ミステリの部屋

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2005年09月18日
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カテゴリ: 日本ミステリ


急いでいたので、不覚なことにシリーズ3作目を買ってしまいました。
この作品は『鬼女の鱗』『自来也小町』に続く「宝引の辰 捕者帳」シリーズの第三弾です。

辰親分は第一作から着実に年を重ねているようですが、近作では四十二歳、円熟の十手さばきだそうです。

これは短編集で、

朱房の鷹|笠秋草|角平市松|この手かさね|墓磨きの怪|天狗飛び|にっころ河岸|面影蛍

が収められいます。

私はユーモラスな話だけれど、哀しいくらい人のいい男がでてくる「墓磨きの怪」が好きでした。

語り手がそれぞれ違うのですが、ほとんどの語り手は職人さんなので、江戸時代の風物が詳しくわかります。



泡坂さんの紋章上絵師としての薀蓄がとても楽しめるというわけです。

ひとりひとりの語り手から、宝引の辰の人柄が浮かび上がってきます。
鉤縄の名手で、凄腕の岡っ引きとして鋭い推理を見せるのですが、一方おかみさんがすすめる厄年のお払いはがんとしてやらない、という子供っぽいがんこさもあったります。

安心し読める謎解きがほとんどですが、最後の「面影蛍」だけは、前編語り手が思い出話を語り続け、辰が聞きっぱなしという形式の異色の作品となっており、驚きと深い余韻を残します。


朱房の鷹 朱房の鷹 :  泡坂妻夫








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最終更新日  2005年09月18日 23時50分25秒
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