんだと受け止めていました。あと…カッピングを学び、プロバットのサンプルロースターを購入し、サンプルローストを学び…生産者とインポーター、我々ロースターが同じ条件で素材を評価できる環境を整えているのも…現実にはなかなかできないようですが…理にかなった、もっともな話しだと、納得していました。勿論、そんな実践が…年々クオリティのアップとなってましたから…これからどんな魅力的なコーヒーになるのか?期待もしていました。焙煎、カッピングをしながら…今の素材にどのような要素が加わったら、もっともっと魅力的になるか?イメージするのも楽しいものです。で、朝6時にホテルを出発して…非常に険しい山道を1時間半…舗装された道から崖っぷちの山道に入り…セルヒオさんの新しい農園Embassyに7時半頃着きました。ニカラグアで、1600m前後という一番標高の高い農園のひとつで、5haの広さ、急斜面で油断するとズルズルと落ちて行きそうな絶壁です。標高が高い為に、メインピッキングは4-5月だそうです。植えて6-7年の樹が中心だそうで…2つの谷川が合流する上に農園が広がっています。その為に、霧の影響がありそうですし…農園までの山道はずーっと自然林で、表土が厚いですし…南斜面に立つと、7時半には東の山から太陽が登り朝の日射しをたっぷり受けて、午前中の陽の当たり具合が心地よいし…農業技師のスタッフの指導で余分なシェードツリーを切ったそうで、剪定も実施、整備が進んでいて…風の通りも良くて…コンプレックスな気候をイメージできたり…冷涼な気候、強い日差し、乾いた風、土壌や降雨等マイクロクライメットに期待できそうでした。糖度18-20という完熟豆をかじると甘く余韻が長くて印象的でした。肥料は、雨期に降雨後湿っている状態で、樹の廻りに斜面の上側半径に10cmほど掘って…60g/本位肥料を入れ、土をかぶせるそうで…土壌分析して、必要な成分を加えているそうです。その時に話題が出て…カリはフレーバーに効果がでると言われていて…中米でカリの価格が上がったそうです。カリが何故フレーバーに効果があるんだろうと考えたら…カリは根肥と言われているのを思い出し…そうか!カリによって根の発育を促進し、その根から栄養の吸収が高まり、フレーバーに効果があるんだろうか?と考えました。そうすると…フレーバーだけじゃなくって、味わいにもきっと良い効果がありそうです。しかし、過ぎたるは猶及ばざるが如しですから、バランスですね。その点、農業技師による土壌分析で肥培管理をしているそうですから、きちんとしてますね。今後「Embassy」には、特別印象的なフレーバーの品種を植えていく計画があるようで…標高の高さやそのマイクロクライメットを生かして…パカマラ、ゲイシャ、ジャバ、ベルサーチ等チャレンジしていくそうです。セルヒオさんは、「オルテス・コーヒー園」内の…ロスカプレスやラコパ、エルポバニエールといった農園で…「7TIMESCLASSIFIED!」やカッピング、サンプルローストとクオリティアップを進めながら…最終的に持ってきようの無い、動かしようの無い土地と言いますか、立地と言いますか…場所が欲しくなったのでしょう。それが、新しく手に入れた「Embassy」だったのでしょう。そんなこんなで…又又長くなってしまいましたが…その後の精選処理工程と、夕方から待っていたカッピングで待っていたのが…僕のメモに…「生産者の非常にクリエイティブな仮説検証」を書かれた体験でした。まさに、分類、選別しての仮説検証がコーヒーの魅力を如何にクリエイティブするか?そして、出来る事をキッチリとやって…その上で「Embassy」の環境が欲しくなったのでしょう、次回に続きます。
2010.04.04
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桜の季節ですが、寒い日が続いてますね。まぁ、毎年のことで…風が吹いて、もう一度寒さが通り過ぎれば春真っ盛りです。いつの間にか朝6時前の通勤時に明るくなっているので、気持ち良いです。先週の日月と昨日の土曜日に「切り絵展覧会」 とコラボした「いまでやカフェ」の企画で、長年僕の晩酌用お酒を買っているいまでやさんのパーティールームでこーひー淹れてきました。木村さんの切り絵が懐かしさとポップさが相まってとっても魅力的でした。色のついた切り絵は、むら染めの和紙から使いたい色の部分をひろって裏から当てているそうです。うちの常連さんが何人も来てくれて…ひと時カフェのマスターになってました。先週の土曜日はサンク・オ・ピエの9周年記念コースを愉しむワイン会で…まぁ、最初から最後まで僕の好みの連続なんですが…「オマール海老のコンソメ」の驚く程の透明さと豊かなコク、口の真ん中からふわ~っと上がってくるオマールの香り、プリッと心地よいオマールの身とご機嫌で…帰り道に、ワイン会を主催してくれているKさんと…「強さが売りじゃない、透明な中のあれがコクってもんでしょう!」