さ・る・の・あ・な・た

さ・る・の・あ・な・た

2020.09.30
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カテゴリ: 読んだ本いろいろ



あの『ベロ出しチョンマ』
の斎藤隆介・作の絵本。

とってもけちな、『ケチ六』こと六助さんのおはなし。



 朝起きるときも、損得勘定に余念ない、ケチ六さん。




 朝食のごはんを盛るのも、年取ったお母さんに指いっぽんふれさせない。
ごはんは、多すぎても少なすぎてもいけない、
多く食べすぎるのは損だが
少なすぎると一日の野良仕事にさしつかえるのでこれまた損。

ただしお母さんは、年取ってもう働けないから、ごくわずかでがまんさせる。



 とても真剣に、ごはんの盛り方を検分する

のが、可笑しい。



 ふだん、遠巻きに敬遠しているであろう村の衆

が、冷やかしでのぞく。

読む側も、村の衆の目線になってるんだろうなあ😅。

 むだな人づきあいはおことわりなケチ六さん。



人づきあいどころか、節約のあまり結婚もしない

で、はや50歳。

人となんぞ、つきあわなくても かまわない。
かまわないどころか けっこうなことだ。
つきあいなんて、金がかかって 一文のトクにも ならない。

ううむ21世紀現代のミニマリストはだし😍。

 こうして平穏な日々を送っていたケチ六さん
だが、ある日。



みたことがない不思議な子供があらわれて・・・

 鳥小屋に、一羽だけ飼っている
やせこけた雄鶏にえさをやる童子。



『ミロ フトッタ』

あっ。あの ほねだらけの とりが、 まるまると ふとっちまって いる。

『ヒトリデ、 カワイソウダ』
わらしが つと手をのばすと、
あれれ、とりが 二羽になった。




 なんでも、ひとつあれば倍になると聞かされて、逆上したケチ六さんは・・・

  鍬なんかほっぽりだして、
童子の手をひき母屋に駆け込む。

とばっちりでこけたお母さんをみて、童子が




『コノバアサマ、フタツニスルカ』

『じょ、じょうだんじゃねえ。

そんなごくつぶし 二人もつくられてたまるか!』

寝室へとびこんだケチ六さんは
たたみをぬいて床板をはずして頭を突っ込むと・・・




​すごいお金😲。​

さすがに こばんは なかったが、穴あき銭にまじって 二ぶぎんなども ひかっていた。

(二ぶぎんとは、時代劇によくでてくる​ 二朱銀 ​??)

こんなにお金があったのに、おまえは・・・と、ショックのあまり泣き出すお母さんに、

『ええやかましい、クソばばあ!』

『さ、これを倍にしてけろ!』

『ウン』

童子が手を伸ばすと、たちまちお金の山が倍に・・・

 感極まって
お金の山にとびつくケチ六さん、



『ア、ニワトリニゲタ』

の声にあわてて鳥小屋にかけもどると、もぬけのから、

とんぼ返りするまもなく、

 お金の山までふっと消え、

童子も掻き消えて・・・

ケチ六は はんきょうらんだった。

『ぬすとっ! どろぼうッ!
人ごろしッ! 出てこいッ!
おらの金 かえせッ!』





絶望の絶叫。

無理もない無理もない。

 絶望のクライマックス。

『あああ、おら もうダメだ。しぬ・・・

食う ものも 食わねえで ためた 金・・・ 』



食うものも食わねえでためた金・・・

私なぞお金もないけど
かといって食うや食わずで貯金した経験もないので
なにもいえないけど、なんと切実な😅😢。

そのとき、ケチ六に無意識にけとばされたお母さんが、床にきちんとすわりなおして・・・

『わらしコさまや、わらしコさまや、どうぞや どうぞ、

六助を  ゆるしてやってくだされ。 このままだば、六助は

気が ちがってしまうス。これは、ケチなだけで、

わるい男ではねえのだスから・・・これが 気が ちがえば

年よりの おらも 生きてはいられねえ・・・ 』

『・・・ほんとだ。 おらは ケチなだけで、わるい男ではねえ。

あの 金 出てこねば おらは しぬ。

こんつくたら ことに なるんだば、もっと 金つかって、ママも ちゃんと

食って、おふくろサも、食わせれば えがったァ・・・!』

すると天井のはりの上に、ふっと童子があらわれ・・・

その、ゆびさす先をみると消えたお金の山がもりあがり・・・

ケチ六さんが、頭からとびついてかかえたときには、童子の姿は消えていました。




 ひたすらわが子を思いいっしんにいのる
お母さんの慈愛
とケチ六さんの絶望感が、
凄まじいインパクト。

そして、それから

ケチ六さんは
お母さんに滋養あるたまごをふくめてごはんをちゃんと
出すようになり、

 消えたにわとりは雄雌つがいであらわれて
よくたまごをうみました。めでたしめでたし。



どうも、この結末はよくわかりません。

あまりけちけちせずに親孝行しなさい。と、言いたいのかどうなのか。

ところで誤解されがちですが、けちだから蓄財できるとはかぎりません。

誰あろう
私の今はなき祖父など、戦前の
薄給の田舎教員で、生涯けちけちしておりましたが😢
まったく貯金は溜まらなかった
(薄給なうえに、なき祖母が金銭感覚なく浪費家で、家計はつねにザル状態😅)。

ケチ六さんは、お金をためる才覚がありますね!結婚せず独身を通すのは、やはり正解??

ついでに水をさすなき父の言葉、

江戸時代の百姓が、いくらけちけちしたって
それでお金がたまるはずがない。

(農家がゆたかになったのは第二次大戦後の農地改正からだそうで、)

たぶん追いはぎかコソ泥でもやってるんだろう

身も蓋もなくて、かたじけないm(__)m。



 1975年発行の絵本、

このおもしろさは絵本ならではのものなので、再刊してほしいですね💗。

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Last updated  2020.10.03 18:25:22
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