
この1ヶ月の間に、3本の吟醸酒がしぼられました。この写真は、その醪(モロミ)を袋に入れて小さなタンクに重ねた状態です。
上から圧力を掛けることなく、自然の醪の重さで滴る酒だけを斗瓶(トビン)に取ります。
ゆっくりゆっくり時間をかけてしぼるのです。
よく、【○○吟醸 斗瓶囲い】とか【斗瓶取り】等と書いて、付加価値をつけて少し高い値段で売っている吟醸酒を見かけますよね。

それはこの様に、滴る酒をその順番に斗瓶に取ったものを言います。
このお酒にどうして付加価値があるかと言いますと、
酒は、しぼり始めてからの時間によって、
同じ醪であっても全く違う表情を見せるのです。
なので、斗瓶で10本近く取るのですが、
その1本1本がそれぞれ違う味わいを持っているのです。
要は、同じ醪からしぼった酒であっても、
その1本の斗瓶に入っている酒は世界中探しても、
たった20リットルしかないことになるのです。
これがまた、本当に違うんですよね。
始めのうちは少し甘みや渋味を感じ、しばらく経つとその甘みが落ち着き、酸味とのバランスが良くなります。
そのバランスの良い瞬間はそう長くも続かず、その後は苦味や渋味が出てくるのです。
最終的には、袋の上から重しを乗せて、圧力をかけてしぼります。
そうなってしまうと、酒質が荒くなってしまうので、出品用にはならないのです。とは言っても、薮田式という装置でしぼるよりは、
断然優しく無理のない上槽(ジョウソウ)をしているのですが・・・。
ちなみに、ここで取れた酒粕は、まだまだ充分に酒を含んだ、ふんわりとしたとってもいい酒粕になるのです。
そして、こうしてしぼって斗瓶に取った酒の中から、鑑評会への出品用に、より良いものを慎重に選ぶのです。
何はともあれ、醪の経過にもかなりの気を遣っていたお頭さんも、
ようやくわが子が誕生してホッとした表情です(*^▽^*)
長い間の吟醸の管理、本当にお疲れ様でしたm(__)m

そしてそして、私に管理を任せてもらっていた吟醸【小枝】も、3月19日、ようやくしぼることができました~!!!!!
醪日数、なんと【【【 56日
】】】ですっヽ( ゜ 3゜)ノ
(通常吟醸でも30日程度です・・・。)
こんなに醪日数が長引いてしまった原因には
色々な理由と失敗があるのですが、
とにかくとにかく、いい勉強をさせてもらった醪だったと思います。
こうして、しぼられた3本の吟醸酒。
それぞれがそれぞれに、特徴を持った良い酒に仕上がりました。
現在、出品用に滓引き(オリビキ)をして火入れ(ヒイレ)をしているところです。
滓引きと火入れの作業は、すべて私が任されてやっているのですが、
この二つの作業こそ、細かい神経を通わせて慎重に行わなければ、
せっかくの良い酒が台無しになってしまいます。
もう間もなく、斗瓶に取ったすべての酒の、
滓引きと火入れが終わります。
後もう少し、気を抜かないようにしなくてはですっ!!!
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