とお互い納得してました。で、「メインのエイヒレとキャベツのシェリーヴィネガー風味ベルナール・パコー風」は…20年近く前に「月刊専門料理」で当時二ツ星から三ツ星に昇っていく時のベルナール・パコー氏の記事を読んでからどんな味わいなんだろうと思っていた料理の再現で…強烈な酸味とバターの乳化で現れる円やかで切れの良い、次のひと口を誘う魅力に黙ってしまいました。その次は、「エゾ鹿とフォアグラのトリュフ風味、ロッシーニ風」…まぁ、こういった料理はシェフの名人芸のひとつで…いつもながらの見事な乾熱調理です。鹿肉の色を見た瞬間に素晴らしい火入れが分かります。シェフも「これ、やばいでしょう」って言ってた位の会心の火加減でした。鹿肉のしっとりとした繊細でシルキーな触感は、仕上がりのイメージを目指した生で無く焼きすぎない微妙な火のコントロールの成果ですね。そして…ヴァローナのショコラを使ったフォンダンショコラとシャーベットに合わせた「サンク・オ・ピエ9周年ブレンド」です。実際の「9周年記念コース」の最後にどういった印象になるか?…。このブレンドだけで飲むと、グアテマラ・エルインフェルトとコスタリカCOEサンティアゴのブレンドですから…口当たりは柔らかいものの、こーひー自体にはかなりパワーがあります。シェフから評価は頂いていたものの…コースの最後としてはどうなのか?この日を待っていました。このフォンダンショコラ自体がかなり濃厚な魅力で…そこにシャーベットが合わさって、コクと爽やかさが渾然一体に快感を呼び…フランボワーズソースでさらにアクセントが加わり…そんな口一杯の状況にバランス良いこーひーと果たしてなっているか?こればっかりは実際に体験しないと確信が持てませんでした。そして、その結果は?…なかなかだっと思います。素晴らしい料理やワイン、デザートと一体となるこーひーには…酸のクオリティが不可欠です。トップスペシャルティコーヒーの持つ…土壌、気候、理想的に完熟の実を揃え収穫し、さらに精選技術の高さによる…クオリティの高い酸と甘さを持った素材を、どうイメージして焙煎、ブレンドするか。普段は、常連さんの日常の暮らしをイメージした魅力作りをしていますが…こーひーの可能性のひとつとして…フレンチの食後をより豊かに魅力的にできるようなこーひー作りに一歩一歩進んでいけて…職人冥利に尽きます。(どんなに素晴らしいエスプレッソでもひと口ふた口ではフレンチの食後として…ワインや料理の流れからの余韻をより豊かにするにはどうなんだろうと疑問を持っています。)そんなこんなで…「ニカラグアで印象的だったこと」を書こうと思ったのですが…長くなってしまいました。「ニカラグア・カサブランカ農園」「ニカラグア・パカマラ」を生産してくれているセルヒオさんの非常にクリエイティビティを感じる印象的なチャレンジを紹介しようと思ってます。スペシャルティコーヒーの生産の基本からスタートし、そこからの仮説をたて実践し検証を繰り返す取り組みには、正直驚きました。朝6時に出発して…非常に険しい山道を1時間半…途中松から植生が替わり…急斜面、絶壁の中四駆の後ろ座席で揺られ続け…新しく買った一番標高の高いEmbassy農園に到着し…その後のウエットミルとドライミル(精選処理)…最後のカッピングは…1.グリーンセパレーターで浮いた豆…2.パルパーを通った豆…3.グリーンセパレーター後のサイフォンで浮いた軽い豆…4.アフリカンベットでハンドピックされた豆…5.アフリカンベット後のトップスペシャルティコーヒー…6.ニカラグアの通常のプロセスの豆…と工程毎に分けたサンプルが待っていました。僕のメモには…「生産者の非常にクリエイティブな仮説検証」とあります。次回、その辺をご紹介します、お楽しみに♪
2010.03.28
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帰国して1週間、ようやくコンデションが戻ってきました。のんびりしていたら、レポートが全然進みませんでしたので、そろそろニカラグアとエルサルバドルの産地レポートをスタートします。今日は、まず、ニカラグアの初日です。前日着いて泊まったManaguaを朝7:00に出発し、ヌエバセゴビア地域のOcotalオコタールに向けて、日本のODAで整備された道路をガンガン飛ばして行きました。農園では、ウエットミルからドライミルまで、2日かかっていたのが、道路の整備によって、2時間に短縮したそうで、この時間短縮がコーヒーの品質向上に大きな効果をもたらしたそうです。