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2026.01.25
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カテゴリ: マンガ
ペリリュー外伝のご紹介です。
漫画ペリリューのサイドストーリーです。

ペリリュー本編の記事は こちら。



ペリリュー-外伝- 1/武田一義/平塚柾緒【3000円以上送料無料】

※本記事はネタバレを含みます。
【本編を補完する物語】

本作は本編で描き切れなかった様々なエピソードを収録した短編集のような作品です。
各キャラクターを掘り下げた話も多く、より物語に奥行きが出ています。

また、主人公田丸を中心に本編の後日談も描かれています。
戦後漫画家となり、戦友吉敷の妹と結ばれました。
彼の描いた漫画が戦地で思っていた通り、南国を舞台にした冒険ものだったのが感慨深いです。

そして戦功係の役割を果たすべく、戦場で散っていった仲間たちの家を訪ねて行きました。
歓迎してくれる家もあれば戦争のことを思い出したくもないという家もあり、消息もつかめない家もあるというのが中々リアルでした。


時が流れ、妻を見送った田丸もまた歳を取り入院するようになりました。
そして作中では田丸の孫がこの漫画を描いたという設定になっていますが、その孫が田丸から当時の様子を聴いて作品を描き始めました。
それは仕事でありながらおじいちゃんと孫が語らっているような不思議な雰囲気でした。

戦争体験を家族に話さない人は多いそうですが、田丸の「戦争の話をするということは、自分が人を殺したことを家族に話すということだから」というのが生々しいですね。


【各人物の横顔を描く】
本作では作中に登場したキャラクターたちのサイドストーリーが描かれています。
米兵の視点から描かれたエピソードもあって、印象に残りました。

飄々として食えない人物だった小杉伍長がなぜ日本に帰りたがっていたのかも、これを読むとよく分かりました。

また、田丸達を指揮していた島田少尉のその後も痛々しい話でした。
自分の指示で多くの部下が死ぬことに心を痛め、自分の行動は間違っていなかったのかと常に悩んでいました。
戦後もペリリューに残り続けた彼は、まるで自分が幸せになることを固辞しているかのようで読んでいて辛かったです。


嫌われ役だった片倉兵長も印象深かったです。
戦後すぐに英語を猛勉強し、商社マンとしてアメリカの会社との取引にも関わるようになりました。
それはまるで、まだアメリカとの戦いは終わっていないとでも言っているような雰囲気でした。

敵も味方も数えきれないくらい殺し、仲間の肉を食ってまで生き延びた彼が田丸と同じくらい長生きしたのは何とも皮肉な話だと思います。
戦後の人生が長ければ長いほど、過去を背負っている時間が長くなるわけです。
あの仏頂面の裏で、彼は何を思っていたのでしょうか。


【描かずにはいられない物語】
ペリリューを描くにあたり、かなりの取材がされているのを感じました。
本編には収まり切らない情報も膨大であったでしょうし、それをそのまま眠らせてしまうのは忍びない、描かずにはいられないという想いのようなものを感じました。

本作は外伝と銘打っていますが、本編を補完し完成させる作品だと思います。
本編と併せて読んでもらいたい作品でした。



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最終更新日  2026.01.25 20:00:05
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