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2011.04.08
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カテゴリ: 映画の話
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カズオ・イシグロの原作 を読んでいた間、ずっと頭の中に広がっていたのが、灰色の空と、荒涼とした草原のイメージでした。

映画化のニュースを知った時、これは観たい!と思った一番の理由は、主人公のキャシーとルーシーをキャリー・マリガンとキーラ・ナイトレイが演じると知ったからで、個人的にはこれ以上のはまり役はないキャスティングと思ったのです。

その期待はまったく裏切られることなく、その上、もう一人の主人公、トミー役のアンドリュー・ガーフィールド(「ソーシャル・ネットワーク」で気の毒な主人公の友人を演じていた)の繊細な演技表現にも目を見張りました。

若い俳優トリオが織り成す3つの魂の旅路が、忘れられない余韻を残す映画でした。

物語の重要なファクターである、寄宿学校での子ども時代のパートでも、子役達がそれぞれ素晴らしくて、愛しくて…
だからこそ、哀しくて。

そして、重く灰色の雲が垂れ込め、寂しく風が吹き渡る、私が思い描いていた光景がそのまま映像化されていたことに驚かされました。

人物も背景も、その造型は原作の世界を存分に表現して見事。ただ、それだけに、割愛された小説のいくつかの場面がとても惜しく感じたことも事実。


映画が描く世界の中では、腫れ物にさわるように扱われ、好奇と恐れが入り混じった視線を浴びせられる主人公たち。

でも、その純粋さや、愚かさにも似た幼いところ、それぞれが持つ個性の輝きは魅力的です。
そして、彼らに感情移入すればするほど、その先に待ち受ける宿命の過酷さが胸に迫って…。

揺れ動く思いの果てに、黙ってそれを受け入れていく若者たちの姿は、うかつに「かわいそう」などとは言えない、気高ささえ感じさせます。
静謐なラストシーンには、原作と同様に、深い感銘を受けました。

人間の運命って何なのだろう、そして生きていくことの意味って?
普段は気にもとめずに暮らしているそんな事柄について、思いを馳せずにはいられない。そんな今、この美しい映画と出会えてよかったし、もう一度原作を味わってみようと思っています。






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最終更新日  2011.04.08 23:42:59
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