ミステリの部屋

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2006年06月05日
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カテゴリ: 日本ミステリ
ついに時間はかかりましたが、苦戦していた「サタンの僧院」を読み終わりました。



敬虔なカトリックである彼らの前に、緑の甲冑に身を固めた「僧正」が馬にまたがって姿を現します。
彼は、伝説の剣を岩から抜き去り、学院長の息子である甲斐・クレメンスに、自らの首をはねさせるのです。
そして、復活を約束し、落とされた自分の首を持ち帰ります。
後には「僧正」の居場所をしるした暗号文が残されていました。
甲斐は暗号を解いて「僧正」のもとへ単身旅立ち、入れ違いに帰った兄アーサーも彼を助けるために後を追うのでした。


首なし騎士も不思議ですが、他にも奇跡や不可能な謎が幾つも登場します。

七百年前におきた不可思議なできごと……周囲に足場が何もないのに、姫君は足跡一つない広場の真ん中で墜死し、同じ時に、その姉は高い塔の上の密室で、護衛と共に殺されていた。

誰も近づけなかったはずの時鐘塔に一瞬の間に出現する死体。

人々が見守る中で見えない凶器に刺される、自称「聖者」。

目には見えない魂の重さをはかる天秤。などなど。


これらの謎は、合理的に解明されるのですが、それがやや肩透かしに思えます。
まるで、手品の種明かしをされたかのような気持ちになってしまいました。

そんなちょっとちゃちにも感じられる真相を補うのが、重厚な神学論争であり、中世的雰囲気なのです。


私にはその神学論争が今一つ楽しめなかったので、大変疲れることになってしまいました。
前作の「3000年の密室」( 感想 )では、考古学のロマンに酔うことができたのに、なぜ今回はできなかったのか?

多分私が神学には興味がなかったからです。

「円卓の騎士」を甦らせたこの物語は、神学、宗教がバランスのいい問答として配置されているので、興味が持てる方なら、とても楽しめることと思います。

ただし、アーサーが、かなりかっこいいのですよ。
のど元過ぎれば何とやら、次回アーサーが出てくるのなら、読んでみてもいいかななどと思っております。

※なるほど、と感心する謎解きもありました。
特に、龍伝説の解釈は見事でした。
これまでの言い伝えが、解釈一つで鮮やかに変わってしまうんですから。
このことを付け加えておきます。


サタンの僧院 サタンの僧院 :柄刀一







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最終更新日  2006年06月06日 00時11分25秒
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