四きょうだい と 両親
枝切バサミ?私はあっけにとられて、窓から顔を突き出します。
夫は、慎重に巣のあたりにハサミをのばし、小枝をいくつか切り落
とすと、
「これでどう? ちょっとレンズをのぞいてみて」
と、声を押し殺していいました。
あらためてレンズをのぞくと―。
私は思わず歓声を上げそうになりました。よく見えるようになった
巣から、可愛い雛の頭が複数のぞいているのです。
夫が二階にもどってくると、もうレンズの奪い合いでした。ちょうど私がのぞいているときでした。
親鳥の一羽が何か餌をくわえてもどってきました。ヒナたちはいっ
せいに伸び上がって口を大きくあけ、ピィピィ、ピィピィ、それはに
ぎやかに鳴きだしたのです。その瞬間をのがさず、すばやく可愛
い頭を数えると、全部で四つありました。四きょうだいというわけです。
手ブレではありません。雛たちが全身を震わせて、エサを
ねだっているのです。
親が一回に運んでくる餌は、ヒナ一羽の口におさまるだけですから、
そのときありつけなかったほかの三羽は、口を大きく開けたまま、親
鳥が巣のふちに止まっているうちいっぱい鳴きやみません。
親鳥はやがて巣の中に頭を突っ込んだかと思うと、何かをくわえて
飛び去っていきました。どうやらそれは雛のフンのようです。感心な
ことに、親鳥は雛のベッドを清潔にしておくらしいのです。
夫は、親鳥がいなくなったすきに、もう一度、白樺の小枝を切り落と
してきました。巣のようすは、さらに観察しやすくなりました。
こんどはさっきのとは別のらしい親鳥が、やはり餌をくわえてやって
きました。ヒナたちはまたまたいっせいに口をあけ、ボクニモ、ワタ
シニモとにぎやかに鳴きだします。
よく見ると 、たしかに雛が4羽います。
この親も、餌を与えたあと、巣の中に頭を突っ込んでフンらしきも
のをくわえ出しました。ところが、なんとその親鳥は、そのフンらし
きものを飲み込んでしまったのです。
わが子の餌探しに一生懸命で、自分の分を探すいとまもろくにな
いのでしょうか。後になって実際にこの目で見るのですが、雛には
まだそんなに消化能力がないので、時には、ほとんど餌のかたち
のままフンになって出てくることがあります。親はそれを自分の餌
にするのかもしれません。
親鳥の目線を見て下さい。何だか家の中の私たちの気配を気にして
いるような…。
私は、雛たちが親に餌をねだる光景など、テレビや図鑑でしか見
たことがありません。それがいま、目の前で本物を見ているのです。
なんとも不思議な気持ちでした。
雛たちは、あとどのくらいでこの白樺から巣立っていくのだろう。
それほど先ではないだろうから、楽しみな日帰り旅行は、それを
見届けてからにしよう、と私たちの意見はすぐに一致しました。
観察していると、興味深いことが多くて、まったく飽きないのです。
どうか四羽とも、無事に巣立ってほしい―。
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つれりんさん