収穫してからの精選処理は時間が重要で、せっかく完熟した豆を収穫しても、そこから時間がかかると発酵のリスクが大きくなってしまうんです。で、最初の農園は…今週から発売した「ニカラグア・ブエノスアイレス」でした。この農園はお馴染みの「ニカラグア・カサブランカ農園」の隣と云いますか、反対斜面にある農園です。5月までは乾期で、今はほとんど雨降らないそうです。Buenos Aires農園は、植えて6年のマラカツーラが80%で、カツーラが20%ということでした。マラカツーラは、マラゴチッペの甘さとボディを生かし、カツーラの明るさとアシディティを加えた良さがあるそうです。50年の歴史のあるファミリー農園で、昨年COEに2農園入賞し、いつも品質重視で栽培しているそうです。四駆でグイグイ登って行きましたが、後ろの座席に座っていたら、ゆらゆらユッサユッサ揺られて…おっさんには辛いものがありました。そんな非常に急峻な山を登ると、東南向き斜面で、非常に日射しが強くて、ジリジリ照りつけてましたが、乾燥していて涼しい心地よい風が吹き向けてました。日射しや土壌、降水は勿論ですが、風の具合も大切です。それと、シェードツリーに覆われているのも印象的でした。聞くと8種類のシェードツリーが植わっているそうです。3種類のインガやバナナは肥料に役だつし、柑橘系は防虫、棕櫚は根が深く土壌の崩落防止になるそうです。見事に紫から赤に完熟した実が成っていました。その後、カッピングすると、酸の質と甘さが印象的で、マウスフィールの素晴らしさがより魅力的にしていると思いました。少し前にお届けした「ニカラグアCOEナランホ」もお隣だそうです。取りあえず、今日はこの辺で…。
2010.03.18
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*長期臨時休業のお知らせです。「2/27(土)~3/9(火)…臨時休業します。」…11日間と長く、ご不便おかけしますが、よろしくお願いします。ここ数年…「スペシャルティコーヒーはカスタマー・オリエンテッド」の原則に従って、さかもとこーひーの常連さんにとっての「美味しさ」や「使い勝手の良さ」を整えることにフォーカスして、国内で大人しくしてきました。おゆみ野店移転して一年経ち、だいぶ形になってきましたので…中米「ニカラグア」と「エルサルバドル」の農園を回ってきます。さかもとこーひーで使っている農園にも行きます。帰国後は、農園で感じ、考えたことをレポートしますので、ご期待ください。・・・今…「ニカラグア」と「エルサルバドル」の旅を終えて…最後のエルサルバドルの夜です。毎日、農園と精選所(ウエット&ドライミル)を廻り、その後はカッピング…を繰り返していました。農園の日射しを浴び…風を感じ…土を触り…実をかじり…精選所(ウエット&ドライミル)の流れと仕組みを把握し…それらの結果のコーヒーをカッピングしました。余談ですが…目標通り何キロか痩せたようです、ベルトがユルユルになりました。そんなこんなで…取り急ぎ、写真をお届けします。帰国したら、順番にレポートします。
2010.03.07
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今、ニカラグアで夜中の3時です。昨日から、農園を回り始めました。帰国後発売予定の「ニカラグア・ブエノスアイレス農園」と、同じくドライミルという最終乾燥場、ブエノスアイレスの7種類の豆のカッピング…さらに、「ニカラグア・カサブランカ農園」のウエットミルという収穫後最初の精選場を回りました。非常に急峻な山、強い日差し、乾燥した心地よい風、8種類のシェードツリー、が印象的でした。ブエノスアイレスの7種類の豆のカッピングは、素晴らしいクオリティの酸と甘さやマウスフィールが見事に一体化していて、農園のポテンシャルや技術の高さを感じました。この後、朝食抜きで6時に出発します。ネット環境が整っている時にまた、アップします。・・・*長期臨時休業のお知らせです。「2/27(土)~3/9(火)…臨時休業します。」…11日間と長く、ご不便おかけしますが、よろしくお願いします。ここ数年…「スペシャルティコーヒーはカスタマー・オリエンテッド」の原則に従って、さかもとこーひーの常連さんにとっての「美味しさ」や「使い勝手の良さ」を整えることにフォーカスして、国内で大人しくしてきました。おゆみ野店移転して一年経ち、だいぶ形になってきましたので…中米「ニカラグア」と「エルサルバドル」の農園を回ってきます。さかもとこーひーで使っている農園にも行きます。帰国後は、農園で感じ、考えたことをレポートしますので、ご期待ください。
2010.03.01
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