さ・る・の・あ・な・た

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2007.08.19
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カテゴリ: 読んだ本いろいろ

ちくま文学の森 美しい恋の物語

ちくま文学の森シリーズ、私の学生時代にはなばなしく刊行されていたのを思い出します。
現在は絶版のようです。少年老いやすく学なりがたいのはもちろん、
歳月は残酷ですね(^^)。

・・・単純にタイトルにひかれたのですが、
どうも安野光雅氏のチョイスとこちらの好みがずれているようで(笑)。
ラインアップはいずれも佳品なのですが、

いささか抵抗がありました(好みの問題ではありますが)。

一部抜粋すると、


モーパッサン「未亡人」・・・・軽妙で毒の利いた作風。そこはかとなく哀れな読後感がステキ(^_^;)。

フォークナー「エミリーの薔薇」・・・・有名な短編。これって恋愛小説だったのかといまさらびっくり(猟奇的ミステリーと思っていた・・・)。彼を殺したのは愛ゆえに? それとも自尊心を傷つけられた怒り?? ・・・いずれにせよ、こんな「愛しかた」は私にはできません(^_^;)。

ハックスリー「肖像画」・・・・贋作に託して語る若き日の恋の回想。短編としては秀逸だけど、恋愛が主題とはよめませんでした。

菊池寛「藤十郎の恋」・・・・・役者は色恋も芸のうち? でも主人公のあまりに醒めて突き放したもののみかたに読んでるこちらも醒める(^_^;)。

アンデルセン「柳の木の下で」・・・・失恋をくりかえし、生涯独身だった作者の内面が色濃く出ているであろうと思われる佳品。センチメンタルだけど好き。ほかの作品とちがって作者が主人公の思いを肯定しているから読者の共感をよぶのだと思う。

加藤道夫「なよたけ」・・・・戯曲。もうかなり昔、東山紀之さん主演の舞台上演されてたような記憶があります。下級貴族の青年が、「竹取物語」を執筆するきっかけになった切ない恋の話。・・・・残念ながら個人的に好みではないですが(失礼)、まだ20代前半だった作者が、出征直前に書き上げた作品であることが驚き。早熟の天才が、しかも過酷な時代に流麗な珠玉作をものしている事実のほうが、いっそう切なく痛ましい。


なんというか・・・、安野光雅氏の選択はあまりに理知的で(^^)、ベタなロマンスに弱い婦女子の紅涙をしぼるところまでゆかないというか。
巧みな小説を読む楽しみ・・・、は味わえましたが(^^)。

・・・トシのせいか、ときどき切ない純愛小説が読みたくなります(どうもトシをとるにつれて自分と対極にある(笑)はかなく美しいもの、可憐なもの、悲しくも一途なものにひかれるようですね)。くわしいかたおられましたら、ぜひ教えてほしいところです。

ちなみに、好きなのは「万葉集」の相聞歌、近松の一連の作品、シュトルムの短編・・・そのほか、ですね。





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Last updated  2012.08.17 08:45:32
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