June 11, 2004
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カテゴリ: いろいろ。
臆病者、意気地なし、嘘つき、弱虫、偽善者。

「奥さん、気丈で優しすぎます。」
警察の担当者の言葉が頭から離れない…。

11日、事情聴取の為に警察に出頭してきました。
もっと突っ込んだ事を聞かれるかと思ったけど
大体はパパの出勤状態や学歴、職歴、結婚した時期など
事故までの生活についての話や事故状態の確認だった。
これから検察、裁判所にまわる書類の作成。

内容のすべてがパパを思い出す事になって辛い。
聴取が終わるまでの2時間、ほとんど私は泣いていた。

最後に加害者の処分に対する希望を言って下さいと言われた。
それまではもちろん厳しい処分を望んでいたけど、ふと義母の
「相手の人にも家族がおるやろうし…」という台詞を思い出し、つい口にしてしまった。
「相手の方も結婚されて、お子さんもいらっしゃるんですよね?」と…。
担当の方が「厳罰を望みますか?」と確認するように聞いてくる。
心の中では望んでいた事をどうしても口にすることができず、激しく涙がこぼれてきた。
「奥さん、優しすぎますよ。」
優しい?優しさなんだろうか?ただ自分が臆病なだけだと思った。

直接の処分の判断は裁判所で下される事になるけれど

相手の人にも家族(子供)がいる、その家族には罪はないのに…?
でも掛け替えのないパパを失った私や子供は?
今更、何をして貰ってもパパが帰って来てくれる訳じゃないのに?
どこにも持って行きようのない気持ちが交錯する。

結局、最後まで「厳罰を望みます」とは言えなかった私は臆病者の偽善者だ。

こんな私をパパは天国からどう思って見てるのだろうか?

事情聴取が終わって、パパが当日身に付けていた遺品を返して貰った。
家に帰ってから見てみると、病院で脱がせるために鋏で切り裂かれ見るも無惨な状態だった。
所々事故の衝撃で破れているし、首元や腰のあたりは夥しい出血の跡が残っていた。
仕事で履いていた安全靴の丈夫な底は裂けていた。
どれだけ事故の衝撃が激しかったかを物語っている。
どんなに痛かっただろうか?苦しかっただろうか?
想像するだけでも気が狂いそうになる。
どうしてパパがこんな目に遭わなければならなかったのだろうか?

義母はそんな遺品を見て「捨てよう」と言う。何でそんな事が言えるのか?
パパが最期に身に付けていたものだと思うと私はどうしてもそんな事はできない。
夫を亡くすのと息子を亡くすのでは、悲しみの大きさが違うのだろうか?

警察で事故当時の現場のの写真を見ますか?と聞かれた。
私はパパがどんな状況で命を落とさなければならなかったのか知りたかったので「見ます」と答えたけれど…結局見せては貰えなかった。
今から思えば鎌をかけられたのかと思う。
それで「気丈」と言われた。
弱音を吐けたら…いっそ気が狂ってしまったらどれだけ楽だろうか?
私が自分の弱い所をさらけ出せたのはパパだけだったのに…そのパパはもういない。
今は実の親兄弟、義母、友達にも話せないことをこの日記に書いている。
どこかではき出さないと、胸が苦しくて仕方がない…。

これで警察の捜査も一段落したように思われる。
これから検事官に書類が行くらしい、それから裁判所。
加害者に対する刑事処分、行政処分、民事処分のすべてが決まるまでどれ位の時間がかかるのだろうか?
交通事故は被害者側にも加害者側にも深い傷跡を残すものだと改めて感じる。

ああ、事情聴取での事で心が乱れております…。






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Last updated  June 12, 2004 03:26:01 AM
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