窓辺でお茶を

窓辺でお茶を

July 7, 2007
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カテゴリ: 展覧会
 古代エジプトの聖なる猫に会いたくなって、ブリジストン美術館に行きました。以前不安をかきたてるような絵を見た後、常設の古代のコーナーでその猫を見たとき、気持ちがなごんだのです。実際の猫よりほっそり長細いからだとかわいらしい顔をしていて、前足を揃えて尾を足に沿わせて前の方においています。
ブリジストン美術館
コレクションというところをクリックし、古代の彫刻に行くとご覧になれます。

 美術館目指して銀座通りを歩いていると、若い人たちが10人ぐらい集まっていました。引越しのトラックが数台とまっていて、制服を受け取って着ているところでした。もしかしてこれが日雇いの派遣なのだろうか?と思ったのですが…このかたたちがどういう条件で働いているのかはわかりませんが、杉浦ひとみさんが斉藤貴夫さんの講演「格差社会の構図・ワーキングプア・労働者の現状」を詳しくまとめていらっしゃいます。
杉浦ひとみの瞳


 ブリジストン美術館ではコレクションの中から「じっと見る」と題して選んだ作品を展示していました。入り口すぐの常設の彫刻の部屋を通って展示室にはいると、

1. 伝統から近代へ

祭壇画、小品ながらレンブラント、ゲンズバラ、ドーミエ、クールベ、ミレーの小品など

2. 印象派へのいざない

コロー、ピサロ、マネ、シスレー、ルノアールなど



セザンヌ、モネ、ゴーガン、それにゴーガンとシニャックが1点ずつ。

4.世紀末から20世紀へ

ルドン、ボナール、ルオー

5.日本の近代絵画1

浅井忠、藤島武二など

6.日本の近代絵画2

安井、梅原、岡鹿之助など

7.20世紀のさまざまな表現1 マティスとフォービスム~エコール・ド・パリ

マティス、ローランサン、藤田(魚が置いてあって猫が画面の端に顔を出している、お気に入りの絵)など

8.20世紀のさまざまな表現2 ピカソとキュビスム~シュルレアリスム

アンリ・ルソー、ピカソ、を中心に。



出てから気がつきましたが、聖なる猫に気を取られていたので、最後の抽象の部屋があるのに気付きませんでした。いらっしゃるかたは、ご注意ください。(私だけ?)


 レンブラントやコローはもともと好きですし、小品ながらアングルもすてき、ピカソやマティスは迫力があって印象的ですし、あまり疲れず見られる規模でなかなかよかったです。でも、個人的に一番惹かれたのはルドンとルオーでした。そのときの気分によっても違ってくると思います。ルオーは一時あまり興味がなくなっていたのですが、最近また見たくなりました。道化師、王様、裁判官を繰り返し描いている意味が最近わかるような気がしてきて。
同じ部屋にある道化師と赤い鼻のクラウンはまったく違った表情をしています。(私の目から見るとですが)クラウンが裁判所でキリストをとりかこんでいる人たちとどちらかというと同類なのに対し、道化師は静かで高貴ともいえる顔をしています。

 「郊外のキリスト」も好きな絵ですが、この「郊外」とははたしてどこの郊外なのでしょうか?2千年前のパレスチナの町でしょうか?それとも現代の工業都市や大都市のうらぶれた集合住宅の建つ町でしょうか?どちらにも見える気がします。








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最終更新日  July 7, 2007 10:20:00 AM
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