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あの『ベロ出しチョンマ』
の斎藤隆介・作の絵本。
とってもけちな、『ケチ六』こと六助さんのおはなし。
朝起きるときも、損得勘定に余念ない、ケチ六さん。

朝食のごはんを盛るのも、年取ったお母さんに指いっぽんふれさせない。
ごはんは、多すぎても少なすぎてもいけない、
多く食べすぎるのは損だが
少なすぎると一日の野良仕事にさしつかえるのでこれまた損。
ただしお母さんは、年取ってもう働けないから、ごくわずかでがまんさせる。
とても真剣に、ごはんの盛り方を検分する
のが、可笑しい。
ふだん、遠巻きに敬遠しているであろう村の衆
が、冷やかしでのぞく。
読む側も、村の衆の目線になってるんだろうなあ😅。
むだな人づきあいはおことわりなケチ六さん。
人づきあいどころか、節約のあまり結婚もしない
で、はや50歳。
人となんぞ、つきあわなくても かまわない。
かまわないどころか けっこうなことだ。
つきあいなんて、金がかかって 一文のトクにも ならない。
ううむ21世紀現代のミニマリストはだし😍。
こうして平穏な日々を送っていたケチ六さん
だが、ある日。
みたことがない不思議な子供があらわれて・・・
鳥小屋に、一羽だけ飼っている
やせこけた雄鶏にえさをやる童子。
『ミロ フトッタ』
あっ。あの ほねだらけの とりが、 まるまると ふとっちまって いる。
『ヒトリデ、 カワイソウダ』
わらしが つと手をのばすと、
あれれ、とりが 二羽になった。
なんでも、ひとつあれば倍になると聞かされて、逆上したケチ六さんは・・・
鍬なんかほっぽりだして、
童子の手をひき母屋に駆け込む。
とばっちりでこけたお母さんをみて、童子が
『コノバアサマ、フタツニスルカ』
『じょ、じょうだんじゃねえ。
そんなごくつぶし 二人もつくられてたまるか!』
寝室へとびこんだケチ六さんは
たたみをぬいて床板をはずして頭を突っ込むと・・・
すごいお金😲。
さすがに こばんは なかったが、穴あき銭にまじって 二ぶぎんなども ひかっていた。
(二ぶぎんとは、時代劇によくでてくる 二朱銀 ??)
こんなにお金があったのに、おまえは・・・と、ショックのあまり泣き出すお母さんに、
『ええやかましい、クソばばあ!』
『さ、これを倍にしてけろ!』
『ウン』
童子が手を伸ばすと、たちまちお金の山が倍に・・・
感極まって
お金の山にとびつくケチ六さん、
が
『ア、ニワトリニゲタ』
の声にあわてて鳥小屋にかけもどると、もぬけのから、
とんぼ返りするまもなく、
お金の山までふっと消え、
童子も掻き消えて・・・
ケチ六は はんきょうらんだった。
『ぬすとっ! どろぼうッ!
人ごろしッ! 出てこいッ!
おらの金 かえせッ!』

絶望の絶叫。
無理もない無理もない。
絶望のクライマックス。
『あああ、おら もうダメだ。しぬ・・・
食う ものも 食わねえで ためた 金・・・ 』

食うものも食わねえでためた金・・・
私なぞお金もないけど
かといって食うや食わずで貯金した経験もないので
なにもいえないけど、なんと切実な😅😢。
そのとき、ケチ六に無意識にけとばされたお母さんが、床にきちんとすわりなおして・・・
『わらしコさまや、わらしコさまや、どうぞや どうぞ、
六助を ゆるしてやってくだされ。 このままだば、六助は
気が ちがってしまうス。これは、ケチなだけで、
わるい男ではねえのだスから・・・これが 気が ちがえば
年よりの おらも 生きてはいられねえ・・・ 』
『・・・ほんとだ。 おらは ケチなだけで、わるい男ではねえ。
あの 金 出てこねば おらは しぬ。
こんつくたら ことに なるんだば、もっと 金つかって、ママも ちゃんと
食って、おふくろサも、食わせれば えがったァ・・・!』
すると天井のはりの上に、ふっと童子があらわれ・・・
その、ゆびさす先をみると消えたお金の山がもりあがり・・・
ケチ六さんが、頭からとびついてかかえたときには、童子の姿は消えていました。

ひたすらわが子を思いいっしんにいのる
お母さんの慈愛
とケチ六さんの絶望感が、
凄まじいインパクト。
そして、それから
ケチ六さんは
お母さんに滋養あるたまごをふくめてごはんをちゃんと
出すようになり、
消えたにわとりは雄雌つがいであらわれて
よくたまごをうみました。めでたしめでたし。
どうも、この結末はよくわかりません。
あまりけちけちせずに親孝行しなさい。と、言いたいのかどうなのか。
ところで誤解されがちですが、けちだから蓄財できるとはかぎりません。
誰あろう
私の今はなき祖父など、戦前の
薄給の田舎教員で、生涯けちけちしておりましたが😢
まったく貯金は溜まらなかった
(薄給なうえに、なき祖母が金銭感覚なく浪費家で、家計はつねにザル状態😅)。
ケチ六さんは、お金をためる才覚がありますね!結婚せず独身を通すのは、やはり正解??
ついでに水をさすなき父の言葉、
「 江戸時代の百姓が、いくらけちけちしたって
それでお金がたまるはずがない。
(農家がゆたかになったのは第二次大戦後の農地改正からだそうで、)
たぶん追いはぎかコソ泥でもやってるんだろう 」
身も蓋もなくて、かたじけないm(__)m。
1975年発行の絵本、
このおもしろさは絵本ならではのものなので、再刊してほしいですね💗。
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